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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:リアニメイト(レガシー)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:リアニメイト(レガシー)

by 岩SHOW

 ラスベガスへと旅立つ前日にこの原稿を書いている。アメリカ合衆国ネバダ州南部にある同州最大の都市、ラスベガス。砂漠の真ん中に突如として現れる大都会、豪華絢爛なホテルに煌びやかなショーの数々、そして血沸き肉躍るカジノ! いやぁ、楽しみである。

 ラスベガスで開催されるグランプリは毎度、何かしら特別なものである。黒ちゃん(我が盟友・黒田正城さん)と2人で行ったグランプリ・ラスベガス2015は、グランプリ本戦の参加者が8000人を超えたため、本戦を2つに分割。4000人規模のグランプリが同会場で同時進行で開催されるというワン・アンド・オンリーな週末となったのも記憶に新しい。

 今回のグランプリ・ラスベガスは、まさかの本戦3連打! 木曜日と金曜日を使ってのレガシー、金曜日と土曜日を使っての『アモンケット』リミテッド、そして土曜日と日曜日でモダン! 今回のマジック体験は週末に留まらない、1週間丸ごとグランプリ漬けだ!これは朝も昼も夜もなく、エンターテイメント尽くしの最高の旅行になりそうだ......ワクワクしてきた。

 とりあえずは初日のフォーマットがレガシーなわけだが......何を使うのかは悩ましい。キャラクター的には「ベルチャー」もOK、デッキ自体もベガスっぽくて良いんだけどもなぁ。《師範の占い独楽》+《相殺》の低マナ域ロックが環境を去ってコンボが成立しやすくなったのかと思いきや、打ち消し呪文多数に加えて手札破壊でこちらの行動を封じ、《秘密を掘り下げる者》を《昆虫の逸脱者》に変身させてバシバシ殴ってくる。開幕短期決戦も消耗戦も許さない「○○デルバー」の類のデッキが流行っているので、「ベルチャー」的には向かい風。

 そこで他のデッキも模索してみることにした。とは言っても、微妙な枚数調整などが大事なデッキを使うには練習が足りない。こういう時は自分がやりたいことを押し付けて相手を受け身にさせるデッキが良い。ただでさえカードもデッキもやんちゃなレガシー、押し付け圧殺するデッキで、かつ手元のカードで組めるデッキを......これかな。

Braden Crocco - 「リアニメイト」
StarCityGames.com Legacy Classic Louisville 16位 / レガシー (2017年5月21日)[MO] [ARENA]
2 《
3 《Badlands
1 《Scrubland
4 《血染めのぬかるみ
3 《湿地の干潟

-土地(13)-

1 《狂気の種父
4 《別館の大長
3 《グリセルブランド
1 《潮吹きの暴君
1 《エメリアの盾、イオナ

-クリーチャー(10)-
4 《水蓮の花びら
1 《金属モックス
4 《暗黒の儀式
4 《納墓
4 《信仰無き物あさり
4 《思考囲い
4 《再活性
4 《動く死体
4 《死体発掘
4 《集団的蛮行

-呪文(37)-
2 《フェアリーの忌み者
1 《嵐の神、ケラノス
1 《墓所のタイタン
1 《大修道士、エリシュ・ノーン
3 《要塞の計略
3 《血染めの月
4 《摩耗 // 損耗

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 「リアニメイト」だ! 大型クリーチャーを墓地に埋め、黒が得意とするリアニメイト(※1)系の呪文で釣り上げる! 一本釣り系コンボデッキである。

(※1:墓地のクリーチャーを戦場に戻すという効果を持った呪文や能力、それらを用いるアクションやデッキの総称)

 最近のこのデッキは黒と赤の2色で組まれることが多い。それが最も速度があり、そして安定しているのだ。クリーチャーを墓地に眠らせる下準備カードは、最も強力なライブラリーから直接探せる《納墓》に加えて、手札に来てしまったデカブツを捨てる《信仰無き物あさり》と《集団的蛮行》がある。

 1マナのドローとして、事故の緩和にも役立つ《信仰無き物あさり》が便利なのはもちろんのこと、《集団的蛮行》の強さには目を瞠るものがある。

 増呪コストで手札に来たデカブツを捨てて、対戦相手の打ち消しや除去のインスタントorソーサリーを捨てさせつつ、「リアニメイト」が苦手とする《死儀礼のシャーマン》を除去できる...点この便利さたるや、他の呪文の比にならない。まさしくリアニ界が待ち望んでいた1枚で、2016年夏からこれを手に入れた「リアニメイト」は随分と元気になった。

 釣り上げるデカブツの候補としては、ド定番の《グリセルブランド》はもちろんのこと、「エルフ」や「Death & Taxes」のような小型クリーチャーを並べるデッキを封殺する《大修道士、エリシュ・ノーン》(このデッキではサイドに回っている)、手札を落とす《狂気の種父》に、特定色の呪文のプレイを禁止する《エメリアの盾、イオナ》、そして後半の《納墓》などにバウンス効果を付随させて腐らせず盤面を支配する《潮吹きの暴君》と役者がズラリ。

 また、これ自身は釣り上げる対象に選ばなくても良いのだが、ゲーム開始時のコンボへの妨害を防ぐ《別館の大長》もしっかりと4枚。

 これをゲーム開始時に対戦相手に見せて《意志の力》を防ぎつつ、《暗黒の儀式》《水蓮の花びら》《金属モックス》から埋める呪文と釣る呪文を唱えて1ターン目に《グリセルブランド》降臨!なんて動きもできてしまう。もちろん、他にクリーチャーがいなければ釣ってしまっても悪くない働きをしてくれることだろう。

 最優先はダメージレースを制し、コンボのために減った手札を補充してくれる《グリセルブランド》であることは疑いようがなく、対戦相手のデッキ次第では他の候補に切り替えていくというスタイルだ。

 このリストではサイドカードが結構シブいね。対戦相手がクリーチャーを用いないタイプのデッキだった場合、《要塞の計略》は墓地を経由せずともクリーチャーを展開する、さしずめ《実物提示教育》のような役目を果たしてくれるだろう......それもたった2マナで!

 また、除去などが厳しいデッキ相手には《嵐の神、ケラノス》の雷を落とそう! クリーチャーとして釣り上げるが、信心を達成することはないこのデッキではただのエンチャントとなってしかも破壊不能。誰も触れられないまさしく神の如き存在となって、追加ドローか3点ダメージをもたらしてくれる。そんな状況になれば、後は適当にやっていれば勝てそう。

 う~む、「リアニメイト」良いね! 候補に入れておこう。ただこれが公開されるころには、僕が実際に何を使ったかはバレていることだろう。......今のうちにすんませんと謝っておいた方が良さそうだ。実際に使ったデッキについてはまた後日!

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