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Making Magic -マジック開発秘話-
デザイン演説2016
Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2016年8月29日
毎年、私はその前年のデザインの評価を検証する記事を書いている。合衆国大統領が毎年おこなう演説に倣っているので、「デザイン演説」と呼んでいる。今回は、12回目の「デザイン演説」となる。これまでの11回は以下のとおり。
昨年は新しい2ブロック構造の最初の年であり、つまり毎年2ブロックを行なうようになったので、この記事の構造も替えることになる。各ブロックに注目できるよう、この記事を3つの節に分けることにした。つまり、その年全体を見てのマジックのデザイン、『戦乱のゼンディカー』ブロックのデザイン、そして『イニストラードを覆う影』ブロックのデザインである。各節ごとに、その良かったところと、その中で得た教訓について書いていこうと思う。
少し補足しておこう。これは主にデザインに関する記事なので、デザインがどうなったかについての感想が中心になる。他にも素晴らしい仕事をした素晴らしい部署はいくらでもあるが、それらには焦点を当てず、私のチームと私が責任を負う工程に焦点を当てることにする。次に、4つのメイン・セット以外にもデザインは存在するが、紙面の都合上、今回はそれらに触れることはできない。
ブロックの話を始める前に、私は、この質問から始めることにしている。「昨年のマジックのデザインはどうだったか」だ。昨年は変化の年だった。完全に新しい構造への変化の途中であり、その変化は当時我々が認識していたよりも難しいものだということがわかってきている。これから見ていく通り良かったことも大量にあるが、私にとって、昨年は重要な教訓の年だったと位置づけられるほうが強いだろう。我々はマジックのデザイン技術の大いなる進化に直面している。昨年は、貴重な学びの年だったのだ。
さて、それでは昨年のマジックのデザインを総括していこう。
マジックのデザイン全体
良かったところ
年2ブロック構造の成功
2年前、マジックがどのように変身しようとしているのかについての記事を書いた。変身が終わったこの時点で、この間に起こった様々な変化について振り返っていこう。まず、最大のものを。マジックの1年間のスケジュールは「3セットのブロック1個と基本セット」から、2セットのブロック2個で基本セットなし、に移行した。この変更のためにさまざまな問題を解決しなければならなかったが、この上なくいい反響を得ることができた。年に2ブロックは、単純に、1ブロックよりも楽しいのだ。
3セットを2セットに濃縮したことで、我々は労力を集中してより濃いデザインを作ることができるようになった。また、3セットのブロックと違い、プレイヤーがブロックに飽きるようになる前に終わらせることができるようになったはずだ。慣れたパターンと違うので、プレイヤーが春セットを新ブロックだと捉えないかもしれないという危惧はあったが、諸君はすぐに順応したし、『イニストラードを覆う影』がただの春セットではなく明らかに新しいブロックだと感じるものだったのだ。
ストーリーの統一性の改善
もう1つの大きな変化が、ストーリーの扱いである。目標は2つあった。1つ目が、さらなる継続性を持つようにすること。ストーリーが現在進行形で関連しているという雰囲気を持たせたかったのだ。そのために、我々は常連となる登場人物を定め(ゲートウォッチだ)、ブロックのストーリー同士を密接に関連させるようにしていった。2つ目が、ストーリーをカードやデザインに反映するようにすること。ストーリーがゲームプレイの一部になるようにして、プレイヤーがマジックをプレイしてストーリーの断片を感じられるようにしたかったのだ。これはさまざまな方法で達成された。デザインの観点から言うと、我々はプレイヤーである諸君がセットでプレイしているときの行動が、登場人物のストーリー上での行動と一致するようにするために尽力したのだ。
《ゼンディカーの復興者》 アート:Chris Rallis |
