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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ジェスカイ・コピーキャット(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ジェスカイ・コピーキャット(モダン)
by 岩SHOW
プロツアー『霊気紛争』にて、《サヒーリ・ライ》と《守護フェリダー》を用いた無限トークンを用いたコンボデッキは......上位入賞を逃した。プロツアー前に目立ったデッキは、いざ本番にて徹底的に叩かれる。「マルドゥ機体」を中心とした対抗勢力・対策カードの山を前にして、「Copycat」は敗退を余儀なくされた。このトーナメントで同デッキの2日目進出率は低く、初日にて大量に狩られてしまったのだった。
これはコンボデッキの宿命でもある。プロツアー『カラデシュ』でも似たような光景を見たものだ(まあ、《霊気池の驚異》デッキはTOP8に残れはしたのだが)。ここからが、「Copycat」の真価が問われる。スタンダード環境は移ろいやすいもの。君の手元にあるデッキが今後勝てないなんてことは、決してないのだ。諦めずに最適構築と使用するタイミングを待ち続けてほしい。機が訪れたら、撃ち抜け。土地6枚あれば決められる即勝利2枚コンボ、というのはそうそうあるもんでもない。
かつてモダンには、割とお手軽な2枚で即勝利なコンボデッキが存在した。《欠片の双子》(《鏡割りのキキジキ》)+《詐欺師の総督》(《やっかい児》)による無限トークンだ。カード2枚で合計7マナ、3マナと4マナの分割払いでOK、最速4ターン目に決められる。コンボパーツが少なくデッキ内の他のカードを圧迫しないので、《稲妻》や《謎めいた命令》といった優秀なカードで脇を固めて、《瞬唱の魔道士》なんかで殴り勝つプランも取れる「双子」デッキが栄華を極めたものだが......今はその姿を見ることはできなくなってしまった。
この双子コンボ、サヒーリ&フェリダーコンボと......よく似ているではないか。だったら、モダンで「Copycat」を組んでしまっても良いんじゃないか? 3色になってしまうという問題も、土地が種類豊富なモダンならば何ら問題なし。さあ、新時代の双子の姿を拝んでみようじゃないか。
3 《島》 1 《山》 1 《平地》 3 《蒸気孔》 1 《神聖なる泉》 1 《聖なる鋳造所》 4 《沸騰する小湖》 4 《溢れかえる岸辺》 1 《乾燥台地》 2 《硫黄の滝》 1 《氷河の城砦》 1 《僻地の灯台》 -土地(23)- 4 《瞬唱の魔道士》 2 《ヴェンディリオン三人衆》 4 《守護フェリダー》 2 《ピア・ナラーとキラン・ナラー》 -クリーチャー(12)- |
4 《稲妻》 4 《流刑への道》 4 《血清の幻視》 2 《呪文嵌め》 2 《マナ漏出》 2 《差し戻し》 1 《稲妻のらせん》 2 《謎めいた命令》 4 《サヒーリ・ライ》 -呪文(25)- |
2 《呪文滑り》 2 《太陽のタイタン》 2 《神聖な協力》 2 《否認》 2 《石のような静寂》 2 《神々の憤怒》 1 《拘留の宝球》 1 《至高の評決》 1 《仕組まれた爆薬》 -サイドボード(15)- |
ん~なんか懐かしいな。《稲妻》で焼いて《マナ漏出》で捌いて、そして《血清の幻視》で引き込む。まさしく「双子」デッキの動きだ。
これに《守護フェリダー》の関係で足された白いカードも加わる。以前にも、使えるカードの幅を広げるために白を足している構築は見られることがあった。懐かしのデッキを振り返る感覚で、このデッキを研究してみよう。
モダンの白い呪文、と聞けばまず思いつくのは? そう、《流刑への道》。文句なしの最強クラスの除去呪文、4枚採用!これで《稲妻》と併せて、1マナで多くのクリーチャーに触ることができる。
《血清の幻視》なんかでコンボパーツを探しながら、《差し戻し》も構えたいし除去もしたいという猛烈ワガママなこのデッキの願望を叶えてくれる1マナ除去。青赤から1色増やすだけの価値はあるぞ(トロンもこのカードのために白を足す時代だ)。
これに加えて、メインデッキおよびサイドボードにも白の誇るクリーチャー対処法がズラリ。「バーン」には《稲妻のらせん》《神聖な協力》のライフ回復が沁みる。「感染」には《神聖な協力》が呪禁もものともしない除去として機能し、横並びデッキには《神々の憤怒》と併せて《至高の評決》でドドーンと。対クリーチャーデッキは、これでダメならもうしょうがないというレベルのスタッフを揃えてあるね。
この分厚い除去と打ち消しでコントロールしつつ、隙があればクリーチャーも展開していきたい。フェリダー無限で勝てるデッキではあるが、それ以外のクリーチャーも採用した方が勝利につながるというもの。《瞬唱の魔道士》は除去や幻視を使いまわしてアドバンテージを稼ぎ、《ヴェンディリオン三人衆》は対戦相手の手札を攻める・相手のコンボを防ぎ、こちらのコンボを通す露払いになる。《ピア・ナラーとキラン・ナラー》は除去能力もあり、これ1枚でゲームに勝てるポテンシャルがある。
ここまで紹介してきたカード、すべてが戦場に出た時に誘発する能力を持っている。ということは、《守護フェリダー》で出し入れすると......美味しい。満腹だ。このデッキでは採用されていないが、《前兆の壁》を出し入れしてカードを引くのもおやつ感覚でパクパクいける。こうやってコンボパーツがシナジーを形成するカードでもあると、グダったゲームには強くなれる。なんらかの要素でコンボが詰み、とならずにアドバンテージを稼ぎながら殴るルートが残されている、良いことじゃないか。
《欠片の双子》禁止に泣いたプレイヤーには手に取ってほしいデッキだ。このデッキ、フェリダーだけではなく、サイドボード後は《太陽のタイタン》で手札破壊されたり打ち消されたサヒーリを釣り上げてコンボ始動、という手もあるぞ(挙動について詳しくは当コラム「サヒーリの誓い」をチェックだ)。どう、このフレーズで興味わいたんじゃないですか? さあ、組んで回して無限の猫で、対戦相手を毛玉まみれにしてやろう!
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