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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青白コントロール~護身完成~(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:青白コントロール~護身完成~(レガシー)
by 岩SHOW
マジックとは実に面白いゲームである。勝ちを求めすぎると、勝利が遠のくというシーンに往々にして出くわすことになる。勝つためにやっているのに、勝ちたいと思い過ぎてはいけない。手札をすべて展開すると勝利にグッと近づいているようで、相手の全体除去1枚で限りなく遠くに追いやられてしまうという......勝ちに行く姿勢にはリスクが付きまとう。勝負に出るか、リスクをケアするのか。これが見極められるようになった人が、マジックの達人たちなんだろうな。
一方で、勝つことをそこまで目指していかないデッキというものもある。己が負けないことを極めて、最終的に1枚のフィニッシャーを見せることで対戦相手の戦意を削いで勝つ。護身を極めるのだ。
今日紹介するのは、負けなくなるコンボを主軸に対戦相手の投了をゆっくり待つ、合気の達人のようなレガシーのデッキだ!
7 《島》 3 《平地》 3 《Tundra》 1 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 3 《沸騰する小湖》 1 《カラカス》 -土地(22)- -クリーチャー(0)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《悟りの教示者》 2 《剣を鍬に》 4 《安らかなる眠り》 3 《エネルギー・フィールド》 2 《対抗呪文》 1 《光輝王の昇天》 1 《基本に帰れ》 1 《拘留の宝球》 3 《至高の評決》 2 《Helm of Obedience》 4 《意志の力》 2 《仕組まれた爆薬》 3 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(38)- |
2 《翻弄する魔道士》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 3 《僧院の導師》 2 《狼狽の嵐》 2 《剣を鍬に》 1 《真髄の針》 1 《秘儀の研究室》 1 《議会の採決》 1 《謙虚》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード(15)- |
かつてレガシーにおける最強の護身と言えば、《相殺》+《師範の占い独楽》のロックコンボだった。これを軸とした「奇跡コントロール」は一時期レガシーを支配していた、そう言って差し支えがないほど大型トーナメントで安定した勝利を重ねていた。このロックコンボなき後も、《渦まく知識》《思案》はては《先触れ》まで搭載してライブラリーの一番上のカードを調整して《相殺》で打ち消すことを狙った次世代奇跡が使用されることがあった。ただ、これらのデッキも一時期は大いに注目されたものの、安定感は数段落ちるため先代ほど活躍することはできなかった。
今回紹介する青白のコントロールデッキは、《相殺》をすっぱりと諦める形となっている。代わりに採用されているのが《安らかなる眠り》+《エネルギー・フィールド》のコンボだ。
《安らかなる眠り》を設置すると、お互いの墓地にカードが置かれなくなる。墓地利用するデッキがとても多いレガシーにおいてはこれを置くだけでイヤな顔をするデッキが少なくないと思うが、これに加えてダメージで勝利しようとするデッキも完封する《エネルギー・フィールド》が加わるときたもんだ。
これはあなたに与えられるダメージをすべて軽減してしまう驚異のエンチャントで、ただしあなたの墓地にカードが置かれるとその時点で生け贄に捧げてフィールドが解除されてしまうという維持条件を持っている。普通に使おうと思ったら遅かれ早かれなんらかのカードが墓地に置かれてこのエンチャントを維持し続けることは大変難しいのだが、《安らかなる眠り》が並んでいればカードを好きなだけ使ってもらって大丈夫だ。
この2枚のエンチャントで墓地と戦場を封じ込めつつ、対戦相手の手札から飛んでくる状況を打破しようとするカードを打ち消し呪文で弾き続けてやれば......もう相手の戦意はすり減っていくばかり。《精神を刻む者、ジェイス》が姿を現したところで、大半の対戦相手は次のゲームに切り替えるために投了してくれることだろう。
勝ち手段は上記のジェイスに加えて、ダメージを受けない状態とのコンボでもある《光輝王の昇天》、《安らかなる眠り》で墓地にカードが置かれない=能力を起動すると対戦相手のライブラリーをすべて追放してしまう《Helm of Obedience》のいずれかとなる。
ジェイス以外の2枚は《悟りの教示者》でサーチ可能なのが強みでもある。
他にも《基本に帰れ》《拘留の宝球》、その他サイドカードなどにアクセス可能なこの教示者、唱えた時点で手札が1枚減っているというアドバンテージを損するカードではあるものの、対戦相手にとって致命的なカードをサーチするというのは、それを補うリターンがあるということを再認識させてくれるね。
マジックの楽しみ方は人それぞれ。速攻で終わらせたい人もいれば、その怒濤の攻めを受け流しつつゆったりとしたゲームプランに持ち込むのを好む人も。後者に属する方々にはこのデッキはうってつけだ。こういったデッキの同型対決は、どのようなカードをサイドイン・アウトするのか、なんてことを考えるのは古き時代の青いコントロールが好きだったファンには良い時間つぶしになるんじゃないかな。
一見無敵に見えるコンボを搭載しているが、あくまでダメージを防ぐのみであることに注意する必要もある。《引き裂かれし永劫、エムラクール》に殴られればパーマネントは食われるし、《苦悶の触手》によるライフ喪失は防げない。完全無敵はそう簡単じゃない、だからこそ目指したくなるんだろうな。
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