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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:検査官MUD(ヴィンテージ)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:検査官MUD(ヴィンテージ)

by 岩SHOW

 最新のスマートフォンにパソコンに...新型を手にしたくなるのが人の性だ。○○にはついにこんな機能が......なんて謳われたら、そりゃ使いたくなるってぇ! 最新鋭・最先端のものにしっかりと触れる、古き良きものも愛し続ける。何のジャンルでもこの精神が大事なんじゃないかなと。

 マジックも例外に非ず!最も古いカードを用いることができるフォーマット、ヴィンテージにおいて、最新セット『カラデシュ』のカードをたっぷり盛り込んだデッキが活躍していたのでここに紹介しよう。新旧アーティファクト夢の共演だ!

Rubén Xicota - 「検査官MUD」
LCV 2016 - September Edition 13位 / ヴィンテージ (2016年10月1日)[MO] [ARENA]
4 《Mishra's Workshop
4 《古えの墳墓
4 《ミシュラの工廠
4 《不毛の大地
1 《露天鉱床
1 《トレイリアのアカデミー

-土地(18)-

4 《電結の荒廃者
4 《ファイレクシアの破棄者
4 《鋳造所の検査官
2 《鋳造所の隊長
1 《磁石のゴーレム
4 《トリスケリオン

-クリーチャー(19)-
1 《Black Lotus
1 《魔力の墓所
1 《Mox Pearl
1 《Mox Emerald
1 《Mox Jet
1 《Mox Ruby
1 《Mox Sapphire
1 《太陽の指輪
4 《抵抗の宝球
4 《アメジストのとげ
4 《からみつく鉄線
1 《火と氷の剣
2 《領事の旗艦、スカイソブリン

-呪文(23)-
2 《ワームとぐろエンジン
4 《墓掘りの檻
3 《真髄の針
1 《虚空の杯
1 《三なる宝球
4 《虚空の力線

-サイドボード(15)-

 何よりも目を引くのは《鋳造所の検査官》4枚採用という思いきった構築。このデッキのベースは「MUD」と呼ばれるもの。先週これのレガシー版をご紹介したところなので、このデッキの定義を覚えてくれている方もいらっしゃるかと。「《金属細工師》による驚異的なマナ加速」が合言葉だったが......現在ヴィンテージで「MUD」と呼ばれるデッキには《金属細工師》の姿を見ることはほぼない。

 いつしか、各種Moxと《Black Lotus》に《Mishra's Workshop》でブーストして《磁石のゴーレム》などの強力なクリーチャーを最序盤から叩き付けるデッキのことを「MUD」として分類するようになっていたようだ。アーティファクトのみで形成されるデッキがこのタイプのものに集約していった、ということもあるだろう。

 そんな「MUD」に最新鋭のクリーチャーとして採用されたのが先にも触れた《鋳造所の検査官》。3マナ3/2、アーティファクトのコストを1マナ軽くする...確かに、「MUD」向けのデザインは施されているが......まずはこれを4枚採用したという発明への飽くなき探求心に拍手。実際に、このクリーチャーがどれだけこのデッキの動きを円滑にするのか、シミュレーションしてみよう。

先手1ターン目:

 ......鬼か! 3/2と打撃力のあるサイズでこれだけ展開を早める能力......おそろしや。もしかしたらこれからこのデッキの看板としてこの構築物が環境を闊歩するのかもしれない......そうなったら面白いなぁ。「MUD」はその強さゆえに《磁石のゴーレム》《虚空の杯》などキーパーツを制限カードに指定され続けてきた。この『カラデシュ』産の自動人形が程よい強さとしてデッキを引き上げてくれることを願うばかりだ。

 他に《領事の旗艦、スカイソブリン》も『カラデシュ』から参入した1枚。これも《鋳造所の検査官》らブースト班の働きですぐに戦場に出せるし、搭乗3の条件を検査官が満たしてくれるので運用も容易だ。3点ダメージを刻みながら6/5飛行で殴る、超絶パワーカードが飛び交うヴィンテージでも、それだけのアクションはなかなか見ることのできるものではない。

 《電結の荒廃者》はモダンの「親和」にて活躍する1枚だが、ヴィンテージでも最高のクリーチャーのひとつだ。ゲーム後半では各種マナ加速アーティファクトが不要になるので、それらを食べて打点に変換できる荒廃者はありがたい存在である。このデッキでは採用されていないが、軽量アーティファクト・クリーチャーを増やして《頭蓋骨絞め》と合わせて尽きぬアドバンテージを獲得し続けるとこの上なく気持ちが良い。

 このデッキでは、荒廃者が得たカウンターを《トリスケリオン》に電結能力で移植し、ロケットパンチを連打するプランが取られている。これも爽快感あふれるアクションなので、一度は体感してみてほしい! 『カラデシュ』にまだまだ埋もれているかもしれないヴィンテージ級のカードを探し当てるのは、君の役目かもしれないぞ!

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