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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ラクドス・マッドネス(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ラクドス・マッドネス(スタンダード)

by 岩SHOW

 ラクドス教団員の皆さん、偉大なるラクドスの教えに従ってムチャクチャやってますかぁ?! 「血と堕落があれば、世の中は素晴らしい」というぶっとんだ理念に基づき、破滅的な活動を続けるギルド・ラクドス教団。構成員の平均寿命はラヴニカの全ギルドの中でダントツに短いらしく......愛すべきバカなヤツらなわけだが、ラヴニカにおいては娯楽施設を経営したり、製鉄業や芸術方面で活躍する構成員もいるのだとか。芸術には狂気がつきもの、本日紹介のデッキは狂気に満ちた「ラクドス・マッドネス」だ。その芸術点の高い動きをとくと見よ!

AngledLuffa - 「ラクドス・マッドネス」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2016年10月23日)[MO] [ARENA]
9 《
4 《
4 《凶兆の廃墟
4 《燻る湿地
2 《燃え殻の痩せ地

-土地(23)-

4 《ファルケンラスの過食者
3 《精神病棟の訪問者
3 《流城の密教信者
1 《マラキールの解放者、ドラーナ
4 《ゲトの裏切り者、カリタス
3 《ヴォルダーレンの下層民

-クリーチャー(18)-
3 《血統の呼び出し
1 《殺人衝動
4 《癇しゃく
4 《無許可の分解
4 《密輸人の回転翼機
3 《最後の望み、リリアナ

-呪文(19)-
3 《屑鉄場のたかり屋
2 《集団的蛮行
2 《精神背信
1 《アヴァシンの裁き
1 《殺人衝動
2 《破滅の道
2 《反逆の先導者、チャンドラ
2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス

-サイドボード(15)-

 手札からカードを捨てる際に、それをそのまま墓地に置くのではなく定められたコストを支払って唱えることができるというマッドネス能力。これは『イニストラードを覆う影』『異界月』では主に赤黒の吸血鬼の能力として設定されていた。吸血鬼デッキを作るということは、自ずと赤黒のマッドネスを主軸としたデッキを作るということである。

 マッドネス・デッキを作る際に必要なもの......それは共鳴者だ。共鳴者とは、『オデッセイ』発売当時にできた概念。手札からカードを捨てることを能力の起動コストに持ったクリーチャーやその他のパーマネントを指す。この概念もその定義が広がり、能力の効果によって手札を捨てるカードもひっくるめて共鳴者と呼ぶようになった。共鳴者により手札を捨ててマッドネス呪文をガンガン使用していく、というのがマッドネス・デッキの基本線で、そしてこの度イニストラードの吸血鬼たちが手に入れた待望の共鳴者が......

 皆様ご存知『カラデシュ』の制空権を握る《密輸人の回転翼機》。はい、もちろんこのカードですよ。2ターン目に展開するカードとしては最高品質。これを手に入れたことで、吸血鬼は活躍のチャンス到来だ。

 「The Madness」でも紹介した《ファルケンラスの過食者》はこのデッキでも1ターン目のベストムーブ。2ターン目は殴って、3ターン目からは回転翼機に乗り込んで、捨てたカードにマッドネスを与えると八面六臂の大活躍を見せてくれることだろう。

 《精神病院の訪問者》《流城の密教信者》《ヴォルダーレンの下層民》のそもそもマッドネス持ち吸血鬼たちも、どれもこれも一癖あって対戦相手が手を緩めるとアドバンテージを稼ぎ出す危険なクリーチャーが揃っている。うまく回転翼機と《血統の呼び出し》を用いてマッドネスで唱えたいものである。

 マッドネス呪文はクリーチャーのみにあらず、このデッキではド定番の《癇しゃく》に加えて、《殺人衝動》まで採用している。これは多くのプレイヤーが読めない呪文だと思うので、意識の外からの一撃をお見まいしてやろう......しかし使いにくい呪文であることは間違いないので、このデッキのようにメインは1枚採用に留めておくのが吉かな。

 他に採用されている除去は《無許可の分解》。クリーチャーを除去って本体に3点!がわずか3マナでできる、赤くて黒いアグロデッキを成立させている縁の下の力持ちだ。アーティファクトはメインでは回転翼機4枚しか採用されていないので、追加のダメージが狙えないという状況も少なくないだろう。それでも撃つのか、まだ引きつけるのか......使い方を試される1枚だ。

 このデッキはサイド後に戦略を変化させることができる。《反逆の先導者、チャンドラ》《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》と2種類のプレインズウォーカーを搭載し、《最後の望み、リリアナ》と併せてさらに除去と手札破壊を追加して、ビートからコントロール寄りのデッキへとシフトすることだ。

 サイドボード後は死にやすい1マナクリーチャーなどをこういったカードと入れ替えて、ゆったり構えて戦おう。個人的にはこういう2つのプランを無理なく同居させているデッキは好きなので、今度使ってみようかなと思ったり。狂気に満ちているようで、案外真面目なデッキなのかもしれない。皆もヒャッハーしたくなったら、マジックで合法に暴れよう!

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