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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:リアニメイト(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:リアニメイト(レガシー)
by 岩SHOW
面倒ごとは押し付けるに限る。押し付けられる側に回りたくないもの、可能な限り押し付ける側でありたいものだ。あれこれ考えて対処するなんて、しんどいからね......あ、マジックの話ね。仕事に関しては......押し付けられてもしょうがない時もある。そういうところで溜まったストレスを、こういうデッキで吐き出して解消してみるってのはいかがかな。
2 《沼》 1 《山》 4 《Badlands》 4 《血染めのぬかるみ》 2 《新緑の地下墓地》 -土地(13)- 2 《傲慢な新生子》 4 《猿人の指導霊》 4 《別館の大長》 2 《狂気の種父》 4 《グリセルブランド》 1 《潮吹きの暴君》 -クリーチャー(17)- |
4 《水蓮の花びら》 4 《暗黒の儀式》 4 《納墓》 4 《信仰無き物あさり》 4 《再活性》 4 《動く死体》 4 《死体発掘》 2 《集団的蛮行》 -呪文(30)- |
2 《フェアリーの忌み者》 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 1 《魅力的な執政官》 1 《エメリアの盾、イオナ》 4 《思考囲い》 3 《血染めの月》 3 《騙し討ち》 -サイドボード(15)- |
赤黒の「リアニメイト」デッキだ。リアニメイト系のデッキの歴史は長い。マジック黎明期に既に最古の釣り竿(※1)である《動く死体》を用いた「Animate Mix」なるコントロール寄りのデッキが存在していたという。
その後も「ミニオン・シュート」や「ゴジラ」(※2)といったデッキが絶え間なく登場し、墓地をテーマにした『オデッセイ』ブロックと大型クリーチャーにあふれた『オンスロート』ブロックを用いることができるスタンダードにて最盛期を迎える。
(※1:墓地からクリーチャーを戦場に直接出すカードの俗称。墓地に眠る大物を釣り上げる、というイメージより。釣り竿というとアーティファクトのようにも思えるが、これを担うのはもっぱらソーサリー。『テーロス』にて《エレボスの鞭》が登場した際には、多くのオールドファンが「能力も見た目もまさしく釣り竿!」と歓喜したとかしないとか)
(※2:このデッキについて今説明しろって?こういうのは後の連載のために取っておくのだ)
最近ではマナ・コストの大きいクリーチャー=それに見合う強さを持ったものとしてデザインされている。なので、それらを格安で戦場に出すことのできる釣り竿はデザインされなくなってしまった。クリーチャーがそれほど強くなかった時代には「リアニメイト」のデッキ名の由来にもなっている《再活性》のような1~2マナの軽量釣り竿があったものだが......まあ、現代にないのなら過去のそれらを用いて今を生きる怪物たちを釣り上げれば良いわけで。エターナル環境、特にレガシーでは「リアニメイト」は有力デッキとして存在し続けている。
特に『アヴァシンの帰還』にてクレイジー極まる大悪魔《グリセルブランド》がデザインされてからは......釣ってしまえば勝ち、というマッチも存在するほどで、以前に増してその地位を高めることになり、現在に至る。
現在の「リアニメイト」の主流は2種類。青黒と赤黒だ。青黒は《意志の力》《目くらまし》によって安全にコンボを決めに行くデッキで、それに対して本日ご紹介する赤黒はコンボが「決まる」ことを前提として全速力で走りだす豪快なものである。このデッキのカードをそれぞれの役割毎に分類すると......
- マナブースト:《暗黒の儀式》《水蓮の花びら》《猿人の指導霊》
- 墓地肥やし:《納墓》《信仰無き物あさり》《集団的蛮行》《傲慢な新生子》
- 釣り竿:《再活性》《動く死体》《死体発掘》
- 大物:《グリセルブランド》《狂気の種父》《潮吹きの暴君》
こんな具合にまとまる。マナブースト用のカードで1ターン目に2~3マナ用意して、それらを用いて墓地肥やしを使って大物を墓地に落とし、釣り竿で戦場に引っ張り出す。この4種類(墓地肥やしが《納墓》の場合は3種類)のカードが初手にあれば、1ターン目に《グリセルブランド》を釣り上げて強襲することも容易い。まずはこれらがある手札をキープするように心がけよう。回りさえすれば手札は勝手に補充されるので、ダブルマリガンくらいは恐れずに行っていきたい。
動かし方は非常に簡単。大物を釣ってから勝つのもこれまた簡単だ。最優先はやはり《グリセルブランド》。これを釣って3回殴ればゲームに勝ち、対処されようとも14枚ほどドローしてしまえば物量差で圧倒的に勝利することが可能だ。
他のクリーチャーは......《狂気の種父》は先手1ターン目で釣ってターン終了すれば、対戦相手は手札0で1ターン目を迎えることになる。このデーモンは6マナなので、《暗黒の儀式》などマナブーストから強引に唱えてしまうこともできちゃうのが魅力。《潮吹きの暴君》は対戦相手のパーマネントを戻すことで劣勢を跳ね返すこともできるし、毎ターン何か呪文を唱えて土地を手札に戻してちょっとしたロック状態に陥れることも可能だ。
最後は上記の4種類のカードに含めなかった《別館の大長》について解説だ。
これが手札にある状態でゲームを開始すると、対戦相手は最初の呪文を唱えるのに追加の1マナを要求される・支払えなかった場合は打ち消しだ。この能力によって、もし後手だった場合、対戦相手の《思考囲い》《死儀礼のシャーマン》のような嫌なカードを展開することを阻害し、また先手の場合でもこちらの呪文に対して《意志の力》が飛んでくることを防ぐことができる。そして、戦場に出てしまえばこれが案外鬱陶しい。対戦相手が軽量の呪文を多数唱えるコンボデッキだったりすると、手札にあるこれを釣るという選択肢も大いにあり得るのだ。
この豪快さは比類のないもので、勢いに乗れば大規模トーナメントで上位成績を残すことも可能だ。使う際は「俺のリアニメイトは後退のネジを外してある」くらいの、一歩も引かない前のめりな姿勢で臨みたい。ゴリゴリ仕掛けて面倒なクリーチャーを相手の目の前に叩き付けて、気分爽快の勝利を手にしようじゃないか。
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