この統一もまた大成功を収めた。多くのプレイヤーが、何年ものプレイの中で初めてストーリーを把握した、何が起こっているのかおおまかに理解する助けとなったカードを使ってプレイするのは楽しかったと言ってくれたのだ。この分野にはまだまだ進化の余地があるが、1年目に達成したこととしては充分なものだと考えている。
教訓
複雑さが高すぎた
『戦乱のゼンディカー』ブロックと『イニストラードを覆う影』ブロックはどちらも、特にコモンにおいて、平均以上の複雑さだった。現在、セットの中には平均よりも複雑なものは存在するが、3ブロック続けて平均よりも複雑だったというのは考慮すべき問題となる。複雑さを下げることについて語るたび、それが戦略的な深みを減らすことだと感じて不安を感じる諸君が多いことは知っているが、複雑さと戦略的な深みの関連は実際はそれよりずっと繊細なものなのだ。
私はしばしば、レンズ状のデザイン、つまり一見すると単純だがゲームの様々な側面を理解していくと深みがあるようなものを作ること、の重要性について語ってきた。かつては、レンズ状のデザインといえばカード1枚1枚のデザインについてのものだったが、昨年、かなりの時間を費やして、より広い総合的なレベルでのレンズ状デザインについて考え、ブロック全体をレンズ状のデザインにする方法を探したのだ。
そこから、掘り下げるべき様々な回答がある中で、メカニズムを積み重ねることによって複雑なメカニズムを作るという現在の方式は根本的に問題があるものだということがわかった。特に、『戦乱のゼンディカー』ブロックはこの問題が顕著だった。
キーワードや能力語として名前を持つメカニズムを多く作りすぎた
これは前の問題からの派生である。セットの複雑さを高めるものの1つが、そのセットに含まれる名前のあるメカニズムの数そのものである。各ブロックについて触れるときに掘り下げるが、昨年の両ブロックに共通する教訓だと言える。セットごとに少なくとも1つ減らすことは簡単だったし、おそらくそうしたとしても誰も足りないとは指摘しなかっただろう。
大型セットと小型セットの間の変化が大きすぎた
私は、ブロック内の大型セットとそれに続く小型セットの間にいくらかの変化があることは必要だと考えている。そして、『ゲートウォッチの誓い』と『異界月』は、どちらもその直前の大型セットから必要以上に変化していたのだ。これらの小型セットのデザインが楽しいものでなかったという意味ではない(どちらも非常に楽しいものだった)。しかし、主席デザイナーとして振り返ると、我々はこれらの小型セットをこれほど変化させることなく同じぐらいエキサイティングなものにできたことは明らかなのだ。これは、本質的には、我々はすべてのユーザーから見て現状と同じぐらい楽しい小型セットを、貴重な限りある資源を使い切ることなく作ることができた、と言っているので、内部向けの問題に他ならない話である。
簡潔に言うと、我々はマジックのセットを作る新しいモデルにうまく順応しているが、何をどれぐらい使うかということについてはさらに注意していくことが必要だということになる。
『戦乱のゼンディカー』ブロック
良かったところ
いくつかの好評なメカニズム
前回の『ゼンディカー』で登場したとき、上陸は大人気だった。調査によると、再訪した今回もやはり好評だった(ただし、熱心なプレイヤーは、我々が上陸を弱体化させたことを嫌っているという情報が届いている。これはデザインというよりもデベロップ寄りの話だが、我々は前回の『ゼンディカー』での上陸の使われ方についての問題点の多くを解決してきたのだ)。『戦乱のゼンディカー』の覚醒や『ゲートウォッチの誓い』の怒濤は新しい上物だ。それらもいつか再訪することになるだろう。無色マナはキーワードではないが、これもかなりの興奮を招いた。
相変わらず人気なフルアート土地
フルアートの土地は、まず銀枠セットで登場したが、後に『ゼンディカー』で拡張セット入りを果たし、大人気となった。何も変わりはない。旧『ゼンディカー』当時と同様、今回も大人気だ(なお、ゼンディカー世界以外でもフルアートの土地を見たいという強い意見が届いている)。
多くのプレイヤーが興奮した「Zendikar Expeditions」
我々は『戦乱のゼンディカー』ブロックで、神話レア以上のレアリティで古いカードを新しい形式で投入するという新しいことを試みた。大多数のユーザーはこれに大興奮したのだ。
《神無き祭殿》 アート:Noah Bradley |
