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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:バント・コントロール(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:バント・コントロール(モダン)
by 岩SHOW
先日、2017 Magic Online Championshipが開催された。2017年シーズンにMagic Onlineで活躍したプレイヤーが集結して、世界一を決定する熱戦が繰り広げられたのだ。
今大会のフォーマットはリミテッドとモダン、プロツアー後の禁止改定を経て、プロプレイヤーを含むMagic Onlineの英雄たちがチョイスしたのはどんなデッキなのか? おのずと世界の注目は集まっていた。
使用率では《血編み髪のエルフ》がカムバックを果たした「ジャンド」が圧倒的だったが、同じく解禁された《精神を刻む者、ジェイス》デッキを選択した者も。
今日はそんなジェイスデッキの中から、最もインパクトを放っているオリジナルデッキを紹介しよう。ギョーム・マティノン/Guillaume Matignonの「バント・コントロール」だ!
2 《森》 2 《平地》 3 《島》 1 《寺院の庭》 1 《繁殖池》 1 《神聖なる泉》 1 《大草原の川》 4 《霧深い雨林》 3 《溢れかえる岸辺》 2 《溢れかえる果樹園》 1 《天界の列柱》 2 《廃墟の地》 -土地(23)- 4 《桜族の長老》 2 《瞬唱の魔道士》 2 《クルフィックスの狩猟者》 2 《巨森の予見者、ニッサ》 1 《約束された終末、エムラクール》 -クリーチャー(11)- |
4 《流刑への道》 4 《血清の幻視》 2 《探検》 2 《差し戻し》 1 《アズカンタの探索》 1 《バントの魔除け》 3 《謎めいた命令》 1 《至高の評決》 1 《神の怒り》 3 《時間のねじれ》 1 《スフィンクスの啓示》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(26)- |
1 《ロウクスの戦修道士》 1 《強情なベイロス》 1 《ザルファーの魔道士、テフェリー》 1 《ワームとぐろエンジン》 1 《払拭》 1 《斑岩の節》 1 《大祖始の遺産》 2 《否認》 2 《安らかなる眠り》 2 《石のような静寂》 1 《天界の粛清》 1 《審判の日》 -サイドボード(15)- |
ギョーム・マティノンはフランスのプロプレイヤー。2010年にプロツアー準優勝とシーズン最後の世界選手権で優勝を果たし、シーズン獲得プロポイントがトップだったブラッド・ネルソン/Brad Nelsonに「同点で並ぶ」というマジックのプロシーンで初めての出来事を起こした人物として知られる。ネルソンとの直接対決にて行われたプレイヤー・オブ・ザ・イヤー決定戦には敗れてしまうものの、マジックの長い歴史で唯一の戦いを経験したことで世界中のプレイヤーに知られることになった。
この2010年の躍進より前からプロツアーに参戦し続ける大ベテランなマティノンは、昨年はプロツアー『イクサラン』にてTOP8入賞でカムバックを果たしている。日本のキャリアが長いプロプレイヤーたちからは「おっちゃん」の愛称で親しまれているのも有名な話だ。
マティノンが世界王者となった時に使用していたデッキは「青黒コントロール」、もちろん《精神を刻む者、ジェイス》入りだ。自らを世界の頂点に導いてくれたカードということで、おそらくはお気に入りの1枚なのではないだろうか。そんなマティノンが今大会に持ち込んだリストは、独創的な他に類を見ないタイプの、バント(白青緑)カラーのコントロールデッキだ。
見たところ、ジェイスを強く使う!という強い意志を感じる。まず《桜族の長老》。
一般的なコントロールデッキに採用されることは珍しいが、これと《探検》があるから緑を使っていると言って過言ではないくらい、このリストでは重要なカードに見える。《精神を刻む者、ジェイス》は4マナで、これらのカードを2ターン目に用いると3ターン目にジェイス降臨が可能となる。対戦相手にクリーチャーが並んでいる状況だと力を発揮し辛いジェイスだが、こうやって最速で出してやることで相手の体制が整う前にマウントを取ってやろうというわけだ。
準備のできていない状況で現れるジェイスは、どうしようもないことが多々。3ターン目ジェイスから後はアドバンテージを稼ぎまくり、相手のクリーチャーを除去して呪文を打ち消して、後は相手の心が折れるの待ち......そんな攻撃的なアプローチを備えたどっしり系コントロールなのだ。
《巨森の予見者、ニッサ》も確実に4枚目の土地を手に入れ、少なくとも4ターン目にジェイスを唱えられるようにするぞという決意表明的なカードだ。
変身してしまえば彼女も立派なアドバンテージ・エンジンとして機能する。ジェイスでライブラリーの上に土地を送ってニッサで出す、なんて芸当が決まりだしたらゲームエンドは目の前。
《クルフィックスの狩猟者》もコントロールが恐れる土地のストップを止めてくれる可能性があり、ジェイスや《血清の幻視》との相性も良い。
《クルフィックスの狩猟者》を採用したのであれば、これが墓地に落ちるとクリーチャーとエンチャントの両方でカウントされる......ということでダメ押し的フィニッシャー《約束された終末、エムラクール》まで採用されているのがたまらないね。
上述の各種エンジンでマナを伸ばすのも得意なので、唱えられない!なんてことはあまりないだろう。エムラクールで対戦相手の手札と盤面を無茶苦茶にするか、《時間のねじれ》でジェイスマウントを取り続けるか、あるいはX=いっぱいの《スフィンクスの啓示》で敗北から遠ざかるか。この3つがこのデッキのメインの勝ち筋だ。どれもこれもやられた方はたまったもんじゃないな!
キャリアの長いプレイヤー、インパクトを残したカード。時にそれらが還ってくることのあるマジックは、素敵なゲームだと思う。このデッキリストを見て「久しぶりにマジックやりたいな」と復帰意欲が湧いた方がいれば、嬉しい限りだ。
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