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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モダンアーキタイプ特集 第6回 コントロール大集結
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:モダンアーキタイプ特集 第6回 コントロール大集結
by 岩SHOW
諸君、土日はしっかり練習していたかな? SHOW軍曹だ! ヒヨッコたちにモダンの主要デッキを紹介し、立派なモダン・ウォリアーへと育て上げるデイリー・デッキ番外編、モダン・ブートキャンプ! 準備運動をしながら読んでくれ!
先週紹介したデッキは、どいつもこいつも攻撃的なものばかりだったな。モダンという環境は、ブン回りを持っているデッキを使うべきである!という格言がある。とてつもない速攻デッキが多数ひしめき合う、速さを競う世界であるとも言えるな。
ではそんな環境で、毎ターン土地を置いてゴーと宣言、呪文を打ち消し最後にフィニッシャーで小突いて勝つ......そんなコントロールデッキは立場がないのかというと......そんなことはない。断じてないぞ! ドカッと椅子に腰を下ろして、派手なアクションはないがコツコツとゲームを己の優位な状態に持っていく......そんなハードボイルドなゲームを遊ぶことだってもちろんできる。それ相応の覚悟が必要だがな......。
今日はコントロール特集だ! モダンのコントロールデッキの、まずは代表格を見てみようじゃないか!
1 《沼》 1 《森》 4 《花盛りの湿地》 1 《ラノワールの荒原》 4 《空僻地》 3 《幽霊街》 2 《発明博覧会》 2 《アカデミーの廃墟》 -土地(18)- -クリーチャー(0)- |
4 《オパールのモックス》 4 《ミシュラのガラクタ》 4 《古きものの活性》 4 《写本裁断機》 4 《洞察のランタン》 2 《グール呼びの鈴》 2 《伏魔殿のピュクシス》 2 《真髄の針》 4 《コジレックの審問》 3 《思考囲い》 2 《外科的摘出》 2 《突然の衰微》 1 《冥府の教示者》 4 《罠の橋》 -呪文(42)- |
2 《溶接の壺》 2 《墓掘りの檻》 2 《外科的摘出》 1 《自然の要求》 1 《真髄の針》 2 《集団的蛮行》 1 《突然の衰微》 1 《原基の印章》 2 《神聖の力線》 1 《幽霊街》 -サイドボード(15)- |
コントロール特集と言っておいて、最も異質なものを真っ先に紹介するのがモダン・ブートキャンプのスタイル! まあ、モダンでコントロールを名に冠するデッキで真っ先に思い浮かぶのがこのデッキだから、真っ当なチョイスだ。
このデッキの名は「ランタン・コントロール」! ハッキリ言おう、このデッキを作った人物はイカれている!《洞察のランタン》で対戦相手のライブラリートップ......すなわち次に引くカードを見ながら、引かれて嫌なカードがあれば《写本裁断機》《グール呼びの鈴》《伏魔殿のピュクシス》を使って墓地に置いたり追放したりして引かせない。なんともサディスティックなデッキだな。
どうでも良いカードは引かせてやる、いざとなればランタンを生け贄に捧げてシャッフルさせても良い。この作業を淡々と繰り返し、対戦相手のライブラリーが尽きるその時を待つ......どんだけ悠長なデッキなんだ!と思われるかもしれないが、これがなかなかどうして強いのだ。グランプリで優勝したこともあり、世界トップレベルの実力を持つプロプレイヤーの中にもこれを愛用する者がいるくらいだ。......とんでもない話だよな。
手札破壊で相手の出鼻を挫き、アーティファクトを展開した後《罠の橋》を貼ってゲームを膠着させる。そこからはランタンとライブラリー破壊による拷問の始まりだ。このデッキに一度捕まるとなかなか逃げることができず、そのまま押し切られてしまうことだろう。
ライブラリー破壊に強い《引き裂かれし永劫、エムラクール》がデッキに入っているから大丈夫? 向こうはそんなのお見通しで《外科的摘出》でぶっこ抜いてくるぞ!