デザイン上の重要な道具としてのカード枠やシンボルの利用
欠色と無色マナ・シンボルは、視覚的要素に大きく寄ったデザインのメカニズム的側面である。新しく掘り下げていくデザイン上の要素を探す中で、視覚的要素を道具として用いることの重要性が示された。これらのメカニズムを成立させる上で視覚上の解決策を見出す助けとなった、リズ・レオ/Liz Leoには特に感謝したい。
これまで禁忌だった領域に踏み込み、新しいデザイン空間を探したこと
マジックのデザインは、常に新しいデザイン空間を探している。上述のように新しい道具も探しているが、かつては禁止されていた領域を再訪することもまたその一環なのだ。『戦乱のゼンディカー』ブロック(嚥下と昇華者)は、掘り下げることをこれまで私が強く反対していた領域、追放領域を扱うことで新しいデザイン空間を見つけ出している。私が追放領域を扱うべきでないと考えていた理由に抵触せずに新しいデザイン空間を見つけ出すことができたということに、私は満足している。過去の決定を再検討する意欲は、マジックのデザインを次のレベルへと押し上げる重要な意欲なのだ。
教訓
ゼンディカーの間違った部分に注目したこと
この教訓については、今年、既に記事にしている。プレイヤーがゼンディカーの次元を気に入っていることから我々はそこへの再訪を決めたのだが、再訪するにあたって焦点を当てるべき側面を間違えたのだ。市場調査すべてを確認すると、プレイヤーが気に入っていたゼンディカーの側面は冒険世界という雰囲気だった。古典的な「ダンジョンズ・アンド・ドラゴンズ」、インディ・ジョーンズ、フラッシュ・ゴードンなどのポップ・カルチャー全体の雰囲気を持っていたのだ。
その後、第3セットでのメカニズム的な変化に意味を持たせるため、我々は新しい敵役としてエルドラージを導入した。『エルドラージ覚醒』は、奥深く興味深いドラフト環境で素晴らしい印象を残しているが、プレイヤーからのセット自体の評価は良くも悪くもないものだった。そこで、ゼンディカーへの再訪を決める中で、我々は『ゼンディカー』ブロックの引きの部分を取り上げ、そしてその次元の、プレイヤーがあまり好んでいなかった側面に焦点を当ててしまったのだ。『戦乱のゼンディカー』はあまりにも『エルドラージ覚醒』寄りで、充分に『ゼンディカー』だったとは言えなかった。いずれもう一度ゼンディカーを再訪しようと計画しているが、私は、この過ちを繰り返さないようにしようと思っている。
エルドラージが多すぎたこと
量的に良かったこともあるが、悪かったこともある。敵役としてのエルドラージは好きだが、私は、量が少ないほうがより良く働くと考えている。巨大で、名状しがたく、世界を喰らう異界の怪物はクールだが、ある程度以上の枚数のカードを作らなければならないとなると非常に難しいのだ。デザイン上の問題の多くは、そもそも必要ないはずだった問題(エルドラージでいっぱいのセットを作る方法)を解決することに関わっている。このブロックでエルドラージとゼンディカー人の戦いを中心に描くというのは私のアイデアだったので、このデザインの中心部分において、私が根本的な誤りを犯したのだという事実を挙げておく。
プレイヤーは「目印」メカニズムを嫌うということ
エルドラージを再び取り上げる上での課題の1つが、メカニズム的に参照する方法を見つけることだった。クリーチャーは共通でエルドラージというクリーチャー・タイプを持っているが、フレイバー的にエルドラージに分類したい呪文が大量に存在したのだ。前回は、部族というカード・タイプを使ったが、既に部族というカード・タイプを使わないことに決まっていたので、他の方法を探す必要があったのだ。
そして、その方法として、無色性を見つけた。しかし、デベロップ的な理由で、カラー・パイを損ないたくはなかったので、欠色にたどり着いたのだ。元は、欠色はメカニズムではなかった。色指標、枠、マナ・コストなどでカードの働きを示すことができると考えられたが、プレイテストの結果はそうではなかった。その結果、我々は明示するために欠色というメカニズムを作ったのだ。
