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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エターナル・コマンド(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エターナル・コマンド(モダン)
by 岩SHOW
モダンのデッキ紹介をする前に、まずはスタンダードのデッキを見てほしい。モダンしか興味ない? そんなこと言わずに、これを見たらスタンダードやりたくなるかもよ?
5 《森》 1 《島》 1 《山》 4 《植物の聖域》 2 《伐採地の滝》 4 《尖塔断の運河》 4 《霊気拠点》 -土地(21)- 3 《守られた霊気泥棒》 4 《ならず者の精製屋》 3 《奔流の機械巨人》 -クリーチャー(10)- |
4 《霊気との調和》 1 《ショック》 4 《蓄霊稲妻》 3 《予期》 2 《焼夷流》 2 《否認》 1 《自然廃退》 4 《電招の塔》 3 《虚空の粉砕》 4 《天才の片鱗》 1 《粗暴な排除》 -呪文(29)- |
3 《つむじ風の巨匠》 2 《払拭》 1 《儀礼的拒否》 2 《否認》 1 《自然廃退》 2 《コジレックの帰還》 2 《即時却下》 2 《慮外な押収》 -サイドボード(15)- |
「ティムール電招」とでも言おうか。青赤緑のエネルギーに関するカードがたっぷり詰め込まれており、《電招の塔》からのダメージでクリーチャーに対処しつつライフも削っていくコントロールデッキだ。《ショック》が1枚挿しだったり《守られた霊気泥棒》という構築では珍しいクリーチャーが入っていたり......褒め言葉としての「変態」が似合うデッキだと思わないかね?
このデッキの使用者は一体誰だと確認すると、そこには燦然と輝く「yaya3」の5文字。ヤソさん、そんな気がしましたよ......現在日本、否、世界でも最強のプレイヤーの1人に挙げられる八十岡翔太その人だ。
ヤソさんのティムールカラーのデッキ、そして《粗暴な排除》による《奔流の機械巨人》の使いまわしを見ると......マジック・プレイヤー選手権2012にて使用された同色のデッキを思い出す。あのデッキもまた、変態的なものだったなぁ。その原型は《包囲の搭、ドラン》と《永遠の証人》と《謎めいた命令》が同居する、正真正銘の変態デッキだった......八十岡ブランドのコントロールデッキ、通称「ヤソコン」の中でも、これらのデッキは「エターナル・コマンド」と呼ばれることもあり、その独自性と強さに多くのプレイヤーが魅せられたものである。
この「エターナル・コマンド」の魂を継承するデッキが、カナダはトロントにて開かれた大型トーナメントでなんと優勝! 今日はそのデッキの話をしようかなと。
1 《森》 3 《島》 1 《山》 1 《蒸気孔》 1 《繁殖池》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《霧深い雨林》 4 《沸騰する小湖》 1 《溢れかえる果樹園》 1 《伐採地の滝》 3 《尖塔断の運河》 -土地(21)- 4 《瞬唱の魔道士》 4 《タルモゴイフ》 1 《漁る軟泥》 3 《永遠の証人》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 -クリーチャー(14)- |
4 《霊気の薬瓶》 4 《稲妻》 4 《血清の幻視》 3 《呪文嵌め》 1 《蒸気の絡みつき》 4 《差し戻し》 2 《電解》 3 《謎めいた命令》 -呪文(25)- |
3 《大爆発の魔道士》 3 《高原の狩りの達人》 1 《スラーグ牙》 2 《払拭》 1 《炎の斬りつけ》 1 《外科的摘出》 1 《古えの遺恨》 1 《否認》 2 《神々の憤怒》 -サイドボード(15)- |
「エターナル・コマンド」の名の通り、キモになるのは《永遠の証人》と《謎めいた命令》の2枚。一見何の関係もなさそうな2枚だが、これが組み合わさるととんでもないことになる。
まずは《謎めいた命令》。このカードは4つのモードから選んだ2つの効果を発揮するインスタント。これで対戦相手の呪文を打ち消しつつ、カードを引くなりクリーチャーをタップするなりして盤面を掌握したら、《永遠の証人》で墓地の命令を回収。また次の相手の呪文を命令で打ち消し、もう1つのモードは自分の証人を手札に戻すことを選ぶ。また証人を出す、命令戻す......を繰り返し、対戦相手に呪文を唱えさせないというロック状態に持ち込むのだ。
......え、そんなに土地が並ばないって? そこはもちろん、工夫で乗り切る。《霊気の薬瓶》というショートカットがあればちょちょいのちょいだ。
蓄積カウンターを3個で固定すれば、4マナ払うだけでこのパターンに持ち込める。最速で4ターン目から、「永遠の命令」に引きずり込める。このロックコンボをプランの1つに据えた、どっしりコントロールもできるクロック・パーミッションだ。
《稲妻》《電解》で除去し、《差し戻し》《呪文嵌め》で打ち消す。これらを《瞬唱の魔道士》で使いまわしつつ、《タルモゴイフ》《ヴェンディリオン三人衆》《漁る軟泥》も併せて殴って、可能であれば早めの決着を目指す。《蒸気の絡みつき》は相手のクリーチャーを戻しながらライフを攻めても良いし、自身の《永遠の証人》《瞬唱の魔道士》を戻して使いまわしても良し。《霊気の薬瓶》を後から引いてしまっても、《ヴェンディリオン三人衆》の能力で自分を対象にして何かしらのカードと交換できるということは覚えておこう。
サイドボードも扱いやすいカードが揃っており、見た目ほど難しいデッキではないのでチャレンジしてみると良いだろう。ただ、デッキ自体の難易度と、それを使って優勝する難易度とはまた別の話。大きな勝ち星を得るには、時間がかかるかもしれない。ただ、「感染」「ドレッジ」も弱まり、世紀末的な環境から中速気味なゲームに移行しようとするモダンにおいては、以前よりも断然チャンスのあるデッキだ。目指せ、世界のyaya3!......うん、目指すのはタダだってぇ!
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