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金子と塚本の「勝てる!マジック」
金子と塚本の「勝てる!マジック」 第5回:デッキの種類・その1「ビートダウン」
金子と塚本の「勝てる!マジック」 第5回:デッキの種類・その1「ビートダウン」
by 金子 真実 & 塚本 樹詩
登場人物:
金子 真実
ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの人。塚本に押しかけられ突然弟子をとることになった。
好きな外国はモルディブ
塚本 樹詩
マジック初心者。マジックの大きな舞台での活躍を夢見て、金子に弟子入りした。とにかく元気。
好きな外国はロシア
前回の勝てマジ!
金子からフォーマットと大会の種類を教えてもらった塚本は、さらにやる気が上がり、早速イベントに参加しようと話も聞かず駆け出してしまう。そして塚本が組んできたデッキとは......!?
金子「さて......今日の仕事はこれくらいにして帰るか......。」
塚本「ちょっと待ったー!!」
金子「つ、塚本さん! どうしたんですか! そんなボロボロになって......。」
塚本「つ......ついにデッキができたんですよ......これで僕もイベントに......ガクッ」
金子「つ、塚本さああああああん! これが塚本さんが全てを懸けて作ったデッキか......! ......ってこのデッキ......。」
20 《山》 -土地(20)- 4 《鋳造所通りの住人》 1 《炉の小悪魔》 1 《激情のゴブリン》 4 《国境地帯の匪賊》 4 《谷を駆ける者》 1 《発生器の召使い》 1 《松明の悪鬼》 2 《クレンコの処罰者》 1 《ゴブリンの荒くれ乗り》 1 《かき回すゴブリン》 1 《焼炉の仔》 1 《ゴブリンの踵裂き》 1 《激しい抵抗の模範》 1 《屑鉄場の雑種犬》 1 《稲妻の金切り魔》 1 《疾走する戦暴者》 1 《轟きの巨人》 1 《シヴ山のドラゴン》 1 《トラクシーズの落とし子》 1 《天を支える者》 -クリーチャー(30)- |
1 《巻き添え被害》 1 《槌手》 1 《稲妻の一撃》 1 《苦しめる声》 1 《双雷弾》 1 《弧状の稲妻》 1 《軍族童の突発》 1 《地鳴りの一撃》 1 《憤激》 1 《かき立てる炎》 1 《火炎放射》 1 《溶岩の斧》 -呪文(12)- |
金子「なんじゃこりゃぁぁぁぁ!」
塚本「僕の大好きな赤のカードで、すぺしゃるな打線を組んだデッキです!」
金子「1マナのクリーチャーから8マナのクリーチャーまで入っている......。」
塚本「これが最強打線です!」
金子「打線とか、それは野球ですよ! それにクリーチャーだけでなく、呪文もいろんなものがバラバラに入ってる......。」
塚本「いろんな場面で役に立ちそうなカードを吟味して選びました!」
金子「(頭を抱えながら)初めてデッキを作るんですもんね......わかりました、今回も1からちゃんと教えますね。まず、塚本さんのデッキは分類でいえば『ビートダウン』ですね。」
塚本「びーと......だうん......? なんだか凄いアツくなれそうな響きです!」
デッキの種類について
金子「マジックのデッキの種類について説明しますね。『デッキタイプ』と呼んだりもします。大きく分けると以下の3つになるのですが......。」
ビートダウン
クリーチャーによる攻撃を中心とした、早いターンのうちに決着をつけることを目的とした「攻め」のデッキ。基本的にはコストの小さい優秀なクリーチャーと、サポートする呪文を組み合わせた構成になる。「アグロ(Aggro)」とも呼ばれる。
コントロール
相手のクリーチャーを破壊する呪文など、相手の行動に合わせて効果的なカードを選択し、ゲームをコントロールしながら勝つ「守り」のデッキ。じっくり時間をかけて戦うので、「ビートダウン」と比較するとマナコストの重いカードも使う。
コンボ
「攻め」でも「守り」でもなく、特定のカードの組み合わせにより勝利を狙うデッキ。特定のカードを集めるためにカードを引いたり、探したりする他に、相手の展開を邪魔して時間を稼ぐこともある。