ここで興味深いことがあった。プレイヤーは「無色関連」のテーマを楽しんだが、そのテーマを成立させている欠色は嫌ったのだ。私は時間をかけて掘り下げていった結果、1つの結論にたどり着いた。欠色は何もしないのだ。我々が「目印」メカニズムと呼んでいる、カードの一部を区別し、メカニズム的に扱えるようにすることが主目的のものである。問題は、それがメカニズムとして求められるものではない、ということなのだ。
興味深いことに、私は、おそらく正解は欠色というキーワードを取り除き、注釈文に書かれていた内容を(ルールに合うように調整した上で)それぞれのカードに直接書くことだったと考えている。そうすればメカニズムだとは考えられず、「何もしない」問題は存在しなくなる。マジックがカードのあらゆる要素を自然に目印として使うようになっている中で、「何もしない」問題を引き起こさない形で「目印」を作る技法を見つけ出さなければならない。これは非常に重要な教訓なのだ。
無色マナ・シンボルは『戦乱のゼンディカー』で始めるべきだったということ
我々は、無色マナ・シンボルの導入をそれがメカニズム的に意味があるセットまで遅らせることを決定していた。この判断の結果、見た目が違って効果がほぼ同じカードが同じリミテッド環境に存在するようになっていた。この判断は誤っていて、その判断のせいで新しい無色マナ・シンボルの理解は必要以上に難しくなったのだと考えている。将来、マジックで何か新しいことを始める(何かを導入し、その後もすべてのセットでそれを使う)場合、ブロックの途中ではなく最初で始めるべきなのだ。
メカニズムの人気が出る率が低すぎること
『戦乱のゼンディカー』の昇華/追放関連、嚥下、結集、そして欠色。これらの市場調査の結果は悪くなかったが、我々は「悪くない」より良いものを求めているのだ。『戦乱のゼンディカー』の収斂、『ゲートウォッチの誓い』の支援や盟友の評価は低かった。もちろん、上述の通り成功したものもあるが、このブロックのメカニズムに関して好評を得た比率は低かったと言わざるをえない。メカニズムの責任は第1にデザインにあるので、これは私に責任がある。私はかなりの時間を費やしてそれぞれのメカニズムを振り返り、反響を元に改善すべき点を見つけ出している。メカニズム全体の質を高めることに、デザインは注力しているのだ。
『イニストラードを覆う影』ブロック
良かったところ
エルドラージを正しく扱ったこと
何か間違ったことをしたとき、そのあとで自省して正しくすることは自由だ。『イニストラードを覆う影』ブロックは、エルドラージを効率的に扱う方法を見つけた。第1セットはエルドラージの存在を匂わせる謎で、その後『異界月』で、エルドラージらしさを強め、カードでうまく効果的に実現できるよう、エルドラージを少数だけ統合する方法を見つけたのだ。
『イニストラード』ブロックの正しい側面に注目したこと
『イニストラードを覆う影』は、『戦乱のゼンディカー』で失敗したことを正しくやり直した。『イニストラード』ブロックでも、メカニズム的にやり直すために第3セットでは大展開を見せていたが、我々はこのブロックを『アヴァシンの帰還』への再訪にせず、『イニストラード』への再訪にしたのだ。プレイヤーは徘徊する怪物を見たかったのであり、正しき天使が世界を清浄化するところを見たかったのではないのだ。
《エムラクールの伝導者》 アート:Raymond Swanland |
全体的に大好評だったメカニズム
両面カードは『イニストラード』ブロックの大ヒット作で、その再訪も同様に好評だった。我々は変身をクールで新しい方法で使い、また両面カードという技術の進化形、合体メカニズムを得た。市場調査の結果はまだ出ていないが、合体がホームラン級のヒットだったことは明らかだ(合体に関する最大の不満? 特にない)。他に好評を得たメカニズムは、調査(この後触れる)、現出、再録されたマッドネスが挙げられる。全体として、『イニストラードを覆う影』ブロックのメカニズムの多くが好評を得たと言ってもいいだろう。
トップダウン・デザインを安定させたこと
イニストラードはラヴニカと一二を争う人気の次元である。イニストラードの成功の大部分は、カードやメカニズムが我々が作ったゴシックホラーの世界でどれほど刺激的かということに拠っていると思われる。《十三恐怖症》や《無害な申し出》、あるいは《約束された終末、エムラクール》といったカードは、刺激的なゲームプレイにクールなフレイバーを絡ませる上で素晴らしい働きをしている。プロツアー『異界月』の決勝を見るだけで、ストーリーのクライマックスが戦場で再現されるのを見ることができる(そう、エムラクールを倒すためにリリアナとギデオンが協力しているのだ)。トップダウン・デザインは難しいが、私は、『イニストラードを覆う影』ブロックをこれほど成功させた理由の1つはデザイン(やデベロップ)がこの最高のゲームに取り組んだことだと感じている。
