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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤黒ゴブリン(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:赤黒ゴブリン(モダン)
by 岩SHOW
君が新しい助手か、いや~待ちくたびれたよ。え、そんな話知らない? なんだ......いや、前の助手が怪我をして帰ってしまったものでね、てっきりその代わりが来たのかと......私はこの荒れ地でゴブリンたちの生態を研究している者だ。ふむ、今心の中でバカにしたな? まあいい、素人にはこの種の魅力はなかなかわからんからな。
ゴブリンは、この多元宇宙でも随一のアホな種族だと言われている。彼らは何も考えずに行動し、その行動の結果がどうなるのかは出たとこ勝負。その結果、命を落とす者も数知れず。貪欲さと無謀さとの化身で、粗野で醜悪な......ただ、どことなく愛嬌があるんだ。私はそんな彼らの魅力を伝えたいと思って、ここにキャンプを設営して観察しとるんだ。おぉ、ちょうど一団が出てきたぞ、ほらこの望遠鏡で見てごらん。
3 《山》 1 《沼》 1 《血の墓所》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《婆のあばら家》 1 《黒割れの崖》 4 《魂の洞窟》 2 《変わり谷》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの先達》 3 《軍勢の忠節者》 4 《蛙投げの旗騎士》 4 《金属ミミック》 4 《モグの戦争司令官》 3 《ゴブリンの群衆追い》 4 《ゴブリンの酋長》 4 《ゴブリンの熟練扇動者》 1 《群衆の親分、クレンコ》 -クリーチャー(31)- |
4 《霊気の薬瓶》 2 《ゴブリンの手投げ弾》 1 《立身 // 出世》 2 《密輸人の回転翼機》 -呪文(9)- |
2 《ヤスデ団》 3 《致命的な一押し》 2 《大祖始の遺産》 1 《破壊放題》 2 《粉々》 3 《血染めの月》 2 《立身 // 出世》 -サイドボード(15)- |
このモダンという大陸は、弱肉強食・さまざまな種族の争いが絶えず行われる、それはそれは厳しい環境だ。ゴブリンはこんな地にひっそりと生き続けている。普段は物陰でこそこそしているが、時に他の連中を圧倒し、生態系の頂点に駆け上がる爆発力を秘めている。侮っちゃいかんものの代名詞なのじゃ。
ゴブリンたちはそれぞれの役割と階級により形成された群れで戦う。見たまえ、1ターン目に駆け出した者がいるだろう。あれは先達だ。
《ゴブリンの先達》は戦いの始まりを告げる最初の一撃を刻むとともに、対戦相手のライブラリーの一番上のカードを公開してしまう能力を持っている。土地が公開された場合は相手の手札にこれが入ってしまうのだが、そうでない場合は相手のデッキの情報を知ることができる。偵察役も兼ねているわけだ。......まあ、この情報が何であれ、群れの答えは「殴る」しかない場合もあるわけだが。
先達に続くのは往々にして戦争司令官、あるいは旗騎士という階級の者たちだ。
《モグの戦争司令官》は1体の手下を引き連れて戦場へとやってくる。実はもう1体手下が配属されているんだが、そいつはサボっている。何せ戦争司令官は数を1までしか数えられないからな。サボっていたやつは司令官が死んだ時に、成り代わろうと後からやってくる。まあ、カード1枚でパーマネント計3枚分の働きをするから、群れの中では地味ながら優秀なもんだよ。
《蛙投げの旗騎士》は、ゴブリンの大好きな蛙を戦場に投げることで、ヤツらが巣穴から出てくるためのやる気を喚起する。ゴブリンたちはコストが{1}少なくなり、3ターン目には怒涛の展開が期待できるだろう。それまでこの旗騎士が生きていたらの話だが、除去されたのであればそれはそれで避雷針として仕事をしたということだ。
彼らの社会で高い地位についていると言えるのは酋長だ。
《ゴブリンの酋長》は非常に攻撃的で、自軍のすべてのゴブリンに+1/+1修整と速攻を与える。先に説明した旗騎士と、そして彼らの宝である《霊気の薬瓶》と組み合わせて、一気に大量のゴブリンを展開して大ダメージを狙うことができる。この酋長を絡めたビッグムーブを、いかに安全な状況で決めることができるか、それがゴブリンの群れを勝利に導くカギだ。
同じく高い地位にあるのは扇動者、それも熟練の技の持ち主だ。
ゴブリンたちは《ゴブリンの熟練扇動者》の声を耳にすると、巣穴から飛び出し、ジッとしていられなくなって衝動的に攻撃してしまう。仲間がどれだけやられても、毎ターンどこからともなくゴブリンがわいてくるのだ。また、本人も殺傷能力が高く、ともに攻撃に参加しているゴブリン1体につきパワーが1上昇する。《ゴブリンの群衆追い》という役職についているものも同じく、一緒に攻撃に参加しているゴブリン1体につきパワーが2上昇だ。面で攻める戦略の中に一点突破を可能とする大きな点を織り交ぜる、ゴブリンたちの戦術もバカにしたものではないぞ!
最近では何やら怪しげな金属製の生物を軍勢に加えている。あれは《金属ミミック》と呼ばれるもので、ゴブリンに擬態して群れに混ざり、ゴブリンを強化してやると同時に自身もゴブリン族のシナジーの恩恵を受ける。共生関係にあるようだ。
また、最近のゴブリンたちの間では、上の階級を目指すという意識が高まっているようだ。ゴブリンはタフネスが低いため、簡単に死んでしまう。また、《ゴブリンの手投げ弾》として自らを投げつけて爆死してしまうこともある。しかし彼らは、黒マナに基づいた呪術を用いて蘇る術を見つけた。《立身》、そして《出世》により、蘇ったゴブリンがパワー上昇と速攻を与えられてすぐさま攻撃に加わる。《ゴブリンの群衆追い》あたりを蘇らせて、文字通りの立身出世を狙いたいところだ。
この《立身》のタネとなるゴブリンを墓地に埋めるために、《密輸人の回転翼機》も用いられている。《タルモゴイフ》などで地上を止められても攻撃を継続させ、来るべき爆発に備えて墓地と手札を整えさせる。まさにゴブリンのための機体と言っても過言ではない! ゴブリンにもしっかりとあのような機械を操作する知能があるということに感動せんかね!? ......まあ、魚とか虫でも乗れるものだが。
どうかね、ゴブリンの生態研究に興味がわいたなら、今日からここで私の手伝いをしないか? ちゃんと国から給料は出るから安心したまえ、三食昼寝付き! 基本的にはここから見張っていて、何かあったら私を呼んでくれれば良い。どうかね......やった、素晴らしい! それじゃ早速よろしく頼むぞ!
(どこからともなく、《ゴブリンの手投げ弾》が降ってきた。ドカーン)
......こりゃまた新しい助手を見つけんとな。
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