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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:サヒーリの誓い(ヴィンテージ)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:サヒーリの誓い(ヴィンテージ)
by 岩SHOW
どんなアイディアも無駄になるものではない。突拍子もない考えが今日の常識を作り上げてきた。皆も、思いついたことはしっかりと形にしてみるべきである。それがたとえ失敗作だったとしても、自分自身は納得できる。もしかしたら、世界のマスターピースとなれるかもしれない......
少しでもそんな思いが去来したのであれば、即行動! 名だたるコンボデッキたちも、元々ファンデッキだったものがほとんど。例えひな形でも、世に放てば強者がそれをデッキとしてブラッシュアップしてくれることもある。この情報社会なら、あっという間に君のアイディアが世界に広まる。皆で発明品を作り上げよう! 今こそ、その力を我らの手に!
今日のデッキは『カラデシュ』のプレビュー期間に皆が妄想したであろうコンボを中核に据え、デッキとして仕上げた逸品だ。そのコンボとは《サヒーリ・ライ》を用いたもの。
彼女の[-2]能力はクリーチャーかアーティファクトのコピー・トークンを作成するというものだ。この能力で、《太陽のタイタン》を複製する。
- 《太陽のタイタン》のコピー・トークンが戦場に出る。
- その能力が誘発し、墓地の3マナ以下のパーマネントを釣り上げる。この釣り上げるパーマネントを、もう1枚の《サヒーリ・ライ》にする。
- プレインズウォーカー・タイプを共有するプレインズウォーカーは1枚しかコントロールできないため、状況起因処理により既に戦場に居た方のサヒーリを墓地に。
- 新しいサヒーリの[-2]能力を使ってまたタイタンコピー→サヒーリ復活を繰り返すと......
- 6/6速攻クリーチャーを無尽蔵に作り出し、ゲームに勝利することが可能となる。
3枚コンボだが、ゲームに勝利することができるのであれば狙う価値はある!でもどんなデッキに入るのかわからない!というのが大方の意見であった。
そもそも《サヒーリ・ライ》が2枚墓地にある状態で6マナと重い《太陽のタイタン》を戦場に出す、という動きは狙ってできることなのだろうか。墓地を肥やしつつ大型クリーチャーを戦場に出すなんて......と、ここで終わらなかったプレイヤーがいたのだ。ヴィンテージならでは、あの1枚なら、この難関なミッションをクリアすることが出来るッッ。
1 《島》 2 《Tundra》 2 《Volcanic Island》 1 《Tropical Island》 2 《溢れかえる岸辺》 2 《汚染された三角州》 2 《沸騰する小湖》 3 《禁忌の果樹園》 1 《Library of Alexandria》 1 《露天鉱床》 -土地(17)- 2 《太陽のタイタン》 -クリーチャー(2)- |
1 《Black Lotus》 1 《Mox Emerald》 1 《Mox Jet》 1 《Mox Pearl》 1 《Mox Ruby》 1 《Mox Sapphire》 4 《精神的つまづき》 2 《師範の占い独楽》 1 《Ancestral Recall》 1 《渦まく知識》 1 《狼狽の嵐》 1 《思案》 1 《定業》 1 《太陽の指輪》 4 《ドルイドの誓い》 1 《古えの遺恨》 1 《内にいる獣》 4 《意志の力》 3 《噴出》 1 《時を越えた探索》 1 《宝船の巡航》 1 《撤廃》 3 《ダク・フェイデン》 3 《サヒーリ・ライ》 1 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(41)- |
3 《トーモッドの墓所》 2 《狼狽の嵐》 2 《自然の要求》 2 《剣を鍬に》 1 《紅蓮破》 1 《古えの遺恨》 1 《突然のショック》 2 《貪欲な罠》 1 《精神壊しの罠》 -サイドボード(15)- |
《ドルイドの誓い》だ。たった2マナのエンチャントで、条件を満たせばライブラリーをゴリゴリと掘り進んで墓地に置き、大型クリーチャーを直接戦場に出す。この誓いの下でなら、《サヒーリ・ライ》が2枚墓地にある状況で《太陽のタイタン》を戦場に出す、なんて造作もない。というわけで、ヴィンテージに古来より伝わる《ドルイドの誓い》デッキが、新たなるフィニッシャーとして選んだというわけだ。
《ドルイドの誓い》は、あなたのアップキープの開始時に自分よりも多くのクリーチャーを対戦相手がコントロールしていた場合、ライブラリーをバーッとめくっていってクリーチャーが公開されればそこでストップ、そのクリーチャーを戦場に出し、それまでに公開されたカードはすべて墓地に置く。
ヴィンテージにおいては、《禁忌の果樹園》がベストパートナーだ。1ターン目に各種Mox+果樹園で2マナ出して《ドルイドの誓い》を貼りながら、対戦相手に1/1のトークンをプレゼント。即ち、2ターン目に能力が誘発してドデカいやつが戦場に降臨するという寸法だ。
これまでは《潮吹きの暴君》《引き裂かれし永劫、エムラクール》《グリセルブランド》など名だたる怪物たちがフィニッシャーを務めてきたが、これからはこの《太陽のタイタン》feat.《サヒーリ・ライ》が新たなる顔となるかも? 上記のバケモンたちと違って、その場で勝利が決定するのは強みだ(《グリセルブランド》はそのまま大量ドローからの《苦悶の触手》フィニッシュが狙えることも)。
ただ、この《太陽のタイタン》ルートにも穴はある。早いタイミングで《太陽のタイタン》が捲れてしまった場合、サヒーリが墓地に揃わずにポンとタイタンが出てしまうだけ。それでも何かしらのパーマネントを戦場に出せれば十分に強いのだが......コンボが決まってこそ、というのはあるね。そんな時、2度目の誘発を促すために《禁忌の果樹園》に加えて対戦相手の戦場にクリーチャーを出させるカードとして、《内にいる獣》が採用されている。
万能パーマネント除去であるため、危険な軽量アーティファクトなどに満ちたヴィンテージでは良いお守りとなってくれることだろう。タイタン2号が戦場に出るころには、サヒーリが2枚見つかっているだろう。巨人軍団で対戦相手をかっ飛ばす、実に気持ちよさそうで、今一番狙いたいコンボに数えても良いね。
発売を控えた『霊気紛争』、果たして今回は《サヒーリ・ライ》のような発明の源泉は存在するのか? カードをしっかり確認したうえで、思いついたアイディアをデッキにすれば......新年の良いスタートダッシュになるかもね。
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