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『Unstable』のメカニズム
『Unstable』のメカニズム
Matt Tabak / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2017年11月13日 / 11月16日追加部分公開
長年の間を置いて、待ち焦がれられた4つ目の銀枠セットが登場です! おっと、でも、『未来予知』もこのくくりだと思ってるのは私だけじゃないですよね。それじゃやりなおし。
長年の間を置いて、待ち焦がれられた3つ目の銀枠セットが登場です! 『Unstable』では通常のルールを投げ捨て、奇妙なからくりや謎めいた科学、予測不能なサイコロ、予測可能なサイコロ、ハイタッチ、リスに溢れたセットをお届けします。『Unstable』の新メカニズム全てを1つの記事で説明するのは不可能かもしれません。そこで、この記事では大きなメカニズムを取り上げます。ここにしかない狂気を秘めたカードが山盛りです。より深く掘り下げたいと思うなら、FAQの類のものをまとめました。名前はとても長いです。セット全体が公開されたらお届けしましょう。
今回のやり方はこうです。全てをすぐに公開するつもりはありません。2つの主なメカニズムがあって、2つめは準備が整ってから公開します。木曜日を予定しています。この記事を木曜に更新しますので、ブックマークに入れておいてください。お楽しみに。
五種の注目の陣営が元気に闘争
『Unstable』にあるのはただの狂気だけではありません。きちんと組み上げられた狂気です。5つの異なる陣営が存在し、プレイヤーの気を引いてデッキに入ろうと争っています。それぞれには面白いすかしがあり、その陣営に所属するカードを識別できるようになっています。5つの陣営は次のとおりです。
- 小型装置団/Order of the Widget - 歯車と城のようなすかし
- S.N.E.A.K.職員/Agents of S.N.E.A.K. - 鍵と傘の組み合わさったようなすかし
- 卑怯な破滅軍団/League of Dastardly Doom - 電球の中で爆発しているようなすかし
- ゴブリンの爆発屋/Goblin Explosioneers - 爆弾とダイナマイト2本のようなすかし
- 交配研究所/Crossbreed Labs - 二口フラスコのようなすかし
このセットの中には、カードのすかしを参照するカードがあります。それらは伝統的な文章欄のすかしだけでなく、からくりの右下角に描かれている陣営マークも参照します。
あ、今私はからくりと言いましたね。そうです、からくりです。
からくり
ある意味銀枠の『未来予知』当時、こんなカードがありました。
からくりとは何でしょう? それは何をするのでしょう? それらの質問には答えはないはずでした。特に意味のないアーティファクト・タイプの1つでした。ジョークの勘所だったのです。ですが、『Unstable』の発売とともに、答えが生まれました。偽物の予言は現実となったのです。
からくりはもちろんアーティファクトです。からくりデッキは戦場にはありませんが、からくりは戦場にあります。つまり、アーティファクトに作用するものはからくりにも作用します。それらはアーティファクトであり、アーティファクトがすることをすべてしますが、1つだけ例外があります。破壊されたときに墓地には行きません。からくりが破壊されたら、それは破壊されたからくり用の特別な領域、屑置き場に置かれます。
からくりには、それを発動させたときに誘発する誘発型能力があります。そして、《蒸気打ちの親分》には、それらのからくりが組み立てられるという状況があるということが書かれています。これはどういう意味でしょう? まず、からくりデッキとその作り方について説明します。
からくりデッキとその作り方
からくりはメイン・デッキには入りません。からくりを使ってプレイする場合、独立した「からくりデッキ」を作る必要があります。通常のデッキに入れてしまわないように、裏面が違うデザインになっています。そして、この裏面はただ見た目がいいだけでなく、ゲーム中に意味を持ちます。
例えば銀枠入りスタンダード、銀枠入り統率者戦、《蒸気打ちの親分》入り銀枠戦のような構築フォーマットでは、からくりデッキには最低15枚のからくりが必要です。からくりデッキはハイランダー(同名カードは1枚限り)です。
ブースタードラフトやシールドデッキ戦といったリミテッドでは、からくりデッキはあなたのカードプールにある任意のからくりを入れることができます。15枚制限も1枚制限もありません。ドラフトした、あるいはパックから手に入れたからくりを使えます。
さて、からくりデッキの作り方がわかったところで、からくりを「組み立てる」ことと「発動させる」ことについて説明します。
からくりを組み立てることとからくりを発動させること
このセットの中には、あなたやあなたがコントロールしているクリーチャーにからくりを組み立てさせるカードがあります。ここで、からくりカードの裏を見てみましょう。
