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ReConstructed -デッキ再構築-
死すともまだ眠れず
死すともまだ眠れず
Gavin Verhey / Tr. Tetsuya Yabuki / TSV testing
2014年10月28日
統率者戦は本当に素晴らしいフォーマットだ。
『タルキール覇王譚』を始めとした、1年間に4つ発売される、スタンダードで使えるいつものセットとは異なり、『統率者』のようなセットでは、開発部は君たちが普段注目することのない部分を掘り下げて製品を手がけることができる。
通常のセットを作る上で乗り越えるべきハードルには、例えば複雑さの度合いがある。通常のセットでカードを収録する際はセット全体の複雑さを考慮する必要があり、「[カード名]は統率者として使用できる」なんてテキストのものは収録されにくい。
そしてもうひとつ、スタンダードで使えるセットに収録する上で大きなハードルとなるのが......そう、「スタンダードで使える」ということだ。統率者戦にはぴったりだがスタンダードを混乱させるようなカードがあるとしよう。すると私たちは、それを収録するのに適した統率者戦用のデッキを1年に1度用意し、そのカードをスタンダードには触れさせないのだ。
それから、『統率者』のようなセットは超ジョニー的なカードを作るのにうってつけな場所だ。イカれたコンボを生み出したいときに、狂ったようなピタゴラ装置が山ほど組めるこのフォーマットより適した場所があるだろうか?
さて、ここまで挙げた事柄で、本日のプレビュー・カードに関係するものはどれかな?
よし、本日のプレビュー・カードを見てみよう。テキスト量は多くないけれど――だからといって、何に使うのかわからず小首を傾げずにすむ、というものでもないぞ。
注目!
ええと......どうやって使うの?
まずは、極めて重要なことを確認しよう。君は、対戦相手がクリーチャーをコントロールしているかどうかに関わらず(もちろん攻撃しているかどうかにも関わらず)、こいつで戦闘中にクリーチャーを呼び出せる。どの対戦相手のターンであれ、戦闘ステップが開始された後ならば、「戦闘中にいつでも」こいつを唱えることができるのだ。
まあとにかく、能力に注目してみよう。
このカードは明らかに強さの限界を超えている。まず複数のクリーチャーを墓地から戻せるカードは滅多にないし――インスタントのタイミングで使えるものとなれば尚更だ! 当然欠点はあるさ。墓地から戻したクリーチャーたちは、ターンの終わりに死亡してしまうのだ。
このカードに込められた意図は、はっきりしている。戦闘中にこいつを放ってブロッカーの群れを呼び戻し、対戦相手のアタッカーを殲滅する。それで良し、だ。特に問題もなく、その使い方がよく見られることになるだろう。とはいえ、君たちは私に、こういうカードをただ効果的に使う方法について話してほしいと期待しているわけじゃないよね。
私としてはそんなことよりも、こういった一度に多くのクリーチャーを墓地から戻せる効果をどうやってぶっ壊れたものにしてやろうか、と考える方に興味が尽きないよ。できることは必ずあるはずだ。
中でも最もわかりやすいのは?「戦場に出たとき」の誘発型能力と、「死亡したとき」の誘発型能力だ。
墓地から戻したクリーチャーたちはターン終了時にはいなくなってしまうものの、それらが持つ「戦場に出たとき」の能力は変わらず得られる。そのため、「想起」を持つクリーチャーたちはこの上ない候補になるだろう。それらを「想起」で繰り出して墓地へ送り、再び戦場に戻るときを待てばいいのだ。そして、他にも噛み合うカードはたくさんあるぞ。
この手のカードは墓地から戻したクリーチャーをターン終了時に追放するものがほとんどの中、この〈死者起こし〉で戻したクリーチャーはそのまま「死亡」する。そのため、《灰燼の乗り手》のようなカードが「戦場に出たとき」の能力と「死亡したとき」の能力をどちらも活かすことができるのだ。戦場へ戻ったときにパーマネントをひとつ吹き飛ばし、その後ターンの終わりに「生命維持機能:停止」とパネルに表示されれば、去り際にもうひとつパーマネントを吹き飛ばしていく。お見事!
