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Magic Story -未踏世界の物語-
血塗れの教え
血塗れの教え
Shawn Main and Mel Li / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori
2016年8月17日
前回の物語:圧政者たち、マルチェッサ女王による公布、護衛隊長アドリアナによる公布
パリアノの街は急速に政治的混乱へと陥っている。その頃、ゴブリンのグレンゾとダレッティは別種の混乱を引き起こすべく画策していた。
うだるほどに蒸し暑い夜、だが街路の花火がパリアノを輝かせていた。歩哨が一人、見張りに立っていた。遠くでは女王陛下戴冠記念祭が盛り上がっていた。下卑て豊富な色彩と光が広場を踊り、大衆は新女王への愛を大声で叫び、酒が注がれていた。今朝、彼らはマルチェッサの継承の正当性について囁いていたが、今夜、同じ人々が彼女を称えて歌っていた。
だがその歩哨は歌ってはおらず、飲酒もしていなかった。持ち場を離れることも考えたが、そうではなく彼は不動のままそこに立ち続け、潰れたアカデミーの老いた道化の家を守っていた。長きに渡って学びと知識の座とされていたアカデミーは先日、王家からの布告によって解体された。教授の地位を失い、その学者は今やただの一市民だった。深い偏執に取り憑かれた老いぼれだった。毎夜、歩哨はここに立っていた。毎夜、その学者は油断せず家を守るようにと彼に告げていた。歩哨は苛立った。その学者はパリアノへと歯車機械をもたらした人物であると知っていた、それらが禁止される以前に。だが滅びた学府の忘れられた遺産を一体誰が気にかけるというのだろう?
アート:Jason A. Engle |
持ち場の向かいの路地に、その歩哨は歯をむき出しにした笑みを見た。小型のゴブリン、おそらくはまだ子供が、彼を見つめていた。歩哨は嫌気とともに手を振った。「子供がいる所じゃないぞ。帰れ」
そのゴブリンは影の中へ逃げるように消えた。
そして唐突にその路地から、何かがその歩哨めがけて飛んできた。小さく丸いもの。それは宙に弧を描いて向かってきた。熟しすぎた斑のトマトが丹念に磨かれた鎧に弾け、板金から血のようにしたたり落ちた。
「このガキ! 向こうへ行け!」
隣の路地の影から、また別の弾が彼へと放たれた。この時は林檎だった。兜に当たった衝撃に彼は耳鳴りを感じ、そしてその林檎は地面に跳ねた。投げつけられた方角を見た瞬間、野菜の流弾が襲いかかった――レタスの塊、人参の束。まるで何者かが果物の荷車から投げつけているかのようだった。その路地から、緑色の顔から十もの瞳が見つめていた。甲高く笑うその声がそこかしこで反響しているように感じられた。
「汚いゴブリンの屑が! 何をする!」
そして背後から彼は何かを耳にした。再び振り返ると、夜の大気を破るようにガラス瓶が飛んできた。それは彼の足元で砕け、弾けた液体は瞬時に燃え上がった。彼はよろめいて後ずさり、炎は道路上に広がった。彼は周りを伺い、そしてその群集を見た。それらは彼へと笑った。数体は松明を、または武器を、一体は腐った野菜を満載した荷車を手にしていた。武器を振り上げ、歩哨はゴブリン達へと向かった。群れは背を向けて散り、互いにつまずきながら荷車を見捨てて彼の怒りから逃げ出した。笑い声を上げたままで。
アート:Jason A. Engle |
