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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モダンアーキタイプ特集 第9回 「死の影」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モダンアーキタイプ特集 第9回 「死の影」
by 岩SHOW
モダン・ウォリアー候補生諸君、我々のトレーニングもいよいよ大詰めだ! 今日は夜間戦闘について学んでもらおう、ワクワクするか? 林間学校でキャンプファイヤーに行く時のような顔をしているなぁ楽しそうじゃないか!......今夜の相手はなめてかかると、本当に危ないぞ。《死の影》を用いた黒絡みのデッキを紹介だ。
影の餌食にならぬように......暗闇に潜む敵の正体を見極めろ! まずは「死の影ジャンド」から見てみよう!
1 《沼》 1 《森》 1 《草むした墓》 1 《血の墓所》 1 《神無き祭殿》 1 《踏み鳴らされる地》 4 《新緑の地下墓地》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《汚染された三角州》 2 《樹木茂る山麓》 -土地(18)- 4 《死の影》 4 《タルモゴイフ》 4 《通りの悪霊》 -クリーチャー(12)- |
4 《ミシュラのガラクタ》 4 《思考囲い》 4 《コジレックの審問》 4 《ウルヴェンワルド横断》 3 《致命的な一押し》 2 《タール火》 2 《ティムールの激闘》 1 《突然の衰微》 1 《終止》 2 《コラガンの命令》 2 《最後の望み、リリアナ》 1 《ヴェールのリリアナ》 -呪文(30)- |
1 《戦争の報い、禍汰奇》 3 《大爆発の魔道士》 1 《弁論の幻霊》 1 《イーオスのレインジャー》 2 《外科的摘出》 1 《致命的な一押し》 1 《虚無の呪文爆弾》 2 《集団的蛮行》 3 《未練ある魂》 -サイドボード(15)- |
元々、モダンで《死の影》を用いるデッキと言えば「Super Crazy Zoo」「死の影アグロ」「Suicide Zoo」などと呼ばれた、とんでもないパワーのクリーチャーを作り上げて開幕圧殺を狙うデッキが知られていた。そのデッキは《ギタクシア派の調査》禁止により、以前のような開幕ブン回りが失われてしまったことで力を失ってしまった。それと入れ替わるように台頭してきたのがこのジャンド(黒赤緑)カラー......にタッチで白を加え、色構成こそ近いがそれまでとアプローチを変えてきたこの「死の影ジャンド」だ。
このデッキは手札破壊から入る。《思考囲い》《コジレックの審問》で対戦相手の手札を確認し、テンポの良い動きを阻害したり、コンボパーツ、キーカードを抜いたり除去や手札破壊を落として露払いしたりしつつ、デッキを構成するさまざまなカードで自身のライフをすり減らしていきながら《死の影》に繋げる。
このクリーチャーをいかに早く出せるか? それが鍵であり、《死の影》デッキはこのためにフェッチ&ショックランドと《思考囲い》、そして《通りの悪霊》まで採用して、ガシガシとライフを払っていけるように作られている。自分のライフを減らすことが、対戦相手のライフを減らす最大の近道なのだ。
手札破壊から《死の影》という死のフルコース、しかし4枚しかないこの影を毎回きちんと引けるかというと難しいのも事実。そのための緑! そのための《タルモゴイフ》だ!
ちょうどBG系のトレーニングをしたところだが、このデッキは一見純粋な「ジャンド」に見える。手札破壊からのタルモ、この黄金ムーブをされた時にどちらのデッキか考えて立ち回らないといけないのは難儀な話だな。
緑の要素はタルモだけでなく、《ウルヴェンワルド横断》という万能サーチもこのデッキには重要なものだ。
これを唱えて来たら間違いなく「《死の影》ジャンド」だとわかるが、その時にはもう遅いな......君はサーチされた影に飲まれてしまうことだろう......《ティムールの激闘》の二段攻撃であの世行きだ! このサーチのためにライフ減少とともに昂揚達成を狙って全力で動いてくることだろう。《ミシュラのガラクタ》《通りの悪霊》はマナを払わずにそれを助ける優秀なカードだ。わざわざ《タール火》を用いているのもそのためだな。これは自分に向かって撃つことも割とあるぞ。
サイドボードに白いカードを積むのも定番となっている。同型はじめ、クリーチャーデッキや消耗戦に強い《未練ある魂》。「ストーム」のような呪文を多用するデッキへの対策《弁論の幻霊》、「親和」殺し《戦争の報い、禍汰奇》といったクリーチャーを1枚挿し......これらはウルヴェンワルドでサーチしよう。そして消耗戦にむちゃくちゃ強い《イーオスのレインジャー》! 《死の影》2体を引き連れてくる姿は、白なのに悪魔そのものだ!