このカードが他のリアニメイト効果とやや異なる挙動をする、という点についてさらに言うなら、君たちが気づかないような微妙な違いもある。《エレボスの鞭》のようなものと違って、〈死者起こし〉で戦場に戻したクリーチャーは、追放されることなく、どの領域にも行けるのだ。
例えば、想像してみてくれ。8マナで6体のクリーチャーを戻すとしよう。そして偶然にも、その6体の中にこいつが含まれていたら――
他のクリーチャーはそのまま手札に戻るのだ。わかっているよ、一見するとただ手間のかかる《死の否定》に見えるかもしれないね――しかし、「戦場に出たとき」の能力がすべて誘発することを考えてくれ。さらに例を挙げるなら、「想起」を持つクリーチャーたちを戦場に戻して、それぞれの効果を得た「後に」それらを手札に戻せば、再びそれらの効果を使えるのだ。
ああ、それから《ケデレクトのリバイアサン》自体はどうなるのかって? ターンの終わりに死亡すれば墓地へ送られ、今度は「蘇生」が起動できるぞ!
〈死者起こし〉の採用を検討すべきデッキは間違いなくある。カジュアルならそれこそ無数の活用法があるし、レガシーでも一度に2枚のクリーチャーを戻すカードとして試されるのを私は期待している――1枚で《鏡割りのキキジキ》と《やっかい児》を同時に戻すことなんて、そうそうできないはずだ。(ターン終了時、それらを生け贄に捧げる前に《やっかい児》を無限に生み出してやれば、次のターンまで残るぞ。あわせて、《けちな贈り物》でカードを2枚だけ指定するのも検討してみてくれ)。
とはいえ、今回は『統率者』のプレビュー・ウィークだ。このカードがデビューするフォーマットで使われる姿を見せる方がいいだろう――統率者戦用のデッキでね!
シディシと共に目覚めよ
〈死者起こし〉は統率者戦にぴったりなカードだ。統率者戦はとんでもないことが起こり得るフォーマットであり、またゲームが長引きやすいため、60枚のデッキで一対一の戦いを行う構築フォーマットのようにデッキ内のすべてのカードを効率重視にする必要はないのだ。ここなら悪だくみの準備をする時間がたっぷりとれて、実行に移せるというわけだね。
〈死者起こし〉 アート:Christopher Moeller |
仮に〈死者起こし〉を採用できるデッキにただ入れるだけでも、恐らく何の問題もないだろう――何か途方もないことを引き起こしはしないものの、戦闘をかき乱してくれるはずだ。だが、このカードのために力を入れたデッキで使ってやれば、こいつはまさに理不尽なまでのものになるのだ。
カードを墓地へ送るものが多く採用されているデッキに〈死者起こし〉がぴったりなのは、言うまでもなく明らかだ。その方向でデッキのパーツを集めていくと、最新の《血の暴君、シディシ》が最高の統率者であることに気づくだろう! 彼女は着々とカードを墓地へ送ってくれて、墓地を肥やす他のカードともうまく噛み合う。それからデッキの色も3色で組めるから、〈死者起こし〉を存分に使えるね。
満載の墓地へと続く道を行くなら、こんな感じになるんじゃないかな。
このデッキの核となるのは、墓地を扱う統率者を用いた、いたってまともな戦略だ。《血の暴君、シディシ》に期待できることを、その通りにやればいい。「発掘能力」、《生き埋め》、《催眠の宝珠》、そしてもちろん、リアニメイトも。
《血の暴君、シディシ》をプレイできる場合は欠かさず繰り出して、墓地にカードを送ってやるといいだろう。そうすることで、クリーチャーを生み出すだけでなく「フラッシュバック」や「蘇生」など墓地に関わる効果を持つものを送り、大量のアドバンテージを得ることができる。このデッキには、莫大なシナジーが秘められているのだ。
だが何よりも、このデッキは〈死者起こし〉を用いて強烈な一撃を生み出すことができる。
このデッキが誇る様々なクリーチャーを戦場に戻せば、それらは君に様々な能力を与えてくれる。《熟考漂い》と《ウスーンのスフィンクス》で大量のカードを得るのもよし、《叫び大口》でクリーチャーを除去するのもよし(あるいは《マラキールの解体者》のような大物を釣り上げ、さらなる荒廃をもたらすのもよし!)、それから《夜まといのヴェラ》でライフロスを施すのだってありだ。さらに、《古術師》や《公証人》のようなカードを対象に選んでやれば、何度も何度も何度も〈死者起こし〉が使えるぞ! いやはや恐ろしい――君が対戦相手たちの死を導くことになるだろうね。
今後の統率者戦では、この〈死者起こし〉への警戒が欠かせなくなるだろう。きっとこのカードにまつわる面白い話が出てくるはずさ――私はそれらを耳にする日が待ちきれないよ!
いつものように、記事について何か考えたことやコメントがあれば、ぜひ聞いてみたい。私へのツイートや、私のTumblrでの質問にてお送りいただきたい。必ず見ることをお約束する。
また来週お会いしよう!
Gavin / @GavinVerhey / GavInsight
(編集より:今週のデッキ募集はありません。)
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