からくりデッキには3つの起動輪/sprocketがあり、起動輪1、起動輪2、起動輪3と名付けられています。また、「発動!/CRANK!」カウンターがあり、これはゲーム開始時に起動輪3に置かれています。あなたやあなたがコントロールしているクリーチャーがからくりを組み立てると、あなたはそれを3つの起動輪どれかの下に置きます。からくりデッキが空なら、何も起こりません。大丈夫、それで負けになることもありません。
滅多にない状況では(このセットで「滅多にない」ことって何でしょう)、からくりが組み立てられることなく戦場に現れることがあります。それが起こった場合、そのカードが実際にからくり・カードなら屑置き場に、そうでなければ墓地に置かれます(例えば、クリーチャー・カードがからくりのコピーになったとか)。
さて、からくりを組み立てて、次はその使い方です。あなたのアップキープの開始時に、あなたがからくりを1つ以上コントロールしている場合、あなたは発動!カウンターを起動輪1つ分(つまり、1から2、2から3、3から1に)進めます。その後、あなたはその起動輪にあるからくりを好きな数だけ発動させることができます。そうすると、それらの能力が誘発します。あなたはそれらの能力を好きな順番でスタックに置きます。スタックに最後に置かれたものが最初に解決されます。なお、発動させたくなければ発動させなくても構いません。
からくりをどう組み立てるかが、どんな地獄の装置を作るかを決めます。1つの起動輪に詰め込んで3ターンに1回破滅的なターンを生み出すもよし、各起動輪に散らして毎ターン利益を得るようにするもよしです。あなたがリス政権の傀儡でなく自分で選択することができるなら、そこには無数の選択肢があります。
宿主/hostと拡張/augment
宿主はこのセットの一部のクリーチャーが持つ特殊タイプです。それら自体では、宿主・クリーチャーは特別なことはありません。攻撃したりブロックしたり、他のクリーチャーと同じことをします。ここで1枚見てみましょう。
ああ、かわいいですねぇ。それぞれの宿主・クリーチャーは、戦場に出たときに誘発する能力を持っています。そしてもう1つ、共通で持っているものがあります。宿主・クリーチャーは、新しい拡張能力のおかげで改良されることができるのです。
拡張を持つクリーチャー・カードは特別です。まず、マナ・コストを持ちません。拡張を持つクリーチャー・カードを唱えることはできません。では、どうやって戦場に出すのでしょうか。もちろん拡張です。拡張は、あなたの手札にある間に起動する起動型能力です。拡張するいは、そのカードを公開し、拡張コストを支払います。通常、このコストはマナですが、他のものでもありえます。宿主・クリーチャーを対象として選びます。この例では、ピクルスちゃんを対象にしましょう(ああ、子猫の名前です)。能力が解決されたら、この2枚のカードを結合して、こんな1体のクリーチャーにします。
クリーチャーを拡張するといろいろなことが起こります。考え方の1つとしては、隠れている部分を完全に無視するだけだということもできます。大まかに言うと、宿主・クリーチャーのアートの金属棒よりも左側のものを無視するということです。結合したクリーチャーは新しい名前、タイプ行、文章欄を持ちます。特に、戦場に出たときに誘発する誘発型能力は新しい、複数回成立しうる条件を持ちます。さらに、SF映画でよくあるように、他のクリーチャーのDNAを埋め込むことで強化されます。拡張カードのパワー/タフネスには、宿主の値への修整値が書かれています。猿子猫のピクルスは3/3クリーチャーになりました。
拡張能力が失敗した場合、よくあるのは対応して対象の宿主・クリーチャーが戦場を離れたとか能力が打ち消されたとかですが、拡張能力を持つカードはあなたの手札に残ります。宿主でないクリーチャーを拡張することはできません。宿主・クリーチャーが拡張されたら、それはもう宿主・クリーチャーではありません。「宿主」部分は拡張カードによって隠されていることに気をつけて下さい。つまり、宿主ごとに1枚しか拡張できないということになります。
宿主と拡張カードを結合したら、その結果の結合したクリーチャーはゲーム上完全に1体のクリーチャーとなります。攻撃したりブロックしたりします。生け贄に捧げることもできますし、破壊されたり追放されたりすることもあります(かわいそうなピクルスちゃん)。戦場を離れた場合、そのクリーチャーが行くところに両方のカードが置かれます。ライブラリーの特定の場所に置かれる場合、この2枚のカードの相対的な順番をあなたが決めます。拡張カードが宿主に結合していない状態で戦場にあった場合、それは墓地に置かれます。拡張カードはそれ単体では生存できませんが、クリーチャー・カードではあります。つまり、あなたの墓地からあなたの手札にクリーチャー・カード1枚を戻すという呪文で、〈猿-/Monkey-〉を戻すことは可能です。おお、アンデッドの猿です!
いい考えがあります......
『Unstable』の各カードを注意深く読んでください。そのルール・テキストを大いに楽しみ、アートを味わい、フレイバーテキストを飲み、リーガルテキストに浸かり...そして何より、楽しんでください!
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