1 《沼》 1 《島》 2 《湿った墓》 2 《血の墓所》 1 《蒸気孔》 4 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《沸騰する小湖》 -土地(19)- 4 《死の影》 4 《瞬唱の魔道士》 4 《通りの悪霊》 2 《黄金牙、タシグル》 2 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー(16)- |
4 《致命的な一押し》 4 《思考囲い》 2 《コジレックの審問》 4 《血清の幻視》 4 《思考掃き》 2 《稲妻》 2 《頑固な否認》 1 《終止》 2 《コラガンの命令》 -呪文(25)- |
2 《虚無の呪文爆弾》 2 《頑固な否認》 1 《儀礼的拒否》 1 《コジレックの審問》 3 《広がりゆく海》 2 《集団的蛮行》 1 《剥奪》 1 《終止》 2 《神々の憤怒》 -サイドボード(15)- |
こちらは緑ではなく青を採用した「死の影グリクシス」。青が入ることで手札破壊のみならず打ち消しも使えるという点でより相手への対応力は増している。が、このデッキではそこまで構えてどうこうしようというデッキではない。《血清の幻視》《思考掃き》を連打し、デッキを掘り進めつつ墓地を肥やして、《黄金牙、タシグル》《グルマグのアンコウ》という二大探査クリーチャーに繋げようというプランと、ライフを削って影プランを並行して行うデッキだ。
《汚染された三角州》などのフェッチランドと《思考掃き》による墓地肥しの速度は皆が思っている以上のもので、平然と2ターン目にタシグルを投下してきたりするぞ。気をつけろ、と言ってもどうしようもないことだな......軽量除去を《致命的な一押し》《稲妻》のみに固めてしまうとこういうデッキに対処できなくなる、ということは覚えておくと良いだろう。
《瞬唱の魔導士》×《コラガンの命令》のアドバンテージもりもりコンボもあるので、中長期戦も戦えるようになっている。
白を採用して《未練ある魂》を採用したり、赤を切って白にして《オルゾフの魔除け》という《死の影》と噛み合うカードを用いる「死の影エスパー(白青黒)」というデッキもある。
いずれも、ライフを減らす手段に付随して墓地を用いるという構築になっているので、これらのデッキに対抗しようとするのであれば墓地対策が有効な一手になるのかもしれないな。君のデッキに《燃え柳の木立ち》が入っていたりしたら、相手のライフを回復させ続けて《死の影》が戦場に出ない状況を作っても良いだろう。
1 《沼》 4 《湿った墓》 4 《汚染された三角州》 4 《血染めのぬかるみ》 4 《溢れかえる岸辺》 -土地(17)- 4 《死の影》 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《瞬唱の魔道士》 4 《通りの悪霊》 2 《黄金牙、タシグル》 2 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー(18)- |
4 《致命的な一押し》 4 《思考囲い》 4 《コジレックの審問》 4 《血清の幻視》 4 《思考掃き》 4 《頑固な否認》 1 《四肢切断》 -呪文(25)- |
3 《儀礼的拒否》 3 《払拭》 3 《虚無の呪文爆弾》 2 《はらわた撃ち》 2 《吸血の絆》 2 《鞭打つ触手》 -サイドボード(15)- |
「死の影グリクシス」から赤を抜いた青黒2色のデッキも姿を現した。《秘密を掘り下げる者》を採用した「死の影デルバー」とでも呼ぼうか。ただグリクシスでかつデルバー採用のリストも多くあるので、「死の影ディミーア」とか、まあ好きに呼んだらよろしい。
《秘密を掘り下げる者》の能力でライブラリーの一番上を見て、公開。変身した後にそのカードが今引きたいカードでない場合などに《思考掃き》で落としてドロー操作しつつ探査に繋げる......という動きが魅力的。これらで序盤は戦い、中盤にダメージレースでライフが減ったら《死の影》を投下して決着をつける......というのが主な動きになるな。色事故を起こさない、というのは悪くないセールスポイントだな。
ただその分、サイドボードはちょっと弱くなってしまう。グリクシスと見比べて、それを実感してほしい。赤や白はサイドボードに割けるカードが本当に強い。これだけは肝に銘じてくれ。対戦相手の土地を可能な限り確認すること! そこからサイド後、何が飛んでくるのかをしっかり見定めよう。
今日はこんなところで切り上げよう、疲れを残してもしょうがないからな。《死の影》を用いるデッキと対戦した際は、中途半端な攻撃は自分に死を招くと思った方が良い。無計画にとりあえず殴っとくか、という動きは相手に打ちごろの球をトスしているだけだ。残り13点以下は明確に、どう削るかを考えて......相手が勝手にライフを減らしてくれることで、存外リソースを割かずに削り切れる可能性もあるからな。そういうことを考えながら、やってみてほしい。負けても経験だ! それじゃあ、明日の最終トレーニングで会おう!
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