金子「大まかに3つを説明しましたが、今回は一番上の『ビートダウン』について詳しく説明しましょう。」
塚本「レッツ・ビートダウン!」
金子「先ほどの説明のとおり、ビートダウンは、基本的にはクリーチャーでの攻撃によって勝つことを目的としています。サポートする呪文の性質は色によって違うのですが、赤の場合はクリーチャーの攻撃に加えて、プレイヤーやクリーチャーに直接ダメージを与えることのできるカードを使うことが多いですね。」
金子「このような、通称『火力』と呼ばれる呪文は基本的にどのフォーマットにも存在するので、マナ・コストの低いクリーチャーをたくさん並べながら、相手のクリーチャーを『火力』で焼き払い、最後のトドメにも使う。といったのが赤い『ビートダウン』の基本戦術です。」
塚本「他の色ではどうするんですか?」
金子「それでは、それぞれの色の代表的な戦術を見ていきましょうか。」
白
金子「白は自身のクリーチャー全体を強化する呪文や、『プロテクション』をつけるカードでクリーチャーを守ったりします。他にもクリーチャーをタップする呪文や、その能力を持ったクリーチャーもいますね。」
塚本「団結や守護! まさに白そのものですね!」
金子「ボケそうでボケない!」
青
金子「青は相手の呪文を打ち消したり、パーマネントを手札に戻したりといった妨害をしながら『ビートダウン』していきます。また、この色には『飛行』を持ったクリーチャーや『ブロックされない』という能力を持ったクリーチャーが多くいるので、そういった通称『回避能力』を持ったクリーチャーを使うこともあります。」
塚本「白とは逆で相手の力を弱めて勝つんですね。知的でかっこいい!」
金子「塚本さんも頑張って知的でかっこよくなりましょう!」
塚本「この現実を《否認》したい......。」
黒
金子「黒は相手のクリーチャーを破壊したり、相手の手札からカードを捨てさせたりと、青と同じく相手の妨害をしながら戦うことが多いです。手札を捨てさせるときに相手の手札を確認できるカードもあるので、相手の状況を把握できるのがいいですね。また『接死』や『再生』といった、相手にとって厄介な能力を持ったクリーチャーが多いのも黒のクリーチャーの特色ですね。」
塚本「死や精神の荒廃を表している色なんですね。」
金子「色の自己解釈がどんどん酷くなってきていますよ!!」
赤
金子「赤では、先ほど説明したクリーチャーやプレイヤーに直接ダメージを与える、いわゆる『火力』呪文の他に、クリーチャーを一時的にブロックさせなくしたり、『速攻』を与えたりするのも特色です。元から速攻がついているクリーチャーが多いのも特徴の一つですね。」
塚本「うおおおおお!(体で速攻を表す)」
金子「塚本さん、速攻ついてそうですね!」
緑
金子「緑は元からパワー、タフネスが大きいクリーチャーが多いのに加えて、クリーチャーを一時的に強化する呪文や、『格闘』という擬似的にクリーチャー同士に戦闘させる能力を使います。この二つの動きの相性も良く、クリーチャーを強化してから『格闘』すれば、相手のクリーチャーを倒した後に強化したクリーチャーで攻撃できるので大変お得です。」
塚本「パワーを上げて、物理で殴ればいいんですね?」
金子「......? ちょっと何を言っているかわからないのですが、こういった各色の特色を活かして『ビートダウン』することを意識すればデッキも作りやすいと思います。また、単色に慣れてきたら2色や3色のデッキを作ってみるのもいいですね!」
塚本「セットによっては単色を優遇していたり、多色がやりやすかったりするみたいなので、その時々にあわせてデッキを組むのが良さそうですね!」
金子「おかしい時と真面目な時の差が激しすぎます!」
塚本「これで『ビートダウン』については大体わかったので、次はコントロールについて教えてください。」
金子「では次回じっくりと教えるので、それまでに塚本さんはいつもどおり、自由に自分の思うコントロールデッキを組んできてください!」
塚本「ではここで......閃きが降りてくるまで瞑想していますね......。」
金子「いいですけど、朝から会議でこの部屋使うので、それまでには閃いていてくださいね? 僕はお先に失礼しまーす。」
続く。
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