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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エルドラージ・ランプ(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エルドラージ・ランプ(スタンダード)

by 岩SHOW

 マジックはパワーだ! 最近つくづく、そう思う。かつては、6マナ7マナのカードを叩きつけても、その苦労に見合わない戦果しか得られず、相手の軽いクリーチャーたちにライフを削りきられて負け......そんなゲーム展開が多く、パワフルなカードを愛する者としては辛い時代であった。だが《原始のタイタン》が登場したあたりから、緑を中心にスーパーヘビー級のカードたちが「重いが、間に合えば戦況をひっくり返す1枚」へと進化し始めた。そして現在のスタンダードでは、8マナ10マナのカードを叩き付けて踏ん反り返ることができるのだ! 今日は「ビッグマナ」や「ランプ」と呼ばれるアーキタイプの最新版、「エルドラージ・ランプ」を紹介しよう。

 Magic Onlineにて開催されたプロツアー地域予選にて権利を勝ち取った、WanderingOnesことシルバーレベルプロ・井川良彦の「赤緑エルドラージ」だ。

WanderingOnes
プロツアー地域予選2016#2 Magic Online予選 権利獲得 / スタンダード[MO] [ARENA]
8 《
2 《
2 《燃えがらの林間地
4 《樹木茂る山麓
2 《吹きさらしの荒野
4 《見捨てられた神々の神殿
3 《ウギンの聖域

-土地(25)-

4 《爪鳴らしの神秘家
3 《エルフの幻想家
1 《荒野の囁く者
3 《世界を壊すもの
2 《龍王アタルカ
2 《絶え間ない飢餓、ウラモグ

-クリーチャー(15)-
4 《ニッサの誓い
4 《ニッサの巡礼
4 《爆発的植生
4 《面晶体の記録庫
2 《炎呼び、チャンドラ
2 《精霊龍、ウギン

-呪文(20)-
1 《巨森の予見者、ニッサ
4 《ジャディの横枝
2 《破滅の伝導者
3 《垂直落下
3 《焙り焼き
1 《炎呼び、チャンドラ
1 《精霊龍、ウギン

-サイドボード(15)-

 前環境から存在したデッキで、動き自体はいたってシンプル。マナクリーチャーやソーサリー、アーティファクトでマナを伸ばして、マナコストが重いカードを叩きつける。『戦乱のゼンディカー』にてパーマネントを2つも追放する強力カード《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が登場したことにより誕生し、全世界のヘビー級愛好家の欲望を満たしてくれている。

 このデッキが『ゲートウォッチの誓い』で得たものは......《世界を壊すもの》と《炎呼び、チャンドラ》の2枚。10マナの《絶え間ない飢餓、ウラモグ》が降臨する前に戦場に出て露払いをする6~7マナ域であり、これら単体でもゲームを決めることができるフィニッシャーにもなり得るカードだ。

 これらヘビー級の新入りを迎えたことで、《龍王アタルカ》らと併せてこれまで以上に強力な布陣となったわけだが、それらパワフルカードにアクセスもできるし、既に手札にある場合にはそれらを戦場に出すのに必要な土地やマナクリーチャーを探すこともできる《ニッサの誓い》がまたいい仕事をするのだ。オマケでついているプレインズウォーカーを唱える際のサポート能力も、赤マナを2つ要求する《炎呼び、チャンドラ》の運用を円滑なものにしてくれる。

 苦手なデッキは高速で横並びの展開をして面で攻めてくる「アタルカ・レッド」(※1)。サイドボードの《ジャディの横枝》は数少ない対抗手段であり、このタイプのデッキでは必須カードと言って良い。「アタルカ・レッド」以外の「4色ラリー」(※2)をはじめとするメタデッキには概ね相性が良く、パワーカードの連打で踏み潰すことができるだろう。テクニックなど意に介さない、パワーこそマジックを体現するデッキで、爽快感溢れるマジックを楽しんでみてはいかがだろう。

(※1:《アタルカの命令》と赤の軽量クリーチャー、トークン呪文で速攻でライフを削りきる赤緑のデッキ。上記の面での攻め以外に、《強大化》+《ティムールの激闘》の一点突破コンボも仕込んでいたりして、油断していると一瞬でやられてしまう。)

(※2:《先祖の結集》と死亡した時・戦場に出た時にボーナスを得られるクリーチャーを組み合わせた、クリーチャー主体のコンボデッキ。《ナントゥーコの鞘虫》+《ズーラポートの殺し屋》でライフを一気に削りきると気持ち良いことこの上ない。現在スタンダードの最有力デッキの1つ。)

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