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ReConstructed -デッキ再構築-
下生えを越えてゆけ
下生えを越えてゆけ
Gavin Verhey / Tr. Tetsuya Yabuki / TSV testing
2015年9月8日
お帰りなさい、ゼンディカーへようこそ! いや......今この次元に残る者たちすべてを歓迎しよう。
エルドラージは隆盛を続け、この次元の生態系は大きく変わってしまった。世界そのものを喰らう怪物たちによって、この世界は一変したのだ――今、わずか1体の伝説のエルドラージ(ウラモグ)が、「ゼンディカー同盟」を混迷の極みに立たせている。
つまり、この戦いで同盟側が勝つには仲間が必要だということだ。
剣や盾のみではもはや足りない。勝利のためには、「土地」の助けが必要だ。
そして私たちの場合は、少々「上陸」の力を借りることになるね。
幸運にも、エルドラージとの戦いに臨む強力な仲間はたくさんいる。君たちはこれまでにも、いくつか「ゼンディカー同盟」側の仲間を見てきたことだろう。ここで私から、「上陸」を持つ強烈なやつをご紹介しよう。
《下生えの勇者》をご覧あれ。
どうだい、すごいだろう。今後数ヶ月、こいつの姿をたくさん見かけることになると予想するよ。
それじゃあ、もう少し詳しく見ていこうか。
3マナで2/2というサイズは、構築級カードのお手本になるようなものではないだろう。だがその成長っぷりに注目してほしい。続くターンに土地をプレイすれば、こいつは3/3になる――そしてそこから、際限なく大きくなり続けるのだ!
それから、「フェッチ・ランド」の存在も忘れないでくれ。『タルキール覇王譚』のフェッチ・ランドのおかげで、こいつを4/4のアタッカーにするのは極めて容易であり、より大きいサイズを望むこともできる。
そして、さらにダメージを軽減する能力まである。なんてこった。
このカードはそうそう倒れないのだ。
《下生えの勇者》は、戦闘において自身は倒れず次々とクリーチャーを倒してゆく、攻撃にも防御にも役立つ1枚だ。より安全に展開を進めたいマッチアップでは、このカードを繰り出すのを4ターン目まで待ち、展開後すぐに「上陸」するという動きも考慮できるだろう。
さて、そんな《下生えの勇者》をどのように活かせるだろうか? スタンダードでとれる方針をふたつご紹介しよう。
ビートダウンの勇者
《下生えの勇者》を最も活かせるのは、恐らくアグレッシブな戦略だろう。何といっても、フェッチ・ランド2枚を用いて4ターン目に4点で攻撃して続くターンに6点で攻撃できるというのは、素早くダメージを与える上でかなり有効な動きだ!
例えば、こんな形のデッキを見てみてくれ。
5 《森》 4 《山》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《吹きさらしの荒野》 4 《樹木茂る山麓》 2 《燃えがらの林間地》 -土地(23)- 3 《鐘突きのズルゴ》 4 《荒野の後継者》 4 《爪鳴らしの神秘家》 3 《龍爪のヤソヴァ》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 3 《狩猟の統率者、スーラク》 4 《下生えの勇者》 -クリーチャー(23)- |
4 《乱撃斬》 4 《アタルカの命令》 2 《焙り焼き》 4 《集合した中隊》 -呪文(14)- |
このデッキは、コストに対して強力な力を持ったクリーチャーたちを駆使して素早く強打を繰り出すことができる。すでに《龍爪のヤソヴァ》や《狩猟の統率者、スーラク》を擁するこのアーキタイプに、《下生えの勇者》という強力な3マナ域が加入することになるのだ。
また、《狩猟の統率者、スーラク》以外のクリーチャーは《集合した中隊》から繰り出すことができ、強烈な力を素早く盤面に用意できるだろう。対戦相手のターン終了時に、《集合した中隊》から《龍爪のヤソヴァ》と《下生えの勇者》? ああ、大歓迎だ!
それから、《アタルカの命令》にも注目だ。すでに優秀なカードだと思われているかもしれないが、『戦乱のゼンディカー』が登場した今こそ、このカードの力をすべて引き出すときだ! インスタント・タイミングで「上陸」を誘発させたり1ターンに2回誘発させたり、という動きは最高の奇襲になるだろう――12枚搭載したフェッチ・ランドが、さらなる力をもたらしてくれるはずだ。
この形は始まりに過ぎない。『戦乱のゼンディカー』には、他にもこのデッキにぴったりな「上陸」持ちのアグレッシブなクリーチャーがある。今後きっと、このような形のデッキをたくさん見ることになると私は信じているよ。
コントロールの勇者
この強力な《下生えの勇者》でアドバンテージを得るなら、最もわかりやすいのはアグレッシブな戦略をとることだろう。だが、このカードがとれる選択肢はもちろんそれだけじゃない。攻撃力が上がっていくことに注目するのは、間違いなく目指すべき道のひとつではある。しかしその「ダメージを軽減する」能力の方に力を入れてみると、「防御的なカード」としても極めて強力な1枚となるのだ!
