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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ボロス・ウォーカーズ(モダン)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ボロス・ウォーカーズ(モダン)
by 岩SHOW
かつて、プレインズウォーカーとはちょっとした神のような力を誇っていた。大多数の旧世代プレインズウォーカーは5色すべての呪文を扱うことができた。彼らの魔力は無限であり、多くの者は死というものを超越して悠久の時を生きていた。現在のプレインズウォーカーはというと......そこまで強大な力を持つ者は減ってしまった(「時の裂け目の大修復」よいう一大イベントにより、多元宇宙全体が変質してしまったため)。
しかし、これにより恩恵を受けた者もいる。僕たち、地球に居るプレインズウォーカーだ。多元宇宙を旅するプレインズウォーカーたちはその力を弱めたけども、こちらの召喚に応じてくれるようになったのだ。
というわけで『時のらせん』ブロックを経て、『ローウィン』より新しい世代のプレインズウォーカーがカード化されるようになってからはや7年。プレインズウォーカー・カードは今や100に迫ろうかという種類が登場しており、それぞれの戦場で地球のプレインズウォーカーたちに手を貸してくれている。今日はモダン環境で、プレインズウォーカーたちの協力を得て勝利に向かうデッキを紹介しよう。「ボロス・ウォーカーズ」だ!
7 《平地》 2 《山》 4 《聖なる鋳造所》 4 《乾燥台地》 4 《凱旋の神殿》 2 《岩だらけの大草原》 -土地(23)- 4 《猿人の指導霊》 -クリーチャー(4)- |
4 《稲妻のらせん》 1 《ルーンの光輪》 4 《神々の憤怒》 4 《血染めの月》 4 《罠の橋》 3 《溶鉄の雨》 2 《神の怒り》 1 《軍勢の集結》 4 《虚空の杯》 2 《復讐のアジャニ》 1 《反逆の先導者、チャンドラ》 1 《遍歴の騎士、エルズペス》 1 《槌のコス》 1 《先駆ける者、ナヒリ》 -呪文(33)- |
2 《エイヴンの思考検閲者》 2 《天界の粛清》 2 《防御の光網》 2 《安らかなる眠り》 2 《石のような静寂》 4 《神聖の力線》 1 《沸騰》 -サイドボード(15)- |
ご覧の通りボロス(赤白)カラーのコントロールデッキであり、メインデッキで採用されているクリーチャーは《猿人の指導霊》4枚のみ。このデッキは6枚のプレインズウォーカー(と《軍勢の集結》)をフィニッシャーとして採用している。デッキのやることは無茶苦茶簡単。相手のクリーチャーを除去って(除去しにくいクリーチャー化する土地を《溶鉄の雨》で割って)、《虚空の杯》《血染めの月》《罠の橋》で妨害、プレインズウォーカーを戦場に出して後はゆっくりとフィニッシュへ向かうのだ。今日は採用されているプレインズウォーカーを解説していくことにしよう。
このカラーリングでプレインズウォーカーといえば、世代的には《復讐のアジャニ》が思い浮かぶ(余談だが、当時リミテッドで彼を引きまくって何度も勝たせてもらった)。[+1]能力は対象のパーマネントのアンタップ抑制。基本的には土地か、攻撃済みのクリーチャーを封じていくことになる。それほど強い能力ではないのだが、クリーチャー化する土地など対処の難しいパーマネントを封じられるのはGood。[-2]能力は《稲妻のらせん》だ。3点ダメージを与えて3点回復、これによりアグレッシブに攻めてくるデッキ相手に押された盤面とライフを盛り返すことができる。最も多く見られるのは、[+1]能力を一度挟んでの[-2]能力を2回使ってこのカードを使い切るという動きだが、余裕があれば[+1]能力を連打して[-7]能力をブチかましてやろう。さすがに土地をすべて破壊されれば対戦相手も投了せざるを得ないだろう。
続いては同じくボロスカラーで、新しい定番プレインズウォーカーとしての地位を確立した感のある《先駆ける者、ナヒリ》。モダンではよく《引き裂かれし永劫、エムラクール》と組み合わせてのワンショットコンボを狙うデッキを見るが......このデッキには先述のようにクリーチャーがゴリラしか採用されていない。なのでナヒリは、状況に即したカードを引くための[+2]能力要員となっている。状況によってはクリーチャーとエンチャントにも触ることができる。特にエンチャントを対処できるのはこのカードくらいしかないので、相手のデッキ次第では大事に使いたいところ。
《遍歴の騎士、エルズペス》は自衛用の兵士・トークンを生成しつつ、隙あらばその兵士をブン投げて対戦相手のライフを削りに行く。登場から永らく活躍し続ける1枚だが、今もなお現役で戦えるカードのようだ。あるいは同じエルズペスでも、一部のデッキを完封してしまう《太陽の勇者、エルズペス》を採用するのもアリだろう。更地に彼女が降臨した時の絶望感たるや。
《槌のコス》は《遍歴の騎士、エルズペス》の攻める姿勢を強化し、自衛能力を排除したようなカードだ。《罠の橋》と[+1]能力の相性は悪いが、これを2~3度起動した後に[-5]能力で紋章を得れば天下無敵だ。このデッキは山タイプを持つ土地の枚数が少なめなので、もっとコスの能力を活用することを考えてデッキを組むのであればその枚数を増やすように気を付けよう。コスよ、君は今も新ファイレクシアで戦い続けているのか......。
さて、お待ちかねの《反逆の先導者、チャンドラ》の番だ。初の能力4つ持ちの赤いプレインズウォーカーは、除去が優秀で《罠の橋》も使えるモダンでこそその真価を発揮するのかもしれない。このデッキでは基本的に[+1]能力を使い続けることになるだろう。この能力で得たカードを使って盤面を支配し、支配しきっている状況であれば対戦相手のライフを削っていく。その末に[-7]能力で紋章を得れば......あとは対戦相手が勝利のために繰り出してくるクリーチャーを除去しているだけで相手のライフがゴリゴリと削られていく。これ、無茶苦茶気持ちいいと思うので決めてみたい。ゴリラを唱えてトドメの5点! いざという時にはもう1つの[+1]能力でマナを得たり、[-3]能力でクリーチャー除去も可能だ。『カラデシュ』発売前に騒がれたチャンドラの良さ、モダンで爆発させてみたい!
これらのプレインズウォーカーを除去などのサポートと併せていち早く戦場に出すためのゴリラこと《猿人の指導霊》4枚なんだなと。赤と白が合わされば、クリーチャーを展開して殴る、真面目なデッキ相手にはそうそう負けることはないだろう。自分が参加するトーナメントに真面目派が多いのであれば、マジックの歴史を彩る主人公たちが勝利をもたらしてくれるこのデッキは使い得!かもしれない。
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