近くの影の中で待ちながら、ダレッティは椅子の上で居心地悪く身動きをした。彼は視界から消えていく歩哨とゴブリンの群れを観察した。「馬鹿馬鹿しい。素人だな」 街路は再び無人となったが、その陽動は頼りになるものとはとても思えなかった。
彼の隣から、グレンゾが敷石の上へと歩み出た。背の曲がった、だがゴブリンにしては巨体だった。笑みとともに彼は言った。「あいつらは血の気が多いのでな。野火のようなもんだ。ただ正しい場所に火をつけさえすればいい」 杖を支えに巨体を持ち上げ、彼は無防備となった扉へと手を伸ばした。小柄な従僕が三体、急ぎやって来た。
ダレッティは椅子の肘かけを掴んだ。これは彼が思っていた、周到に画策した復讐の一夜とは違っていた。
グレンゾは扉を見て取手を揺すった。歯車と掛け金が大きく重い金属音を立てたが、屈しなかった。彼はにやりと笑った。
「少しは静かにやってくれんか?」 ダレッティが囁いた。
「馬鹿言え! お前さんの顔にヒゲが生えるよりも前からわしは扉を破ってた、そんなことも知らんかね」 杖で鋭くひと打ちすると、邸宅の扉は地面に音を立てて倒れた。「マルチェッサが毒をやめて新しい帽子をかぶりたいっていうのなら、好きにすりゃいい。だがな、わしの鍵を奪い取って地下牢から追い出すってんなら、わしらも地上に出て自分らの入口を作ってやるってだけだ」 ゴブリン達は一斉に金切り声の歓声を上げて返答した。
ダレッティは顔をしかめ、肩越しに振り返って見た。
「そんなに心配はいらんよ。お前さんが知らん事もある。まあそれはそれとして」 グレンゾはそう言って、頭上に弾ける花火を指さした。「この騒ぎの中で誰がわしらを気にするかね?」 そして合図をすると従僕達がなだれ込んだ。「進め、そしてお宝を手にしろ、可愛い子らよ!」 暗闇の中に活気づき、邸宅の宝に浸かるべく彼もまた中に踏み入った。
ゴブリンの群れが広間へと殺到し、光輝くトレスト式の青色大理石の柱に汚れた指紋をつけた。一体は椅子の上に芸術的に広げられた珍しい白色猫の皮を掴み、見栄えのするマントに変えた。頭上の高い丸天井からは、貴族ぶった先祖の絵が額縁の中からその群れを鼻であしらうように見下ろしていた。
椅子を操縦して壊れた扉を避け、ダレッティはずっと注意深く入室した。「だろうな、ジジイ。だろうな、けど考えてもみろ。この騒ぎの中で寝られる奴もおるまい」
アート:Jason A. Engle |
上階では、ザドラス・フィマーレルが寝台の上で寝返りを繰り返していた。鍵をかけた窓の向こうから、外の騒ぎと賑わいが聞こえてきていた。カーテンを引いていても、赤、青、紫、緑といった花火の派手な光が部屋を照らしていた。酔いどれの伝令が太鼓を鳴らしてパレードを告げ、小机に置いた眼鏡がその音に振動していた。その音はかつて、よく耳に馴染んでいた音だった。
かつて。かつてその伝令は彼の到着を高らかに告げていた。かつて彼は自身を称える人々を従えていた。アカデミーが現存していた頃は、誰もが彼を敬愛していた。そしてその人々こそが彼の世界でもあった。苦も無くその中を動ける世界。家族は彼のために扉を開き、彼は一人の芸術家のようにその仕組みを楽しんだ。自分は決して天才ではないとは自覚していたが、万能歯車仕掛けという一つの発明(それが本当に彼自身の発明なのか否か、果たして疑える者がいるだろうか?)、徹底した握手、少しの書物、少しの講義、そうして人生を歩んできた。世界中のムッツィオには実験室内で苦労をさせておこう。
その全てが崩れ去るまでは......
