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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青白クロックパーミッション(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青白クロックパーミッション(スタンダード)
by 岩SHOW
マジックの面白いところは......それこそ数え上げればきりがないが、今回はある1つの点について語ろう。それは、対戦相手のターンにも自分が行動することができ、思考することがあるという点だ。相手のターンであろうと、様々な呪文を唱えるか否かを悩み、相手の攻撃をどのようにブロックするかを悩み......自分のターンでないのにやれることが多数あり、また自分のターンであるのに相手が様々なことをしてくる。野球で言えば、自分が守っている回で点を取ることすらできる、将棋で言えば自分の手番で相手の駒が動いてくる、そんな非常に複雑な......類を見ない難しさで、とにかく最高のゲームである。
この「相手のターンに動く」ということを徹底的に行うことが好きなプレイヤーがいる。自分のターンには土地を置いてターン終了、相手のターンには打ち消しやドローを構えつつ、相手が何もしてこなければ瞬速持ちクリーチャーをシュッと唱えて自分のターンの攻撃に備える......そんな、一分の隙も見せない用兵術の愛好家には、現行スタンダードではこんなデッキがオススメだ。
6 《島》 6 《平地》 4 《港町》 4 《大草原の川》 3 《進化する未開地》 1 《ウェストヴェイルの修道院》 -土地(24)- 4 《次元潜入者》 4 《鎖鳴らし》 3 《層雲の踊り手》 4 《反射魔道士》 2 《往時の主教》 -クリーチャー(17)- |
2 《本質の変転》 4 《石の宣告》 4 《呪文萎れ》 2 《聖トラフトの祈祷》 3 《意思の激突》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(19)- |
1 《払拭》 1 《侵襲手術》 4 《絹包み》 3 《否認》 2 《神聖なる月光》 2 《停滞の罠》 2 《荒野の確保》 -サイドボード(15)- |
いわゆるクロックパーミッション、クロック(ダメージを刻むクリーチャー)を展開し打ち消しで相手の足を止めて殴り切るデッキタイプで、瞬速持ちや軽量で優秀なクリーチャーが登場した『時のらせん』ブロックが使用可能だったスタンダードでこのデッキタイプは花開いたように思う。そして『ローウィン』ブロックの登場でその最たるものである「青黒フェアリー(※1)」が誕生し、そのあまりの強さに多くのプレイヤーがクロックパーミの信奉者に目覚めたのも今となっては懐かしい。
(※1:《苦花》を2ターン目に設置したら、後はひたすらに相手の呪文を打ち消し、《霧縛りの徒党》でマナを縛り上げ、徹底的に自由を奪いながらフェアリーで殴り勝つ青黒のデッキ。これと戦うのは、ハッキリ言って地獄であった。)
最近では軽量の打ち消し呪文がパワーダウンしたのもあって、なかなかに組みにくいデッキタイプとなってしまっていたが......現行スタンダードにクロックパーミが帰ってきた! 《次元潜入者》《鎖鳴らし》という2マナでパワー2の飛行・瞬速という、まさしくクロックパーミッションが求めていた品質のクリーチャーが現行スタンダードには2種類もいる。これを使わない手はない!
ということで、後は《意思の激突》《呪文萎れ》ら打ち消し呪文、そして瞬速こそないが2マナパワー2飛行・「大変異」能力で打つ消しもできる《層雲の踊り手》を採用。これでクロックパーミとしての屋台骨は出来上がり。
ここに肉付けするのは白のカードだ。《往時の主教》は上記2種のクリーチャーを唱えると手掛かり・トークンを得られるスピリットで、自身も2/3飛行とスペックは悪くない。隙無くクリーチャーを展開して、ドローまでオマケでついてくるなんて最高じゃないか。
さらにクリーチャーで採用されているのが《反射魔導士》だ。相手の邪魔なクリーチャーを手札に戻し、自身も2/3というサイズで地上を食い止める。自身のクリーチャーを手札に戻されて1ターン唱えられず、その制約が解けたからさあ改めて出そうと唱えると打ち消し呪文が飛んでくる......想像するだけで地獄ではないか。
青白の優秀な軽量クリーチャーではあるが、いずれもパワーは2。なのでテンポよく展開しても殴り切るまでには時間がかかってしまう......じっくりいくと《世界を壊すもの》《絶え間ない飢餓、ウラモグ》なんかで捲り返されることも。そこで、パワーを上昇させてやるカードが必要だ。このデッキでは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》がその役目を担っている。[-4]能力で得られる紋章で、パワー2軍団を3以上に成長させて殴り切ってやろう。[+1]能力も[0]能力も言うまでもなく強力で、現在のスタンダードを代表するこのプレインズウォーカーを惜しげもなく4枚投入! ゲーム中複数枚引けることが多いので、惜しみなく紋章を作っていこう。
《聖トラフトの祈祷》も打点をアップさせる良いチョイスだ。多少事故って土地が3枚で止まっても、2マナ飛行にこれを貼りつけてパンパンパンと殴って勝ち、なんてことがありそうだ。2枚貼ればそれだけで10点だから、馬鹿にできない。ここに飛んできた除去は打ち消しで弾いたり、あるいは《鎖鳴らし》で呪禁を与えてかわすと良い。
《鎖鳴らし》と相性が良いカードが《本質の変転》。これで相手の除去を避けつつ打点アップ、さらには《鎖鳴らし》の能力で他のスピリットを護ることもでき、トリッキーな使い方が活きそうな1枚だ。1マナと軽く使いやすいのもウリで、むしろこれを軸にスピリットに寄った構成のデッキも目指してみたくなる。
現在スタンダード使えるスピリットは23種類!この中でも《族樹の精霊、アナフェンザ》なんかはデッキとも合っているカードではあるので、次の『異界月』でもスピリットの新顔が登場すればあるいは......? 楽しみにしておこう。
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