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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ナヤ・コントロール(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ナヤ・コントロール(スタンダード)
by 岩SHOW
マジックに関する仕事をするようになって......休まる暇がないなと、それが偽らざる気持である。自社イベントで実況し、記事を書いて、プロツアー行って実況し、日本に帰って記事を書いて、そしてグランプリ・東京2016と、流れるようにあれやこれや。目が回りそうである。トーナメントシーンを盛り上げようとしている人間が忙しいのであれば、そこでマジックを遊ぶプレイヤーたちもまた、流れゆく時間の中で戦っているんだろうなと......。
グランプリ・東京2016にて王者となった熊谷 陸もそんなプレイヤーの一人だ。プロツアー『イニストラードを覆う影』に参戦後、待っているのはMagic Online上で開催されるプロツアー予選(PTQ)。そこで彼が使用し、プロツアーの権利こそ勝ち取れなかったがTOP24に入賞したデッキはなかなかに独創的なリストで、個人的にはとても気になっていた。
5 《森》 5 《平地》 1 《山》 4 《梢の眺望》 4 《燃えがらの林間地》 1 《戦場の鍛冶場》 2 《鋭い突端》 4 《進化する未開地》 -土地(26)- 4 《森の代言者》 1 《死天狗茸の栽培者》 4 《不屈の追跡者》 3 《巨森の予見者、ニッサ》 4 《大天使アヴァシン》 2 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(18)- |
4 《ニッサの誓い》 2 《絹包み》 4 《停滞の罠》 1 《光輝の炎》 3 《先駆ける者、ナヒリ》 2 《炎呼び、チャンドラ》 -呪文(16)- |
2 《死天狗茸の栽培者》 1 《森林の怒声吠え》 1 《翼切り》 1 《絹包み》 3 《光輝の炎》 2 《邪悪な囁き》 2 《悲劇的な傲慢》 3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード(15)- |
「ナヤ・コントロール」とでも言おうか、緑白赤の3色から優秀なクリーチャーとプレインズウォーカーを集めた、パワーカードがスクラムを組んだ構成となっている。デッキリストの無敵感がたまらない。
ザッと見たところでは、2マナ3マナのカードで相手の攻勢を受けて捌いて、自分が有利な状態から4マナ以降のカードで蓋をする。《不屈の追跡者》《巨森の予見者、ニッサ》と変身後の《精霊信者の賢人、ニッサ》で継続的にカードを手に入れることができるので、青や黒にも息切れすることなく最後まで円滑に戦えそうだ。
蓋をするパワーカード群の中で目につくのは《先駆ける者、ナヒリ》。万能パーマネント除去であり、手札の質を向上させることができるアドバンテージエンジンであり、かつその[-8]能力で《龍王アタルカ》をサーチしてきて戦場に出せば、文字通り壊滅的な状況を生み出すことができる。このコンボは決めてみたいねぇ。
サイドボードは追加の除去と、よりアグレッシブに戦うデッキに切り替えるためのカードとに分かれている。注目カードは《邪悪な囁き》か。最近ではメインボードに採用しているデッキもチラホラと。相手のブロッカーを奪って殴って、タップ状態になったところでナヒリの能力で追放とかしてみたいものだ。《エルドラージの寸借者》を用いることが難しいマナベースのデッキだと、このカードが採用されるようである。「赤緑ランプ」の《世界を壊すもの》の返しで使いたい1枚。
このデッキリストを見るとメインに《死天狗茸の栽培者》が1枚採用されていたりと、現在進行形で調整がされている感を受ける。PTQでは惜しくもプロツアーの権利を得るに至らなかった「ナヤ・コントロール」であったが......
5 《森》 5 《平地》 1 《山》 4 《梢の眺望》 1 《要塞化した村》 3 《燃えがらの林間地》 2 《鋭い突端》 1 《戦場の鍛冶場》 4 《進化する未開地》 -土地(26)- 4 《森の代言者》 1 《エルフの幻想家》 4 《不屈の追跡者》 3 《巨森の予見者、ニッサ》 4 《大天使アヴァシン》 1 《保護者、リンヴァーラ》 2 《龍王アタルカ》 -クリーチャー(19)- |
4 《ニッサの誓い》 2 《絹包み》 4 《停滞の罠》 1 《光輝の炎》 3 《先駆ける者、ナヒリ》 1 《炎呼び、チャンドラ》 -呪文(15)- |
2 《死天狗茸の栽培者》 1 《ラムホルトの平和主義者》 1 《翼切り》 1 《絹包み》 3 《光輝の炎》 1 《邪悪な囁き》 2 《悲劇的な傲慢》 3 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 1 《山》 -サイドボード(15)- |
先述の通り、グランプリ・東京2016で優勝! 無事にプロツアー『異界月』の権利も獲得となったわけだ。MOPTQで使用されたものからの変更点は......
メインデッキ
- 《死天狗茸の栽培者》→《エルフの幻想家》
- 《炎呼び、チャンドラ》1枚→《保護者、リンヴァーラ》
サイドボード
- 《邪悪な囁き》1枚→《山》
- 《森林の怒声吠え》→《ラムホルトの平和主義者》
これらの細かな変更が、彼をグランプリ・チャンピオンへと導いたのだろう。実際に準決勝の1ゲーム目では《保護者、リンヴァーラ》が盤面を押し返すカードとして存在感を発揮していたようだ。
オリジナルデッキを入念に調整し、自分にしか組めない形のデッキでの優勝。デッキを作ることが好きな人間として、憧れてしまうなぁ。これをそのままコピーする、というよりはナヤカラーのクリーチャーとプレインズウォーカーでコントロールするというコンセプトを継承しつつ、皆も独自のバランスのデッキを組むべきだと思う。日本最大のスタンダード・グランプリのチャンプの下に続け!目指せプロツアー!
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