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Mファイル『霊気紛争』編・パート1
Mファイル『霊気紛争』編・パート1
Sam Stoddard / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru
2017年2月3日
Mファイルへの回帰の時間がまたまたやってまいりました! 熱心な読者の皆さんはドレイク(以前はマルチバースと呼ばれていました)がマジックのカードを既に印刷されたものも、デザインの初期のものも、その間のものも全て記録するために使う社内のデータベースであるとご存知でしょう。デザイナーとデベロッパーの使命のひとつは、時折マルチバースのカードを訪れ、そしてコメントを残していくことです。1年前のファイルを振り返れば、デザインとデベロップの過程についての洞察と、そして少しの笑いを提供してくれます。あなたはこの記事でそのどちらも見ることができるでしょう。
各登場人物の顔をご覧になりたいなら、こちらをクリックするとコメンテーターの一覧が表示されます。
紹介はこれぐらいにして、カードを見ていきましょう!
《大胆な潜入者》
KEN: トークンと4/4機体の世界でこの文章が3/1についてるのにはかなり満足だね。
EEF: 同感です。{1}{W}3/1全体についてトークンと相打ちになってしまうのが心配です。これはいい感じですね。
『カラデシュ』ブロックに平均以上に1/1トークンがいるせいで、何の回避能力もないタフネス1のクリーチャーをリミテッドで強くすることに深刻な問題を抱えていました。このようなテキストは容易にこれら霊気装置を通り抜け、そして他のアーティファクト偏重のデッキに対していくらか派手なダメージを与えることを可能にします。
《鼓舞する咆哮》
MAGO: アジャニが彼の仲間を助けるコモンの呪文だ。これは{1}{W}で「最大2体までのクリーチャーを対象とし、それらの上にそれぞれ+1/+1カウンターを1個置く。」とかそういうのにもできる。自軍全体に影響をを呼ぼすことは「最大2体までを対象とする」よりも適切なプレイヤー体験だ。
最近のセットで我々が行おうとしていることのひとつは、可能な限り頻繁にカード上でプレインズウォーカーのキャラクターを表す場所を見つけることです。つまり特定のキャラクターが行えることをするコモンを見つけ出すということです。このセットでは、リード・デザイナーのマーク・ゴットリーブが初期にアジャニを目立たせることができるカードを作り出しました。
《精緻会の改革派》
EEF: これはコモンにしてはかなりの価値があるように見えます。率直に言うとやりすぎです。
TJA: 紛争を達成しないといけないとしても、4マナで3/2と1/1が2体はコモンとは思えないな。
カードのパワー・レベルをリミテッドで適正なものにするのが難しいということはありえます。我々はメカニズムをある程度推すことを好んでいて、リミテッドで十分にバランスの取れているけども、色の中で最強のコモンになるには振れ幅が大きすぎるカードを作ることがでできます。長い間このカードは{3}{W}3/2で紛争すると1/1を2体出していましたが、これはやりすぎでした。これは紛争なしではハードルの下にあり、紛争があるとそれを超えていました。我々はこれをアンコモンにするのではなく、満足の行く振れ幅の大きすぎないより良いところを見つけ出しました。
《光に目が眩む》
(これは「機体が1つあなたのコントロール下で戦場に出たとき、エンチャントされているクリーチャーを追放する」でした)
MAGO: 新しい最後の能力は機体を呼んでくる。
SPS: 何ですと?
MAGO: 戦場に出たときから攻撃に誘発条件を変更。順番の問題をなくすためにもう出ている機体とも機能するようになった。
MJG: 変なカードだな。
JDR: 破壊のほうがフレーバーに沿ってると思う。
EVL: ナイスなトップダウンのデザインですね。
EEF: このカードはすごく強いわけではありませんが、機能したとき本当に楽しいですね。大好きです。
これは最初から素敵なカードであり、デベロップの間も保護されていました。これのような魅力的なデザインが見つかったときに、それらを維持するために全力を尽くすことが重要だと信じています。
《守護フェリダー》
TJA: これ2つ(かクローン効果)で無限だ。問題じゃないか?
