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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ジェスカイ・フラッシュ(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ジェスカイ・フラッシュ(スタンダード)
by 岩SHOW
前環境末期にて登場した「バント・スピリット」。瞬速能力を持ったスピリットたちを対戦相手のターンに展開し、妨害を行いながら航空戦力を獲得していくシブいデッキだったが、ローテーションにより《集合した中隊》を失ったために絶滅。せっかくスピリットが隆盛を迎えようかというところだったが......こればっかりはどうしようもない。
『カラデシュ』ではスピリット関係のカードもなく、このデッキの流れもここで途絶えるか......に思われたが。新環境でスピリットデッキの、文字通り魂を継承したデッキが500人規模のトーナメントで好成績を残していた。StarCityGames.com Open上位常連のJeff Hooglandが使用した「ジェスカイ・フラッシュ」を見てみよう。
4 《平地》 2 《島》 1 《山》 4 《大草原の川》 2 《港町》 3 《感動的な眺望所》 1 《鋭い突端》 4 《さまよう噴気孔》 3 《霊気拠点》 2 《進化する未開地》 -土地(26)- 4 《鎖鳴らし》 4 《無私の霊魂》 4 《呪文捕らえ》 4 《大天使アヴァシン》 1 《奔流の機械巨人》 -クリーチャー(17)- |
4 《蓄霊稲妻》 4 《革命的拒絶》 4 《停滞の罠》 4 《天才の片鱗》 1 《燻蒸》 -呪文(17)- |
3 《儀礼的拒否》 2 《流電砲撃》 2 《神聖な協力》 2 《否認》 2 《即時却下》 2 《燻蒸》 2 《秘密の解明者、ジェイス》 -サイドボード(15)- |
フラッシュ=瞬速の名に恥じない、全クリーチャー瞬速体制。《無私の霊魂》はそうではないが、これも《鎖鳴らし》の能力によってインスタント・タイミングで唱えることができる。スピリット間のシナジーはこの《鎖鳴らし》のみに留められているのでスピリット・デッキというわけではないが、対戦相手のターンにクリーチャーを出撃させて妨害を行い次のターン飛行持ちで殴るというデッキの姿勢はまさしくスピリット・スタイル。
このデッキのやることは単純だ。土地を置いて「ゴー」と宣言する。これを繰り返す。対戦相手が動いて来たら《革命的拒絶》で打ち消したり《呪文捕らえ》でキャッチ、あるいはクリーチャーに《蓄霊稲妻》《停滞の罠》を撃って除去、ということ妨害ムーブを繰り返しながら、隙あらば瞬速クリーチャーを展開し、自分のターンでは土地を置いて攻撃するという動きを繰り返していく。こういうデッキを一般にクロック・パーミッションと呼ぶ。
1つ1つ対処しているだけでは手が尽きるので《天才の片鱗》でドローもしていこう。このカードはエネルギーを得ることができるので、それにより《蓄霊稲妻》のダメージを上昇させられるのは有り難い限り。
一切隙を見せずに動いてくるこのデッキを相手にすると、スピリットたちが2点ずつチクチク削ってくるよりも心に積み重なるダメージの方が大きくなってくる。この呪文は通らないんじゃないだろうか......クリーチャーはすぐ除去されるのでは......2回行動できるまで待つべきか......でも待っているとクリーチャーが増えるし、かと言って動くとアヴァシンが飛び出て......といった具合に。そのようにすり減っている心をへし折りにかかるのが《奔流の機械巨人》だ。
5/6というサイズで対戦相手のクリーチャーをキャッチして討ち取りつつ、墓地のインスタントを再利用してアドバンテージを獲得!これで勝負アリという場面も少なからず存在したことだろう。わかりやすいフィニッシャーなので個人的にはもう1枚くらい採用したいが、そうすると今度は手札にダブついてしまうのかもしれない。ほどほどに抑えておくのが良いのかも。
対戦相手の動きに合わせてこちらも後出しで動けるというのがこの「ジェスカイ・フラッシュ」の強みであるが、すべてのカードがインスタント・タイミングで動けるものであるため、《奔流の機械巨人》と《大天使アヴァシン》以外は1枚1枚のカードパワーがどうしても低めになってしまっているのが弱点だ。また、大流行の《密輸人の回転翼機》を乗り越えられるクリーチャーも少ない。撃ち漏らした超絶パワーカード1枚に捲られたり、回転翼機を採用したビートダウンに殴り負ける、なんてことは多々あるかと思われる。
そういったウィークポイントをいかに克服するか。ジェスカイを愛するプレイヤーたちの戦いは、まだまだここから始まっていく......のだろうね。《ネベルガストの伝令》なんかを足してもっとスピリット寄りになったり。今後どのように洗練・進化していくかが楽しみだ。
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