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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:マルドゥ・バリスタ(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:マルドゥ・バリスタ(スタンダード)
by 岩SHOW
3 《平地》 3 《沼》 4 《秘密の中庭》 2 《乱脈な気孔》 4 《感動的な眺望所》 1 《鋭い突端》 1 《凶兆の廃墟》 4 《産業の塔》 2 《霊気拠点》 -土地(24)- 4 《スレイベンの検査官》 3 《模範的な造り手》 4 《屑鉄場のたかり屋》 2 《ピア・ナラー》 3 《大天使アヴァシン》 3 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(19)- |
4 《致命的な一押し》 4 《無許可の分解》 4 《キランの真意号》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -呪文(16)- |
1 《異端聖戦士、サリア》 2 《ゲトの裏切り者、カリタス》 1 《ショック》 3 《精神背信》 2 《燻蒸》 2 《グレムリン解放》 2 《隔離の場》 2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
こちらは先日のプロツアー地域予選を通過し、プロツアー『アモンケット』への切符を掴んだデッキの1つだ。以前、「マルドゥ機体」のプレイヤーごとのカスタマイズを紹介したが、その中でも軽く触れた「《経験豊富な操縦者》を抜いて《歩行バリスタ》を採用する」というアプローチで組まれたデッキだ。
バリスタの採用により、相手の低タフネスのクリーチャーに対処しやすくなっている。すなわち、機体同型に対して少し優位に立てる。また、マナを支払わずにプレイヤーに飛ばせるダメージは《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》コンボを抑止することもできる。何せ1点ダメージ飛ばすだけで止められるのだから、楽勝ってなもんだ。
これらのことができる無色のアーティファクト・クリーチャーか、占術2と機体のサイズアップ能力を持った赤白の2マナ3/1か......どちらがベストだというのはなんとも言い切れず、それはそのトーナメントが終わるまで分からない、トーナメントのデッキ分布次第といったところだ。
上述のプロツアー地域予選と、グランプリ・ユトレヒト2017ではバリスタ型が勝ち組となった。こっちではTOP8に2名、そして優勝。頂点を取っちゃったわけだ。これはいよいよ無視できなくなってきた......と同時にひとつ、はっきりさせなければならないことも浮かび上がってきた。
「これって機体デッキなのか?」
う~ん、違うね! 機体は《キランの真意号》4枚のみ、機体サポート関連のカードは採用なし。このようなデッキを我々はどう呼ぶべきか。英語版カバレージには「マルドゥ・バリスタ」と記載されていた。これでいこう。
2 《平地》 2 《沼》 2 《山》 4 《秘密の中庭》 4 《感動的な眺望所》 1 《鋭い突端》 1 《凶兆の廃墟》 4 《霊気拠点》 4 《産業の塔》 -土地(24)- 4 《スレイベンの検査官》 4 《模範的な造り手》 4 《屑鉄場のたかり屋》 2 《異端聖戦士、サリア》 4 《歩行バリスタ》 -クリーチャー(18)- |
4 《致命的な一押し》 4 《無許可の分解》 4 《キランの真意号》 4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 2 《反逆の先導者、チャンドラ》 -呪文(18)- |
1 《領事の権限》 3 《チャンドラの誓い》 3 《リリアナの誓い》 4 《グレムリン解放》 2 《先駆ける者、ナヒリ》 2 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 -サイドボード(15)- |
「マルドゥ・バリスタ」はより盤面のコントロールを重視した「マルドゥ機体」の亜種であり、《模範的な作り手》から始まるブン回りパターンで相手のライフを一気に押し切ることもできるが、そんなに序盤バタバタしなくとも良いデッキ。バリスタと除去でクリーチャーを捌いて、4枚しっかり採用された《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》に繋げれば大体勝てるだろうと。サイドには定番だった《反逆の先導者、チャンドラ》もメインに採用され、より重いマナ域で戦おうという意志がここからも汲み取れる。
特徴的なのはサイドボードだ。《先駆ける者、ナヒリ》《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》と2種類のプレインズウォーカーを採用。サイド後にはこれらのカードを足して、マルドゥ・ウォーカーズとでも呼びたくなるどっしりコントロールにシフト可能だ。
プレインズウォーカーを多数採用するデッキにシフトする、ということは......誓いサイクルを使えばその真価を発揮するってことだ。このデッキではクリーチャー除去でありながら、対戦相手のライフやプレインズウォーカーにダメージを与える手段にもなる《チャンドラの誓い》を採用。これは「コピーキャット」でもよく見るカードだが、さらに採用されたもう1種類が珍しい。《リリアナの誓い》だ。
対戦相手のクリーチャーを確実に葬る生け贄強要能力を用いて相手のクリーチャーを捌きつつ、プレインズウォーカーが戦線に加わるたびにお供のゾンビを呼び出す。このゾンビ、相手にすると結構厄介だろうなぁ。誓い→ギデオンと動かれた時のことを想像してみてほしい......うん、相手にしてる方は正直しんどい。ここに《キランの真意号》なんかも絡んでくると考えると......なかなかに鉄壁。ガッチリ籠城戦も楽しめそうで、こりゃ「マルドゥ機体」と同じデッキ扱いしない方が良さそうだなと。
これまでのスタンダードの歴史でも、ビートダウンから派生して、より中速のビートダウンを食えるデッキが誕生するという光景は何度か見られた。「マルドゥ機体」「マルドゥ・バリスタ」も、ここから別の道を歩んでいって、それぞれにさらなる進化をたどっていくのだろうか。グランプリ・静岡2017春の結果も楽しみだ。
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