アート:Svetlin Velinov |
都市軍の兵が三人、倒れた本棚の下敷きとなって意識を失っていた。ゴブリン達との争いの証として、壊れた花瓶や切り裂かれた絵画がそこかしこに散らばっていた。下僕らが護衛を縛り上げる中、グレンゾは略奪品の袋を引き上げて本棚の壁へと向き直った。
「ここの主は成功した輩だ、お前さんはそう言ってたと思ったがな。だが全部がらくただ。わしらの湿った下水道の方がずっと豪華さね、この爛れたごみの山よりもな」 杖の一振りとともに、書物の束が床に崩れ落ちた。彼はその向こうの壁を叩いたが、何もなかった。
「あいつは歯車機械分野の先駆者とされている、と言ったんだ」 ダレッティは落ちた分厚い本を拾い上げた。『歯車自律機構の原理:機械生命構築についての包括的論文集』 ダレッティは親指で頁をめくったが、熟知した内容ばかりだった。「だがその観察は的確だ。あの教授は何もかもが欺瞞だった」
グレンゾは紫檀製の机の上に乗った。それは精巧に彫刻されており、オパール色の石がはめ込まれていた。全ての引き出しへと慎重に鍵がかけられていた。振りかぶって、彼はその中央へと杖を振り下ろした。紫檀の破片が跳ね、鍵が床に散った。中にあったのは分厚い紙の束ばかりだった。ダレッティがその一枚を拾い上げて読むと、それは覚えのあるアカデミーの著名人からの個人的覚え書きで、フィマーメルの「非凡な才能」への溢れんばかりの称賛で満ちていた。グレンゾは紙束を一掴みし、袋へと投げ入れた。
「ジジイ、あんたはここで何がしたいんだ?」 ダレッティが尋ねた。「ここにあるのはゴミだけだ」
「ゴミじゃない」 袋を持ち上げると曲がった背にかけ、グレンゾは言った。「燃料だ」
ダレッティは顔をしかめた。手にした本の中に、折り畳まれた一枚の紙があった。彼はそれを開いた。「ほう! ジジイよ、これが何だかわかるか? 歯車式歩哨の設計書だ。最初期型の一体で、都市の警備用として意図されたものだ」 彼はその紙を机の上に広げた。「この肢を見てみろ、めちゃくちゃだ。この一体を動かすだけのエネルギーでも一財産が要るぞ。がらくただな。どんな技術者どもがこんなのを――」
「そんなお喋りが何になる! 全部がらくただ。ここに書かれたもの全部がな。お前さんはアカデミーに命を捧げた、あのお喋りの自慢好きどものために。そいつらから屑鉄を恵んでもらって、弟子のムッツィオにかまけて、それでそいつに何をされた? そいつらに何をされた? ああ、アカデミーは潰れてムッツィオは追放されたな。何故だかわかるか? ちょっと鍵を開けて、ありがたい発明を道に這わせて、そうしたら全員退学だ」 グレンゾは近寄った。「お前さんの大切な歯車機械も全部壊されて、追い出されて、禁止されたな。お前さんが捧げてきた全ては死んだ。そしてわしら、わしらはその骨を拾うハイエナってわけだ。科学者みたいな事はやめてハイエナになるんだよ」
ダレッティは手を止めた。背表紙の底でアカデミーの印章が金色にぎらついていた。ダレッティはそれをグレンゾへと手渡した。燃料。彼はそれが自身の内を熱するのを感じ、頷いた。「燃やしてくれ。全部燃やしてくれ。灰を。罪を。正義を」
グレンゾは微笑んだ。
ダレッティは卓上の紙束の中の何かに気付き、目を見開いた。変色した羊皮紙を数枚引き抜くと、彼の手は震えた。「ジジイ、これだ。見つけたぞ!」 彼は息をのみ、注意深く言葉を選びながら続けた。「ハイエナとしては、この獲物に群がるのはやめてもっと新鮮なのを探す時だろう」 椅子がきしんで動き、彼を階段へと運んでいった。ダレッティは今や目的をもって進んでいた。グレンゾの笑みが広げられた。彼はダレッティを追って大理石の階段へと向かった。