例えば、以下のようなシナリオを思い浮かべてみてくれ。
対戦相手がアグレッシブなデッキを使っていて、その戦場には4/4のクリーチャーが2体いる。こちらにいるのは、4/4の《下生えの勇者》だ。この状況においても、対戦相手は攻撃によって有利を得ることができない。攻撃しても《下生えの勇者》を相討ちに取ることすら叶わず、それは次のターンにはすぐ4/4に戻るのだ。
対戦相手の盤面が3/3のクリーチャー3体でも、状況はそれほど変わらない。1体を倒し、次のターンにもう1体倒す構えを見せるだけだ。
もちろん、対戦相手が攻撃してこなければ《下生えの勇者》の+1/+1カウンターが減ることもない。それなら、相手自身を倒せる大きさまで育て続けるだけだね。ひえー!
《下生えの勇者》は、攻撃に転じれば凶暴なやつなんだ。
さて、こういったカードが活かせる、遅くコントロール寄りなデッキはどんな形になるだろう? よし、これを見てくれ。
2 《沼》 3 《森》 2 《島》 2 《窪み渓谷》 1 《梢の眺望》 1 《燃えがらの林間地》 3 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《華やかな宮殿》 -土地(25)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 3 《黄金牙、タシグル》 2 《漂う死、シルムガル》 4 《下生えの勇者》 -クリーチャー(15)- |
4 《予期》 1 《究極の価格》 3 《スゥルタイの魔除け》 2 《骨読み》 4 《衰滅》 2 《残忍な切断》 4 《時を越えた探索》 -呪文(20)- |
「スゥルタイ・コントロール」は元々、墓地を肥やすためにフェッチ・ランドを多用するデッキだ......つまり《下生えの勇者》が自然と収まるわけだね! こいつをブロッカーとして使うもよし、それから《衰滅》の範囲外まで育ててから盤面を一掃し、こちらだけ巨大なクリーチャーを残すのもいいだろう。
《下生えの勇者》で十分な時間を稼げば《漂う死、シルムガル》や《黄金牙、タシグル》が機能し出し、ゲームの終わりに向けて大きな後押しになってくれるだろう。そうなればもう、盤面を掌握し必要なカードを引き込めるようになるはずだ。
ミッドレンジ・コントロールというアーキタイプが環境に存在できる限り、このデッキは舞台に立ち続けることだろう――『戦乱のゼンディカー』には他にもこのデッキにぴったりなカードがあるから、今後も見逃せないぞ!
(編訳より:9月22日(現地時間)に掲載の本記事のうち、デッキ募集の部分を抜粋してお伝えいたします。募集したデッキが掲載される記事の翻訳掲載は10月20日(日本時間)となります。)
森の中へ
次回は、ゼンディカーの土地に分け入ってみたいと思う。なにしろ、土地ウィークなのだ! そこで、あるテーマに沿ったデッキについて話していきたい。間もなくスタンダードのローテーションが行なわれるとあって、デッキを作るには最適な時期だ。気分は魔法使い?その弟子? どちらでも、皆さんのアイデアをぜひ見てみたい!
応募にご興味がおありかな? 以下が今回のルールだ。
フォーマット:『戦乱のゼンディカー』導入後のスタンダード
デッキの制限:何らかの方法で土地に注目したものであること。
締め切り:9月29日(火) 午前10時(日本時間)
投稿方法・投稿先:reconstructeddecks@gmail.com 宛にメールにて。
デッキリストは、最初の行に「あなたのローマ字氏名+'s+デッキ名(英語)」、それに続いて各行に1種類のカードを、「枚数(半角数字)」+「半角スペース」+「カード名(英語)」の形式で、以下のように入力していただきたい。
12 Mountain
4 Makindi Sliderunner
3 Valakut Predator
4 Wild Slash
カードの枚数と名前の区切りには半角スペース以外のものを使わないでほしい――「4x Lightning Bolt」などのように。整った書式のデッキリストは、読みやすく、このコラムに取り上げやすくなる。書式が崩れたリストはおそらく受け付けられないだろう。(デッキリストを読めないことには、それについて語ることもできない!)
土地ウィークには何がふさわしいだろう? うん、上陸はいいね! マナ加速もいいだろう! その他なんでもかまわない。見つけるのは皆さんだ。どんな方法をとるにしろ、結果を見るのが待ちきれないよ!
それまで、質問や感想があれば、気軽に私へツイートを送ったり、Tumblrで質問してほしい。皆さんの声は必ず拝聴することをお約束する。
それではまた次回!
Gavin / @GavinVerhey / GavInsight
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