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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:死の影エスパー(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:死の影エスパー(モダン)
by 岩SHOW
死から逃れられない......という某映画シリーズがなかなか面白いので好きだ。ちょっとした未来予知で事故を回避したグループ、されど死は彼らを見逃さず、あの手この手で冥府に引きずり込もうとしてくる...息をもつかせぬ、いわゆるジェットコースター・ムービーというやつだ。興味があったら観てほしい。
なぜこんな話をしたのか、それはこの仕事のために現行モダン環境の有力デッキをぐるりと見まわした時に「死から逃れられない」という感想を抱いたからだ。先週、モダンは環境研究速度が緩やかなものになって、それまで勝つことのなかったデッキにもチャンスが巡ってきやすくなったという話をした。
いろいろなデッキが勝つようになって嬉しいことこの上ないのだが、それでも依然として高いデッキパワーを誇り環境の頂上付近を陣取るデッキというものがある。その中でもより高い地位を占めているのが、《死の影》を用いたデッキ群だ。
かつてその名を満天下に轟かせた「Suicide Zoo」は《ギタクシア派の調査》禁止により鳴りを潜めたが、「死の影ジャンド」や「死の影グリクシス」のような、別アプローチでこの1マナ高打点クリーチャーを運用するデッキが安定した成績を残し続けている。そして日々、続々と亜種を増やし続けている――僕らは《死の影》から逃れられない......。
1 《島》 2 《沼》 2 《湿った墓》 1 《神聖なる泉》 1 《神無き祭殿》 4 《汚染された三角州》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《湿地の干潟》 -土地(19)- 4 《死の影》 4 《秘密を掘り下げる者》 2 《瞬唱の魔道士》 2 《黄金牙、タシグル》 1 《グルマグのアンコウ》 -クリーチャー(13)- |
4 《血清の幻視》 4 《思考掃き》 4 《思考囲い》 3 《致命的な一押し》 3 《コジレックの審問》 2 《流刑への道》 2 《頑固な否認》 3 《オルゾフの魔除け》 1 《集団的蛮行》 2 《最後の望み、リリアナ》 -呪文(28)- |
2 《聖トラフトの霊》 1 《ヴェンディリオン三人衆》 2 《外科的摘出》 1 《墓掘りの檻》 2 《否認》 2 《石のような静寂》 1 《集団的蛮行》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《解呪》 1 《盲信的迫害》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
「死の影エスパー(白青黒)」まで誕生したってんだから、いよいよこの影からは逃げられない! このデッキは「死の影グリクシス」が「グリクシス・デルバー」が変形して誕生したように、モダンの初期から細々と存続し続ける「エスパー・デルバー」が《死の影》を取り入れて進化した姿である。グリクシス(青黒赤)に比べて今一つイケてないところがあってエスパーだが、ここに来て強デッキの仲間入りなるか......?
デルバー=《秘密を掘り下げる者》デッキが元ということで、デッキを構成しているのは《秘密を掘り下げる者》と相性の良いインスタント/ソーサリー群。ドロー・打ち消し・手札破壊・除去と軽量カードをズラリ。これらを公開して、すかさず掘り下げる者が《昆虫の逸脱者》に変身、対戦相手を妨害しながら3/2飛行でガリッガリッガリッと殴って勝つのだ。
その過程で、フェッチランドにギルドランドといったライフをすり減らす土地、《思考囲い》のようなライフ損失付きの呪文を用いて自身のライフは自ずと削れる。対戦相手とダメージレースになれば、あっという間に10点を切ることだろう。これを逆手にとって、1マナ5/5くらいのサイズで《死の影》を戦場に出してしまおうってわけだ。空は昆虫人間、地上は影。ホラーな世界観で攻めるというのも、なんとも好いたらしい。
他のクリーチャーはアドバンテージの塊《瞬唱の魔道士》に、探査持ち大型クリーチャーが2種。これらは《思考掃き》との相性が良い。フェッチランドと思考掃きから2ターン目に探査クリーチャーを出すブン回りパターンで圧殺、なんてこともある。デルバーデッキであり、探査デッキでもあることを忘れずに、対戦する際には注意したいね。
さて、このデッキの最大の見どころは......やはり《オルゾフの魔除け》!
魔除けサイクルでもマイナーな方に分類されるカードだが......これが《死の影》と噛み合いすぎている。1つ目のモードは置いといて、2つ目。対戦相手のクリーチャーを処理しながら、喜ばしいことに自身のライフが減少する! 自身から狙ってライフを減らすことができるのは《死の影》デッキにおいてはメリットとして機能する。ブロッカーを立ててライフもまだ安心、というところにいきなり二桁ダメージ!なんて展開に持っていけたら最高だ。
そして3つ目のモード......これもすごい。1マナ以下のクリーチャーを墓地から戦場に戻してもゲームに大きく作用することは少ないが、それが《死の影》ならば話は別だ。ズルッと釣り上げて対戦相手のアタッカーを無慈悲にキャッチ。返り討ちにしたら、ノーガードの脇腹に強烈なブローを叩き込め。上述の《思考掃き》とも相性がよく、これは《死の影》界の革命か? 最初に気付いた人に拍手。
完全なエスパーではなく、「死の影グリクシス」に《オルゾフの魔除け》と《未練ある魂》のためだけに白をタッチした型も最近姿を現し始めたという。もう、逃げられない......のであれば、運命を受け入れ、手なずけてしまうというのも手ではないか? 1か月後、神戸を影で覆うのは、あなたかもしれない......1か月もあればさらに進化してそうやなぁ。
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