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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:白黒天使コントロール(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:白黒天使コントロール(スタンダード)

by 岩SHOW

 伝説のパーマネントは、伝説だけあって戦場に2枚以上同時に出すことはできない。かつてはお互いの戦場で併せて1枚だけだったが、今ではこのルールも改められ、自身の戦場に1枚のみとなっている。伝説のクリーチャーの性能などは、過去のものに比べて格段に高いものとなっている。お互いにその伝説の存在を召喚して戦うのだ。確かに、強いクリーチャーをこっちだけが使えるっていうのもなんだかなぁというところだったので、この変更はこれで良かったと思っている。

 例えば、『異界月』にて登場した期待の1枚《折れた刃、ギセラ》に対して、こちらも同じカードで対抗できるというのはありがたいよね。今日紹介するデッキは、そんな強力な伝説のクリーチャーを軸にしたものだ。

Ronnie Ritner - 「白黒天使コントロール」
StarCityGames.com Standard Open Columbus 8位 / スタンダード (2016年7月23~24日)[MO] [ARENA]
8 《
5 《平地
4 《コイロスの洞窟
4 《放棄された聖域
4 《乱脈な気孔
1 《ガイアー岬の療養所

-土地(26)-

3 《折れた刃、ギセラ
2 《ゲトの裏切り者、カリタス
2 《サリアの槍騎兵
1 《大天使アヴァシン
1 《保護者、リンヴァーラ
1 《消えゆく光、ブルーナ

-クリーチャー(10)-
2 《強迫
4 《闇の掌握
2 《究極の価格
1 《神聖な協力
3 《骨読み
3 《破滅の道
1 《苦渋の破棄
3 《衰滅
2 《最後の望み、リリアナ
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス
2 《死の宿敵、ソリン

-呪文(24)-
2 《死の重み
1 《強迫
3 《精神背信
1 《集団的蛮行
1 《フェリダーの仔
2 《鞭打つ触手
1 《苦渋の破棄
1 《最後の望み、リリアナ
1 《骨読み
1 《次元の激高
1 《消えゆく光、ブルーナ

-サイドボード(15)-
StarCityGames.com より引用)

 前環境から根強い愛好家も多かった「白黒コントロール」。エルドラージ型やクリーチャーを1枚も搭載しない型など数タイプが存在するデッキだったが、『異界月』を迎えて新種が誕生。その名も「白黒天使コントロール」! デッキを構成する要素は、それら前環境のデッキとは変わらない手札破壊と除去で構成された土台に、フィニッシャーとなる天使たちを乗っけたものだ。

 《衰滅》や《強迫》で脅威を排除したら、《折れた刃、ギセラ》で反撃開始だ。序盤にどれだけライフを攻められても、このクリーチャーで攻撃すればガンガン回復していけるので、可能な限り耐えてから除去を用いるということを意識すれば良いんじゃないかな。これ1枚でサクッと勝ててしまうゲームだってあることだろう。プレインズウォーカーで勝つタイプの白黒コントロールの《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》と役割は近いが、よりダメージレースを制することに特化したフィニッシャーはこのギセラかなと。

 で、ギセラとくれば相方も忘れちゃいけない。彼女の妹にあたる、ブルーナだ。彼女は今回《消えゆく光、ブルーナ》としてカード化されている。彼女を唱えると、墓地にある人間か天使1体を戦場に戻すという能力が誘発する。5/7飛行に+αなら、7マナというコストも決して重くはない。ギセラが除去されてしまってもこれで釣り上げてしまえば良いし、このデッキには他にも《大天使アヴァシン》や《保護者、リンヴァーラ》も搭載されているので、戻すカードに困るということもなさそうだ。ギセラを戻せば、合体能力が誘発して《悪夢の声、ブリセラ》に溶け合う。こうなればもう、敗北よりも勝利の方が近くにある。

 上記の天使たちに加え《ゲトの裏切り者、カリタス》がフィニッシャーを担うのだが、これらのクリーチャーは皆、伝説である。ということで、このデッキで唯一の伝説でないクリーチャーが光る。《サリアの槍騎兵》だ。

 このクリーチャーは伝説のクリーチャーをサーチして手札に加える能力を持っている。これで、状況に合ったカードを引っ張ってきて戦おう!というのがこのデッキのコンセプト。往々にしてギセラを引っ張ってくると思うのだが、相手の戦場に大きく育った《搭載歩行機械》がいてこれを除去したいという場面だったらカリタスを、ギセラが既に墓地に落ちているという状況ではブルーナを引っ張ってくるという使い分けができるのは素晴らしい。本人も4/4先制攻撃と、地上を食い止めることもできるし攻勢に回っても頼もしい、ナイススペックだ。

 《最後の望み、リリアナ》が採用されているのも特徴。誰もが注目したこの3マナのプレインズウォーカー。[+1]能力はトークンをプチプチ潰したり序盤の相手のアタッカーを無効化し、[-2]能力は墓地が肥えることにはそれほど意味のないデッキとはいえ、このデッキの頼もしいクリーチャーを回収できるのはGood。[-7]能力は使わずとも勝てるデッキだとは思うが、一度はワラワラゾンビタイムを堪能してみたい。クリーチャー除去に長けた相手にはサイドからこのカードを増やして、この死霊の大群フィニッシュを狙うのかもしれない。

 新カードを主軸としつつも、《乱脈な気孔》や《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》など前環境でその強さを発揮した白黒コントロールの土台がガッチリ支えているこの「白黒天使コントロール」。黒田正城氏のようなエンジェル・マニアに是非使ってほしいデッキだ!

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