教訓
調査を取り除くべきではなかったこと
これは上記のさまざまな教訓の結論である。あまりにも多くのメカニズムを作り、大型セットと小型セットの間の差を大きくしすぎた。プレイヤーは調査メカニズムが大好きだったのだ。フレイバーに富み、プレイ感もよかった。我々が調査を『異界月』から取り除いたのは、合体、現出、増呪の3つの新メカニズムを導入する場所を作るためだった。ストーリー上での謎解き部分が終わったことから、フレイバー的に関係の深い調査を取り除くことが合理化されたのだ。
振り返ってみると、調査を残して増呪を導入しなければよかった。合体と現出はこのセットの大テーマであるエムラクールの影響を表していて重要だったが、増呪は新しいものを導入するために存在していた。増呪は、もっと相応しくシナジーがあるセットまで温存して、単に調査を残すべきだったのだ。単純なデザイン空間が充分に残っており、いくつかの調整を加える余地はあった。そうすれば、プレイヤーはより幸せになり、複雑さも減ったことだろう。
全般的に、今後、大型セットから小型セットに移る際にメカニズムを取り除くことには懐疑的になろう。ほとんどの場合、それは幸福よりも不満をもたらすことになる。そして、そうすることで、ブロックごとに導入される新メカニズムの数も減らすことができるのだ。
エルドラージを早急に戻しすぎたこと
エムラクールを戻したことの根本的な理由は、はっきりしている。我々はストーリーの扱いを変えたということを伝えたかったのだ。そして、『イニストラードを覆う影』はストーリーの続きであって直前のブロックと関係しない別の世界の物語ではない、と感じさせたかったのだ。つまり、『戦乱のゼンディカー』ブロックで生じた問題の一部が『イニストラードを覆う影』ブロックに持ち込まれた、と考えている。ただ興奮を招いただけでなく、エムラクールがイニストラードに登場したことで不満も招いたのだ。現時点で、私は、我々はうまくやってほとんどの皮肉屋を黙らせることができたと考えているが、批判的な目で振り返って『戦乱のゼンディカー』から『イニストラードを覆う影』までに1~2ブロック挟むことはできなかったのかという問いに応えることは難しい。
まとめ
総括して、我々は認識していた以上の変化をもたらしたと言えるだろう。変身は難しいもので、それを経験した最初のブロックである『戦乱のゼンディカー』ブロックは通常私が仕上げるよりも固まっていなかった。エリック・ラウアー/Erik Lauer率いるデベロップは超人的な仕事を経てプレイできるまでに仕上げたが、このブロックの様々な問題は既に含まれていたのだ。『イニストラードを覆う影』ブロックは『戦乱のゼンディカー』ブロックの様々な失敗を修正したが、それでも詰め込みすぎという罠に陥っており、セット間でメカニズムを必要以上に変更していた。
『イニストラードを覆う影』ブロックから『カラデシュ』ブロックにかけてのデザイン手法の進化は、少なく見積もっても『戦乱のゼンディカー』ブロックから『イニストラードを覆う影』ブロックにかけての進化と同等のものだと考えている。1年後、『カラデシュ』がどう評価されたかを評価することが今から楽しみだ。
デザイン演説記事の通例通り、昨年のデザインについて(また、それへの私の評価について)の諸君からの反響を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Google+、Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、ついに(ついに!)『カラデシュ』の話を始める日にお会いしよう。
その日まで、私たちデザイン・チームがあなたのために昨年デザインすることを楽しんだのと同じぐらい、あなたが昨年のデザインを楽しんでいますように。
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