その最上段で、ダレッティは唐突に停止した。彼は注意深く羊皮紙を膝の上に乗せ、自身の衣服を探り、ポケットを裏返した。「あれを忘れた」 彼はグレンゾへと向き直り、嘆願するような視線を投げかけた。「置き忘れてきたらしい。戻らなきゃいかん。あの演説が無ければ続けられそうにない」
「何だ? いきなり喋れなくなったのか?」
「いや。それにあんたと同じくらい驚いてる」
「落ち着け、頭のいいお前さんはわかってるだろうが」
「グレンゾ、それは違う。私の頭の中には何もないんだ。この準備全てが無意味だった。扉を閉め直して歩哨を引きずり出して、あの紙束を戻す。もう一度見直して明日の夜にまた決行だ」
「坊主、扉の鍵はかけ直せるだろうが、蝶番はそう簡単にはいかない。わしと一緒に言え、合ってても合ってなくてもだ。『正直者は......』」
「わかった、わかった、その通りだ。『正直者は吐き気がする程割に合わない』」
「正直者の後ろに......」
「正直者の後ろに隠れ場所はない――」
「ゴブリン!」 フィマーレルが夜着をまとい、廊下に立っていた。寝室の扉は開いていた。グレンゾとダレッティは視線を交わした。「泥棒だ!」 フィマーレルは声を上げ、扉を勢いよく閉めた。
二人は彼を追った。ダレッティがその扉を鳴らしたが、鍵がかかっていた。グレンゾを見ると、その杖の一叩きで扉は壊れた。
年老いた人間の科学者は窓の外へと叫んでいた。「誰か助けてくれ!」 そして震えながら二人へと向き直った。「街路の汚らわしい害虫ゴブリンめ! ここは高級邸宅街だ、そして私もここに相応しい者だ!」
ダレッティは断固として彼を見つめた。グレンゾが杖で椅子を叩いた。ダレッティは身を震わせ、フィマーレルへと声高に語りかけた。「正直者は吐き気がする程割に合わない。正直者の後ろに隠れ場所はない。科学者にとって最大の罪は虚偽と詐欺。罪を負わせ、偽証を正すことが正直者の責務」
ダレッティの椅子がその機械の肢を伸ばし、自ら車輪から持ち上がって彼を天井近くまで上昇させた。街路から入るちらつく明かりの中、ダレッティという巨大な蜘蛛が獲物を睨み付けているかのようだった。
アート:Victor Adame Minguez |
学者は涙目で床に縮こまった。
「私の名前も顔も覚えていないかもしれないが、この服と帽子はわかるだろう。私はかつて知識と技術と真実の最高峰の一員として、誇りを持って自分の地位についていた」 彼は声を落とした。「だがお前にそんな美徳は何もなかった」 椅子が傾いてゴブリンを前進させた。顔が近づき、老人の顔に刻まれた皺に汗の粒が流れ下るのが見えた。「アカデミーはお前の名だらけだ。お前の名は何度も書かれてきた。これのように」 彼は紙の束を掲げて見せた。
フィマーレルは青ざめた。
「わかるんだな? この筆跡が? お前が酷評したものだ。私の理論を何もかも酷評し、そして自分のものにした。私の理論でお前はのし上がった。それでも私達を泥棒と呼ぶのか、この偽物が!」
ダレッティは荒く息をつき、フィマーレルを睨み付けた。そして手稿の一枚目を丸め、老学者の口へとねじ込んだ。
その背後で、グレンゾが怒りの声を上げた。「お喋りはいいかげんにしろ、緑色の小僧め! ここはパリアノだ――殺せばそれで終わりだ。さっさと殺して終わりにするぞ」
ダレッティとフィマーレルはきまりが悪そうに視線を交わした。ダレッティが返答した。「少し時間をくれないか?」
グレンゾは両手を挙げた。「いいだろう! だがお喋りが終わらなくても火をつけるからな」
