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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エネルギー・ステロイド(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エネルギー・ステロイド(スタンダード)
by 岩SHOW
「ステロイド」というマジック用語を聞かなくなって久しい。僕がマジックを初めてからしばらくの間は、常にスタンダードには常に「ステロイド」がいたものだ。時代によってそのデッキを構成するパーツは大きく変われども、この概念は消えず。記憶するに「グルール・ビート」なるデッキが出てきてから、これにデッキ名が置き換わって......今の若いプレイヤーには「ステロイド使いたい」と言っても通じないだろう。ドーピングはダメっすよ~なんて諭されてしまいそうだ。かつては赤緑のアグレッシブなデッキ全般を「ステロイド」と呼んだのである。命名したプレイヤーのセンスに改めて拍手を送りたい。
さて、赤緑2色のビートダウンそのものが近頃は構築で活躍していなかったが......『カラデシュ』でのこの友好2色の組み合わせは、構築レベルのシナジーを形成するということで......このデッキをプロツアーでの相方に選択したプレイヤーも少なくなかった。プロツアー中継でも、久しぶりにフィーチャーマッチに呼ばれたブライアン・キブラー/Brian Kiblerが使用し、デッキ以外の面でも色々と話題になったので......未視聴の方は晩酌のお供なんかに是非ご覧あれ。
話がそれてしまったが、『カラデシュ』の赤緑はエネルギーの色だ。エネルギーを用いることで強化されるクリーチャーが多数存在しており、いずれもマナ・コストが軽くて使いやすい。エネルギーを注げば注ぐほど強くなる、省エネ時代とは真逆を突き進む「エネルギー・ステロイド」の姿を見てみよう!
7 《森》 3 《山》 3 《燃えがらの林間地》 3 《獲物道》 4 《霊気拠点》 -土地(20)- 4 《導路の召使い》 4 《通電の喧嘩屋》 2 《牙長獣の仔》 4 《静電気式打撃体》 4 《逆毛ハイドラ》 -クリーチャー(18)- |
4 《霊気との調和》 4 《顕在的防御》 4 《撃砕確約》 4 《気宇壮大》 2 《蓄霊稲妻》 4 《放たれた怒り》 -呪文(22)- |
4 《流電砲撃》 2 《払拭》 3 《否認》 4 《熱病の幻視》 1 《生命の力、ニッサ》 1 《島》 -サイドボード(15)- |
クリーチャーはすべてエネルギー関係のみ! 潔いエネルギッシュ構成のデッキだ。《牙長獣の仔》《通電の喧嘩屋》はエネルギーを消費してパワーを上昇させる。《逆毛のハイドラ》も同じくパワーを上昇させつつ、一時的に呪禁まで得ることができる。
これらのクリーチャーを展開するのを助けるのが《導路の召使い》のエネルギーを消費するマナ能力だ。これらをフルチャージ状態に導くために、《霊気との調和》《蓄霊稲妻》《霊気拠点》というおなじみの低コストでエネルギーを生産する燃料的カードをしっかりと採用してある。《霊気との調和》でしっかり土地をサーチできるため、このデッキの土地は近年には珍しく20枚にまで切り詰められている。
このデッキの目玉となるのは《静電気式打撃体》。一見、弱々しい3マナ1/1というスペックに「よえ~」と思ってしまうかもしれないが...自身の能力でエネルギーを3つ生み出し、それをコストに自身のパワー分+X/+X修正を受けることができる。まあこれも元がパワー1だと心もとないが...なんらかの呪文でパワーを上昇させてやるとどうか。《気宇壮大》とこれの2枚だけで、なんと10/10トランプルで殴りに行くことができるのだ。
倍にする、という類の能力は恐ろしいもので......少しの修整がデッドリー。このデッキではそういったパワーを上昇させるインスタント・ソーサリーをこれでもかと詰め込んである。さらにこれに二段攻撃を与える《放たれた怒り》も絡めると...ダメージはパワーの4倍だ。人を屠るということを体現するかのようなえげつない、文字通りの殺人マシーンにエネルギーをありったけ注ぎ込め! 1ターンに1回とかの制限もないので、32/32二段攻撃トランプルとかいう意味不明なサイズにまで膨れ上がるのも簡単だ。
このデッキではさらにサイドボードに一工夫が。《島》を1枚採用して、《霊気拠点》《導路の召使い》と合わせて青マナを捻出できるようにし、《払拭》《否認》といったコンボおよびコントロール系のデッキに刺さるカードを増量。また前環境で多数のランプ系を葬り去ってきた《熱病の幻視》も4枚採用し、自分よりも展開力の遅い手札がたまりがちな相手のライフをこれで攻めつつ、自分もカードを引き増そうというアプローチを取っている。この奇襲がどれほど成功したのか気になるところであるが......みんなもぜひ使ってみて、感想を聞かせてみてほしい!
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