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コラム

金子と塚本の「勝てる!マジック」

金子と塚本の「勝てる!マジック」 第34回:プレイング編 対戦中の小ネタ

金子と塚本の「勝てる!マジック」 第34回:プレイング編 対戦中の小ネタ

by 金子 真実 & 塚本 樹詩

登場人物:

金子 真実

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの人。塚本に押しかけられ突然弟子をとることになった。

Q. 好きなパンは?
A. 至高のパン、それはホットドッグ。カリッと焼き上げられたパンに、これまたパリっと焼きあげられたソーセージ。それらをドッキングするケチャップとマスタード。優しく包み込むレタスやオニオンがあっても良いですね。パン、それはすなわちホットドッグのための台座なり。

塚本 樹詩

マジック初心者。マジックの大きな舞台での活躍を夢見て、金子に弟子入りした。とにかく元気。

Q. 好きなパンは?
A. 僕はナンと言ってもカレーパン!中のドロッとしたカレーはもちろん、外側の「カリカリ」がたまらんですばい!!「カリカリ」のもととなっている「ツブツブ」を見るだけで食欲が「モリモリ」ですばい!!後はレンジで温めると萎んで体積がめっちゃ少なくなる安いホットドッグの哀愁さが好きです。

前回の勝てマジ!

 自分がカードをプレイすることは相手に情報を与えること。この理念に基づいて、圧倒的に勝ち負けがはっきりしてる時は余分にカードをプレイしないことを覚えたぞ!


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......ということで、塚本は大会に出ていた。事前にそのことを知らされていた金子は、大会会場で塚本が奇行に走っていないか気になり、昼過ぎに様子を見に行くことにしたのだった。


金子「塚本さんのせいで会場が滅茶苦茶になっていないか心配です......。」

 しかし、金子の予想に反して塚本はきちんと机に座り、デッキを回していた。

金子「まぁ、もうすぐ33歳にもなるいい大人。さすがに試合中には暴れないか。」

 ほっとしたのもつかの間、金子は物凄い場面に遭遇してしまったのである!!

ケース1 必要な情報はメモをとろう!

塚本「それでは、あなたに《強迫》をプレイ!!ばばん!!」

対戦相手「対応して《稲妻》をあなたに!」

公開された手札:

塚本「こ...これは何だ! 手札が稲妻だらけじゃないか!」

対戦相手「僕のイナズマデッキで全てを......焼き尽くす!!」

塚本「急に対戦相手も恐ろしくなったぞ!じゃあ僕は一番ヤバそうな《稲妻の謎》を捨てます!」

対戦相手「稲妻は何度でも降り注ぐ......!」

塚本「駄目だ...対戦相手のキャラが濃すぎる......そのせいもあってか手札の内容をあんまり覚えてないぞ......でも手札のコンボが決まれが勝てそうだ......よし、行こう!《皮背のベイロス》で攻撃!そして《皮背のベイロス》に《強大化》!」

対戦相手「《強大化》解決前に《皮背のベイロス》に《稲妻の斧》をプレイ! 追加コストで《稲妻の力線》を捨てて、落ちろ!!地を這う野獣!!」

塚本「っく...。このあと《ティムールの激闘》で勝ちだったのに......」

対戦相手「これからは俺の時間だ......降り注げ俺の稲妻!!」

塚本「うっうわあああああああ!! 投了します。スリップに記入しますね。ありがとうございました。」

金子「ちょっとちょっと! 塚本さん見ていましたよ!」

塚本「わ!金子さん!来てくれたのですね? でも恥ずかしいところ見せちゃいましたね......」

金子「そうですよ!手札に《稲妻の斧》があること、1回見て覚えなかったのですか?

塚本「え?そっちですか? てっきり僕が稲妻に何度も打たれて倒されるところだと思ったのですが...。」

金子「確かに形容しがたい不気味な試合でしたが、そこではありません。塚本さん、《強迫》のときにメモしなかったんですね。」

塚本「え?なんてメモするんですか? 稲妻を避けるには自分より高い建物を避雷針にしろ!とかですか?」

金子「そんなスローガンを書いて勝てるなら苦労しませんよ。そうでなくて対戦相手の手札をメモしておけば、良かったのでは?という話です。そう、こんな感じで。」

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塚本「ええええ!そんな神のテクニックが...どうして教えてくれなかったのですか!!」

金子「試合中の助言は禁止されているので無理でした!」

塚本「でも凄い有益な情報なので次の試合からは活用していきます! 金子さんありがとう!」

金子試合中にメモを取ることはルール的に問題ありません、しかし、試合時間はお互い共有しているので、メモを取る際には素早く取る必要があります。それと試合と試合の合間にはあらかじめ用意していたメモを見ても大丈夫なので、サイドボードのイン・アウト等をメモしておけば時間短縮にもつながりますよ!