このデッキに有効なサイドボード
- 思いつく限りのアーティファクト破壊すべて
アーティファクトに極端に依存したデッキであるため、これに触れないと話にならない。しっかり用意しておくことだ! まあ環境には「親和」なんかもいることだし、他のアーティファクトに依存するデッキを対策していればそれをそのまま流用できる。
またサイドボードとは異なるが、《罠の橋》で生き延びようとするデッキなので、クリーチャーでない勝ち手段を擁するデッキであればそれほど苦戦することもないだろう。ただ向こうもそれを考慮して《神聖の力線》をしっかりと採用しているので、これをぶち破るカードはしっかりサイドインしておくように!
5 《島》 2 《平地》 1 《神聖なる泉》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《天界の列柱》 2 《氷河の城砦》 1 《秘教の門》 2 《啓蒙の神殿》 3 《地盤の際》 2 《幽霊街》 -土地(26)- 2 《瞬唱の魔道士》 -クリーチャー(2)- |
4 《流刑への道》 2 《大祖始の遺産》 2 《呪文嵌め》 4 《広がりゆく海》 3 《マナ漏出》 2 《熟慮》 1 《否認》 1 《疑念の影》 2 《拘留の宝球》 3 《謎めいた命令》 3 《至高の評決》 2 《スフィンクスの啓示》 1 《思考を築く者、ジェイス》 1 《ギデオン・ジュラ》 1 《太陽の勇者、エルズペス》 -呪文(32)- |
2 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《払拭》 2 《天界の粛清》 1 《神聖な協力》 1 《否認》 1 《石のような静寂》 2 《機を見た援軍》 1 《世界のるつぼ》 1 《至高の評決》 2 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
伝統的なコントロールデッキが好きな人は、コントロール特集と聞いてこんなデッキを思い浮かべたんじゃないだろうか。待たせたな、「青白コントロール」だ! 青の打ち消しとドロー、白のパーマネント処理という古き良きコンビネーションで、ゲームを文字通り支配していく、巨大な戦艦のようなデッキである。安定感は抜群だ。
モダンともなれば、スタンダードでは考えられないほどの極上の呪文が集う。軽量打ち消しに軽量除去、そして相手の心を折るフィニッシャー......必要なものは全部ある。これらを駆使して、モダンにひしめくデッキたちの猛攻を耐え忍べ! 多くのアグロデッキは《スフィンクスの啓示》での大量ドロー&回復で心が折れて投了することだろう。一筋の希望を目指して全力を尽くす......ストーリー性のあるデッキだな。
この啓示の代わりに《祖先の幻視》をアドバンテージエンジンとして用いる型もある。どちらを使うべきか? これは好みによるところも大きいが、《予言により》の登場で後者を積極的に使っていくデッキが増えるかもしれない。
とりあえず青白のコントロールと当たったら、サイドボード後は除去を極限まで減らして(0枚にしてしまうと裏をかかれる危険もある)、クリーチャーやプレインズウォーカーといった有効なカードを1枚でも多くデッキに投入し(除去や打ち消しへの耐性があれば完璧だ)、手数で勝負する。あるいは《否認》のような打ち消し、《思考囲い》のような手札破壊など妨害手段を多数積んで、コントロールしきれなくさせて攻め切るプランを取るかというところだ。
青いコントロールなので《窒息》《沸騰》なんかが効きそうにも思えるが、実は島でない土地がこれでもかと含まれているため効果はやや薄い。かといって攻め手を削ってまで《血染めの月》を入れるのもちょっとなぁ......というところ。まあ相手の構成に依るところも大きいので、メイン戦で様子を見て臨機応変にやってみると良いだろう。とにかく攻め手を減らしてはいけない。
20 《冠雪の山》 2 《占術の岩床》 -土地(22)- 3 《永遠の災い魔》 2 《猿人の指導霊》 2 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》 2 《嵐の息吹のドラゴン》 -クリーチャー(9)- |
4 《精神石》 4 《稲妻》 4 《雪崩し》 4 《大祖始の遺産》 4 《神々の憤怒》 3 《血染めの月》 4 《槌のコス》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文(29)- |