DEL: 好きなだけ出せるけど、少なくとも引き分けにはならないわね。
技術的には、無限と好きなだけ出せるということは違います。他に土地以外のパーマネントがない状態で《忘却の輪》が3枚あると本当の無限ループが起こり、ゲームは引き分けになってしまいます。このコンボは何度も繰り返すことができます。ティムはこのコメントを残しましたが、我々はこれが2枚で戦場に出たときの誘発を無限に起こすことを心配していませんでした。無限にするためには3枚目のカードが必要になります。我々は確かに《サヒーリ・ライ》との相互作用を見逃してしまいましたが、それによってスタンダードでいくつかの......興味深いデッキが可能になりました。我々は『霊気紛争』のスタンダードでコンボデッキをさらに推していますが、これは意図的にリスクを背負った種類のデッキではありません。後から考えれば確かに《守護フェリダー》は「クリーチャーかアーティファクト」にするべきでした。プロツアー『霊気紛争』では、我々はこれらのデッキがどのような動きをするかを監視しています。
《金属の叱責》
BH:《取り消し》→《マナ漏出》
EEF: このメカニズムがモックスやアーティファクト・土地とは何もしないのが面白いですね。
AP: 新しいメカニズムの助けがなくてもモックスやアーティファクト・土地はいい動きをしてると思うよ。
『霊気紛争』のデベロップ初期に、我々は親和(アーティファクト)を入れることについて話し合いましたが、結局アーティファクト版召集に弱めました。イーサンは我々の中のヴィンテージ・ファンであり、驚異的な強さのアーティファクトに基づいたメカニズムがヴィンテージの世界を壊さなかったという事実は、彼にとって面白いことでした。
《戦利品の魔道士》
SPS: 「あなたのキューブから《殴打頭蓋》でない装備品1つを探す......」
MAGO: スーパー・サイクルは継続中だ。あと1つ!
ID: いいね。でも強すぎる可能性が高い。点数で見たマナ・コストが1と6以上はかなり制限されている。これは本当に欲しいアーティファクトを持ってこれる。でもテストしてみる価値はある。
MDT: 私はIDと同意見で、これは強すぎるかもしれないけどこのサイクルを続けたいと思います。
GSV: 「2か3」のままにする必要があるのか分からない(点数で見たマナ・コスト2だけにもできる)けど、確かにできるならこのままにしたい。楽しくて、発明っぽくて、プレイヤーの顔にほほえみを浮かべさせるだろうね。
JDR: このサイクルの残りの名前を調べたことある? 点数で見たマナ・コストが高い既存のメンバーよりも大きい名前をつけることにはしたくない。
DEL: 実際のカード名について話すのは早すぎるけど、デベロップのリードは見どころ会議のときに言うことができるわ。
BH: みんながこのカードの血統を意識して行動している。
もともと、これは点数で見たマナ・コストが2と3のアーティファクトを探していて、それはやり過ぎに感じられました。期間全体を通したベンの計画は2と3の両方で始めて、どちらがスタンダードとリミテッドでより楽しいものであるかを見るというもので、最終的に3になりました。マーク・ゴットリーブの「あと1つ」というコメントは、「1以下」、「2か3」、「6以上」があるので、我々が作る必要があるのは点数で見たマナ・コストが4と5だけだという意味です。 その変更に伴い、我々はアーティファクトの新しい数字を得て、「Tなんとか」魔道士のための空間はさらに広がりました!
次が出るまでに何年かかるかは分かりませんが、私は我々が全てを揃えるまでこの伝統が続くと信じています。我々は《戦利品の魔道士》、《宝物の魔道士》、《粗石の魔道士》と調和するTのつく新しい言葉を発明する必要があるだけかもしれません。
《風友会の強襲者》
BH: 新しいアーティファクト召集のフライヤーだ。
EEF: 小さな《ブルードスター》みたいですね!
BH: 4/4だった。
『霊気紛争』に親和を加えることについて話しているとき、『ミラディン』が出たばかりのときに、初代『ミラディン』ブロックで最も楽しい親和カードは《ブルードスター》だと結論づけました。これは素敵で楽しく強いデッキでしたが、その後の『ダークスティール』の親和デッキとは違いフォーマットを破壊しませんでした。
《遵法長、バラル》
EEF: このバラル野郎は大馬鹿に見えますね。え、そうなるようになってる? 結構。
フレーバーの勝利です!
