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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エルドラージ・ストンピィ(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エルドラージ・ストンピィ(レガシー)
by 岩SHOW
結局、エルドラージとは何だったのか。あの奇怪な生物の親玉であるウラモグとコジレックは破壊することに成功し、エムラクールはイニストラードの月へと(自ら)封じられた。久遠の闇から生まれ、次元とそこに住まうものを侵食する。その目的などは不明のままだが、それが多元宇宙にもたらす脅威はひとまずのところ収まった。
そう遠くない未来にこれらの怪物との決戦が再び、ということになりそうな予感もするが......そもそも、ニコル・ボーラスが封じられていたエルドラージを解放するように仕向けたのは何のためだったのだろう。ウギンはこれにプレインズウォーカーたちが集中することが彼の狙いで、まさしくその通りになったと言っていたが......。
いつか、エルドラージのすべての謎が解明されることを信じつつ......僕らプレイヤーのできることは、遺されたカードを使い倒すこと!これに尽きる。今日はレガシーにてこのエルドラージを使役するデッキをご紹介しよう。
振り返れば今年(2016年)1月に『ゲートウォッチの誓い』が発売されて以降、レガシーではこのセットが世に送り出した危険なエルドラージを用いた無色のデッキが大繁栄することになった。それまでも《古えの墳墓》《裏切り者の都》と2マナ土地から《虚空の杯》《三なる宝球》を展開して対戦相手がもたついているところを中・大型クリーチャーで撲殺する「~ストンピィ」というデッキは存在したが、それらは色付きのクリーチャーを用いるため、無色土地を大量に採用するという構成上「単色なのに事故る」というどうしようもない弱点を抱えていた。これを、無色で打撃力も高く、能力も素晴らしい《難題の予見者》《現実を砕くもの》など新たなるエルドラージらが解決。「エルドラージ・ストンピィ」は歴代でも最強レベルの無色デッキとして、この1年近く環境の最前線に陣取り続けているのである。これを前提に今日のデッキを見てみよう。
4 《霊気拠点》 4 《魂の洞窟》 4 《廃集落》 4 《古えの墳墓》 4 《エルドラージの寺院》 3 《ウギンの目》 1 《カラカス》 -土地(24)- 4 《エルドラージのミミック》 3 《変位エルドラージ》 3 《エルドラージの寸借者》 4 《難題の予見者》 4 《現実を砕くもの》 1 《希望を溺れさせるもの》 4 《果てしなきもの》 -クリーチャー(23)- |
4 《虚空の杯》 3 《アメジストのとげ》 3 《歪める嘆き》 2 《四肢切断》 1 《梅澤の十手》 -呪文(13)- |
3 《希望を溺れさせるもの》 1 《真髄の針》 1 《大祖始の遺産》 1 《アメジストのとげ》 1 《歪める嘆き》 4 《虚空の力線》 1 《殴打頭蓋》 2 《全ては塵》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -サイドボード(15)- |
皆さんお気づきのことかと思うが......色が足されている! 色マナを要求するカードを用いないことが強みだった「エルドラージ・ストンピィ」だが、ここに来て色マナは必要だが無色であるという欠色能力持ちのエルドラージを採用したデッキが、レガシーにて活躍の兆しを見せている。元々モダンでは「青赤エルドラージ」「バント・エルドラージ」と、欠色エルドラージを用いるデッキが活躍しているので、これらがレガシーにやってくるという可能性は大いにあった。
特に《変位エルドラージ》はレガシーでも能力起動までこぎつければ活躍するだけのポテンシャルは持っており、これを採用した「エルドラージ・ストンピィ」自体は存在していた。このデッキはそれに加えて《エルドラージの寸借者》《希望を溺れさせるもの》も採用している。3種類の欠色持ちのすべてが要求する色マナが違う......ということでマナベースが心配になってしまうが、そこはご安心を。『カラデシュ』が誇るハイスペック5色土地《霊気拠点》の参入がこの構築を可能にしてくれたのだ!
というわけで土地を見てみよう。《霊気拠点》は5色どの色でも生み出すし、無色マナも供給するというエルドラージの多色化をサポートするために生まれてきたようなカードだ。これと指定部族限定5色土地《魂の洞窟》、欠色カード限定5色土地《廃集落》が合わされば、3色以上の色マナと無色マナを要求するという願望もデッキとして具現化することができるというわけだ。
そしてこれらの土地を採用したことにより《裏切り者の都》は入れ替わりで抜ける形に。《希望を溺れさせるもの》で6マナ、そして《ウギンの目》起動コスト7マナと、大量のマナを要求するエルドラージデッキには、1~2ターン目の爆発力こそ素晴らしいものの、土地を並べる展開とは相性最悪なこの土地は不要なのかもしれない。あと《霊気拠点》は基本的にライフでコストを支払う《四肢切断》を、いざという時にマナで唱えられるようにしてくれる。地味ながら有り難いので、エネルギーの無駄遣いは禁物。
エルドラージたちに関しては「いつもの」という感想しか出てこない。《古えの墳墓》《エルドラージの寺院》《ウギンの目》から高速で展開して無慈悲にライフを削り取ってやろう。特筆すべきは《エルドラージの寸借者》か。
《実物提示教育》から《引き裂かれし永劫、エムラクール》を出して......と甘えたプランを取ってきた相手を、《魂の洞窟》からの打ち消せない寸借者でわからせてあげよう。《殴打頭蓋》や《タルモゴイフ》などなど、突っ立っているとなかなか攻撃しづらいクリーチャーをどかすだけでも十分強力だ。
この欠色採用型エルドラージは、無色のみで構成される「エルドラージ・ストンピィ」同型戦ではかなり優位に立ち回れることだろう。《変位エルドラージ》+《希望を溺れさせるもの》コンボが決まれば勝負アリィィ! 普段エルドラージを用いていて、最近同型戦が増えたなぁと思う方は試してみてほしい。果たして無色型の半歩先を行っているのか、それともそれ以上なのか? 眼前に迫ったグランプリ・千葉2016を勝ち抜くのは、どのようなエルドラージデッキなのだろうか?
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