2 《猿人の指導霊》 2 《真髄の針》 1 《黄鉄の呪文爆弾》 1 《破壊放題》 1 《汚損破》 2 《ドラゴンの爪》 2 《漸増爆弾》 1 《血染めの月》 1 《沸騰》 1 《塵への崩壊》 1 《粉砕の嵐》 -サイドボード(15)- |
8 《平地》 1 《山》 2 《聖なる鋳造所》 4 《乾燥台地》 4 《凱旋の神殿》 3 《岩だらけの大草原》 2 《宝石の洞窟》 -土地(24)- 4 《猿人の指導霊》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(5)- |
4 《稲妻のらせん》 1 《神聖な協力》 4 《血染めの月》 3 《神々の憤怒》 3 《神の怒り》 2 《排斥》 4 《虚空の杯》 2 《試練に臨むギデオン》 4 《先駆ける者、ナヒリ》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 2 《ギデオン・ジュラ》 -呪文(31)- |
3 《安らかなる眠り》 3 《石のような静寂》 2 《神聖な協力》 1 《神々の憤怒》 3 《沸騰》 3 《神聖の力線》 -サイドボード(15)- |
最後は最近ブームな赤いコントロールを2つまとめて。「氷雪コントロール(Sk-Red)」と「Sun & Moon」だ。モダンでは青よりもむしろ赤の方がコントロールカラーとしての役割を担っているんだ......というかモダンの赤はアグロにコンボにコントロールに、多彩だな!
赤がコントロールをやれる最大の理由は、《稲妻》《神々の憤怒》などの軽量で使い勝手の良い除去呪文と、《反逆の先導者、チャンドラ》を始めとする強力なプレインズウォーカー、そして基本でない土地をまとめて黙らせる《血染めの月》という3つの要素が合わさっているから、だな。
1つ目の「氷雪コントロール」は、《冠雪の山》を20枚も採用している見た目にもインパクトのあるデッキだ。こんな構築になっている理由は《雪崩し》を使いたいという、ただそれだけのためだ(ついでに《占術の岩床》の恩恵にもあずかれる)。1マナのインスタントで環境のクリーチャーにあらかた対処可能ってんだから、わざわざ氷雪土地を揃える価値はあるってなもんだな。
単色デッキなので、いわゆる色事故と無縁なのも素晴らしい。《大祖始の遺産》をメインから取っていることで「ドレッジ」のような墓地を用いるコンボデッキへの耐性を上げつつ、《永遠の災い魔》が死亡しても追放して何度でも蘇る肉壁となってくれる。このエルドラージは《神々の憤怒》で巻き込んでも問題ないので、心置きなくリセットかましていけ! 盤面を掌握できれば、あとは《槌のコス》がじっくりと着実にゲームを終わらせてくれることだろう。
2つ目のデッキは「Sun & Moon」、《血染めの月》と太陽のシンボルを持った白のカードとが組み合わさったデッキだ。海外では「RW Prison」と呼ばれたりもするな、Prison、すなわち牢獄に相手を閉じ込めるようにガチガチに盤面を固めるコントロールデッキということだ。
《血染めの月》と《虚空の杯》により対戦相手にやりたいことをさせない状況に持ち込み、出てしまったクリーチャーは赤と白の最高品質の除去で対処、あとは各種ギデオンに《先駆ける者、ナヒリ》まで加わったプレインズウォーカー陣で圧倒だ。
特にナヒリは、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を投げつける役目も担っている。白が加わったことでサイドボードが圧倒的に強くなっているのも無視できないぞ!
今回はコントロール大好きな諸君のためにザッと紹介させてもらった。正直なところ、コントロールデッキは他のデッキ以上に調整が必要なデッキで(ランタンは除く。あれは大体誰を相手にしても同じだ)、なぜなら仮想敵によって効くカードが変化するからだ。グランプリ当日に一体どのデッキが多く存在するのか、という読みを求められる。一人前のモダン・ウォリアーなら問題ないかもしれないが......初心者にはちと難しい。
なので、ここは近くにいる上手いプレイヤーに意見を求めよう。素直である、というのも戦士にとっては必要なファクターなのだ! 後はやっぱり、長丁場をフルタイム戦い抜くためには基礎体力が必須だな。というわけで、これから君たちには走り込みをやってもらおう。さあ出発だ、みっちり2時間走ってこい!
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