《速製職人のスパイ》
BH: グリクシスカラーでレアの結金持ちのサイクルをためしてみよう。
DEL: 今のテキストは意味がわからないわ。何がしたいの?
DEL: 理解したわ。テンプレート化。
我々がこのセットで入れようとしていたもうひとつのメカニズムが「結金/metalbond」で、起動型能力を与えること以外は結魂とよく似ていました。興味深いアイデアでしたが、我々がこのセットでやろうとしたことと噛み合いませんでした。とは言え、没になったメカニズムが良いカードを1つ2つ作り出すのはよくあることです。
《不許可》
EEF: 私はこれ好きです。これはモダンで人々がフェッチランドを打ち消したくないと思うのに十分な重さでしょうか?
SVE: これは「すごくてインパクトのある1単語の名前」の資源を使うべき類のカードだね。
ID: いいね。再録できる名前にするべき?
BH: アリがシンプルで再録できる名前をもつことを許可するプランを持ってると信じてるよ。
これはまさしく我々がセットの作業の終わりに近づくにつれ考えることです――後で再録したくなるかもしれないレアは再録しやすい名前にします。《思考囲い》が〈ウーナの悪意〉とかそういうものではないことはいいことです。そうだったなら『テーロス』で印刷されず、特にこれは同型再録をしたくないぐらい強力でした。
《発明品の唸り》
BH: 紛争が青にない今、新たなアーティファクト召集のカードだ。これがぶっ壊れでないことを願う。
EEF: 何か間違いが起こるのですか?
ずいぶん自信がありますね。実際私はこのカードは多分スタンダードではいいと思いますし、モダンでも確実に強い動きをすると思いますが、青のトリプルコストなのである種の挑戦が必要になるでしょう。
《致命的な一押し》
BH: 紛争の除去呪文になった。モダンでいける?
MDT: いいですね。モダンとレガシーでもプレイアブルです。 でも紛争が問題になるかどうかは分かりませんね。
KEN: カバレージで「デルバーが押された」っていっぱい聞くだろうね?
ローテーションのないフォーマットでのその強さのために、ベンが彼のやりかたで簡単かつ訴えかけるものがある名前をもたせるようにしたもうひとつのカードです。
《第四橋をうろつく者》
BH: {1}{B}→{B}。
BRH: 重りのせいで負けるのはわかってるよ、《水膨れ虫》くん。
うまくいってます。
《最前線の反逆者》
EEF: このレンズ状のデザインは本当に好きです。(機体との組み合わせで)
TABAK: 「各戦闘で、(カード名)は可能なら攻撃かドライブする。」
BH: {1}{R}3/2だった。
AP: おお、{2}{R}3/3に「利点」がついてる。この「利点」は攻撃することで私が正しいプレイをするようになる。
この定番のジョークは、最初マイク・チュリアン/Mike Turianが「攻撃強制」は有利なテキストだ、常に攻撃するべきなんだからと言ったのが始まりです――これであなたも忘れられなくなったでしょう!
《貪欲な侵入者》
BH: アーティファクト1個ごとに常に+1/+0していたが、《エイトグ》の同型再販を試してみる。
《エイトグ》はとても可愛らしいカードで、クリエイティブはこれをこの世界に適応できなかったのですが、我々は人々がこのカードの好きなところのほとんどを何とかスタンダードに入れました。
ラガバン
BH: 猿・海賊からただの猿に。
私はあなたにこの話を伝えておきたいと思いました――そしてこれが何になるところだったかも。我々のオフィスでは実際の猿が海賊になれるだけの認識能力を持っているかどうかについての議論が起こりました。私は猿が本質的に海賊とかなり近いと主張しました。あいつらは盗み、罵り、シー・シャンティを歌います。しかしそれでは不十分で、ラガバンは永久に無職に追いやられてしまいました。
今週はここまでです。来週はMファイル『霊気紛争』の後半、パート2をお送りします。
それではまた来週お会いしましょう。
サムより (@samstod)
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