塚本「慣れないうちは助かりますね!」

金子「もちろんきっちり覚えられるというのならメモは必要ありませんが、実際は間違えるよりはよっぽど良いので、ぜひ活用してみてください!」

塚本「はい!あ、次の試合が始まるみたいなので行ってきますね!」

金子「はい!頑張ってください!」

 金子は塚本を見送った。これで塚本はさっきよりも強くなったはずだ、次はきっと笑顔で自分に勝利の報告をしてくれるに違いない。そう思っていた。しかし、金子はまたしても衝撃的な場面を目撃する!

ケース2 誘発忘れ防止

対戦相手「俺は土地破壊ニキ!《石の雨》であなたの土地を破壊だ!」

塚本「全然マナが増えない...こんなデッキがあるなんて......ドローしたのは《銀騎士》か......《霊気の薬瓶》をプレイしてエンド。」

対戦相手「よし!《略奪》で土地を破壊!!」

塚本「残りの土地は1枚か。霊気の薬瓶》の上にひとつめのカウンターを置いてからドロー......っく、土地じゃなかった。エンド。」

対戦相手「そろそろトドメの時間です!《猛烈に食うもの》を召喚!墓地にソーサリーが10枚あるので10/10で攻撃!」

塚本「まずい!このままでは負けてしまう......でも土地を引けば《銀騎士》を出せるぞ!土地を引いてくれ頼む!ドロー!!......くそっ!引けなかった!」

対戦相手「それでは再び《猛烈に食うもの》で攻撃!」

塚本「参りました!ありがとうございました!」


金子「ちょっとちょっとちょっと!塚本さん何やってるんですか!? アップキープに《霊気の薬瓶》の上にふたつめのカウンターを乗せていれば、《銀騎士》を出せて負けなかったじゃないですか! もったいない!」

塚本「あああああああ!忘れていました!土地を引かないとって考えで頭がいっぱいでした......。こういう時は、ライフメモに《霊気の薬瓶》の誘発を忘れるな、とでも書いておけば良かったのでしょうか......。」

金子「いえ、アップキープに誘発する効果を持つパーマネントをコントロールしている場合は、メモすることよりもライブラリーの上にダイスやカウンターを乗せる方がいいかもしれませんね。そうしたら、カードを引く際にそれらを動かすことになり、そこでどうして乗せたのかを思い出すので忘れにくいのです。アップキープに同時に何個も誘発する場合は、乗せる数を誘発するパーマネントと同じ個数にするとわかりやすくていいですよ!」

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塚本「そんな手があるなんて!次からはそうします! でも誘発型能力にもいろいろあるので、ライブラリーが関係ない時はどうすれば忘れにくくなりますかね?」

金子「クリーチャーの死亡誘発の場合は墓地のすぐそばにそういった誘発型能力のあるパーマネントを置いたり、戦闘ダメージで誘発する場合はライフメモ記入の際に目立つ場所に書いておいたりすれば忘れにくくなりますよ!」

塚本「誘発の際にはその動作に関連した場所に工夫を加えるのが良さそうですね!」

金子長丁場になったり、濃い内容の試合をして疲れてしまうと、どんな人でもミスしやすくなったりするので、動作の中にこういうった工夫が組み込めると、エネルギーの消費を抑えられたり、機械的に忘れずに済むのでお勧めですね。

 それと根本的な話になってしまいますが、ラウンド間にきちっと休憩を取れると脳がリフレッシュするので、試合に集中しやすくなります。そのためにも試合をなるべく早く終わらせるために動作を素早くするのも、大事な要素の一つですね。ということで、今回のまとめ!」

  • 試合中に取ったメモは試合中に参照できるので、素早くメモって活用しよう!
  • 誘発忘れで不利にならないために、誘発と関連する領域に忘れないための工夫をしよう!
  • ラウンド間に脳を休めることで試合に集中できるようにしよう!

塚本「それにしても、実際に試合に出るとカードの使い方以外にも大事な要素ってたくさんあるんですね、こんなことなら事前に聞いておけば良かったです。」

金子「そうですよ、なんで急に大会に出ようって思ったのですか?」

塚本「なんでって、それは、もうそろそろこの連載が終わりそうだからですよ!だから、今まで習ったことを活かそうと思ったんですよ。前回も今回もプレイングっていうより小さなテクニックって感じだし、もう終わりなのかな、僕達の関係は......って。」

金子「塚本さん......」

 突然告げられた連載の終わり!? 次回最終章!!どうなる『勝てマジ!』!?

金子「......それなら最後に、マジックの中で最も難しいとされている『アレ』について教えてあげますよ。」

塚本「最も難しい......『アレ』? 一体『ドレ』です?」

金子『アレ』ですよ!『アレ』!」

塚本「プロプレイヤークラブでプラチナになれる方法ですか?」

金子「確かに!!確かに難しいけれども!! もっとテーマ的にシンプルなものですよ!!」

塚本「えー?ヒントくださいよ!」

金子「極めることが難しいとされている技術ですね。プラチナになるよりも難しいことかもしれません!!」

塚本「最後にふさわしい題材なのですね......!!」

金子「そうです。世のプロプレイヤーの間でもたびたび議論になる『アレ』......そう、『マリガン』です!」

 次回最終章「マリガン」!!!お楽しみに!

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