フィマーレルの両目がゴブリン達の間を行き来した。ダレッティは脅迫的な冷静さを取り戻そうとしたが、出て来た言葉は途切れ途切れだった。「私は......私が手に入れるはずの地位は......どこに......」
フィマーレルは口内の紙を吐き出し、言葉を注意深く選んだ。「お前から盗んだ手稿は......」
「ああ、そうだな。そうだ......お前は本当に......」 ダレッティは言葉を切った。「よくわかった。それを持って行け」 ダレッティはフィマーレルの脚の下へと手を伸ばし、彼を持ち上げて窓の外へと放り投げた。彼は二階の高さから落下し、重い音を立てて街路に激突した。
ダレッティは身体を伸ばし、窓枠に掴まると眼下の動かない姿を見た。その下の地面が赤く濡れていた。終わったのだ。若い頃、必死になって自身の理論をアカデミーに広めたがっていた。あれから長い時が過ぎていた。終わるのは一瞬だったが、この瞬間を彼はしばしの間反芻していた。
「悪くないな。すっきりしたか?」 再びグレンゾが隣にいた。彼は片腕に大きく華麗な壺を抱え、もう片手には燃える松明を手にしていた。
「そうだと思いたい。次は......終わらせよう」
グレンゾがその壺を持ち上げると、中にはごみが詰め込まれていた。ダレッティは自身の手稿を掴んで放り込んだ。そしてグレンゾがそこに松明を落とすと、壺は音を立てて燃え上がった。
「最後の一歩だ」 グレンゾはその壺を窓へと持ち上げた。燃えるごみがパリアノの街路へと降り注いだ。都市のどこかで、花火が再び上がっていた。
アート:Steve Prescott |
階下では、グレンゾの下僕らが価値のあるものを回収し終え、今や家具を叩き壊していた。そしてそれを紙と本が山をなす片隅へと押しやり、一体がその山に油をかけた。
ダレッティとグレンゾは階段を降りた。「よし、まずまずの出来だったな、弟子よ。お前さんはまだまだいいゴブリンになれる」
ダレッティはひるんだ。「弟子? いや違う、そこは明らかにさせて欲しい。あんたは私の執行人だ」
「ふん、好きにしろ! むしろわしの親友になるかね」
「親友!?」
「ボス」 松明を頭上へ掲げ、ゴブリンの従僕の一人が割って入った。「えと......ボス達。いいですか?」
「その話は後だ、グレンゾ」 ダレッティが言った。「ああ、燃やしてくれ。全部だ」
炎が素早く広がり、音を立てて壁へと上っていった。ダレッティはかぶりを振り、溜息をついた。「帰ろう。地下へ」
「次の標的は誰だね?」
「アレンディスという名だ。アカデミーはゴブリンを入れる気はないと私に言った。名声を受けるにふさわしくないと。カストーディに入ったお世辞上手な裏切り者らしい言葉だ」
「ふむ、つまりそいつはマルチェッサと組んでいる。ならばわしの標的でもあるな」 グレンゾは邸宅から踏み出し、庭園へと戻っていった。ダレッティは続いた。
「いいだろう、偏屈ジジイ。あんたの右腕になってやろうか」
大気が音を立てていた。背後で炎が燃えていた。既にゴブリン達はあらゆる方角へと散っていた。「あの女王はかつて影の中を駆けていた」 煙る空を見上げてグレンゾが言った。「あれは遊戯のやり方を知っていた。ナイフの甘いひねりを知っていた。今、あれは快適な椅子を手に入れて夜にはあらゆる鍵をかけている。少なくともあれは、パーティーの開き方を知っている」
「誰もがいつかは影から離れる、私はそう思う」
「わしらはパーティーを壊してやるさね。あいつらのパーティーは全部な」 花火が頭上の空を赤、青、緑に照らしていた。ダレッティは片手で顔を扇いだ。夜はまだ蒸し暑いままだった。
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