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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ゴブリン(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:ゴブリン(レガシー)
by 岩SHOW
グランプリ・東京2016という祭典が、この記事が掲載される頃にはもう始まっている(金曜日ですね)。土日の2日間で3000名近いであろうプレイヤーたちが火花を散らすグランプリ本戦が盛り上がるのはもちろんのことだが、それ以外にもグランプリにはサイドイベントというものがある。本戦のスタンダードをやっていないプレイヤーでも、モダン・レガシー・ヴィンテージ・リミテッド・統率者戦と......何でも遊べるからこそ祭典と呼ばれているのである。
今日はそんなサイドイベントでも複数トーナメントが開催される、レガシーのデッキを紹介してみよう。レガシーと言えば......最近は《秘密を掘り下げる者》《死儀礼のシャーマン》などの軽量クリーチャーを《Force of Will》などでバックアップする「4色デルバー」や、《師範の占い独楽》と《相殺》で相手の行動を封じてしまう「奇跡コントロール」、《引き裂かれし永劫、エムラクール》を《実物提示教育》《騙し討ち》で戦場に送り出す「Sneak Show」、少し前にこの連載でも取り上げた「エルドラージ・ストンピィ」といったデッキたちがひしめき合っている。
2007年くらいからレガシーというフォーマットに興味を持ち遊ぶようになった僕にとっては、このどれもが比較的新しいデッキであり、正直なところ馴染みは薄い。老害チックな発言になってしまうが、個人的には昔自分が使っていたデッキを最新のカードで強化することができる、というのがレガシーの魅力の1つだと思っている。なので、マジックを始めたばかりの頃にパックから飛び出てきたカードで一生懸命組み、『オンスロート』環境ではお世話になった、ある部族にフィーチャーしたデッキなんかは思い入れが強いね。古き良き「ゴブリン」の最新型を紹介しよう!
2 《山》 3 《Plateau》 1 《Badlands》 4 《樹木茂る山麓》 2 《血染めのぬかるみ》 4 《魂の洞窟》 4 《リシャーダの港》 3 《不毛の大地》 -土地(23)- 4 《ゴブリンの従僕》 2 《ゴブリンの群衆追い》 1 《モグの戦争司令官》 1 《火花鍛冶》 1 《棘鞭使い》 4 《ゴブリンの女看守》 3 《ゴブリンの戦長》 2 《宝石の手の焼却者》 2 《ゴブリンの酋長》 1 《ゴブリンの名手》 4 《ゴブリンの首謀者》 1 《群衆の親分、クレンコ》 1 《稲妻造り士》 1 《タクタクの潰し屋》 1 《ヤスデ団》 -クリーチャー(29)- |
4 《霊気の薬瓶》 1 《タール火》 3 《虚空の杯》 -呪文(8)- |
1 《猪牙のしもべ》 1 《稲妻造り士》 1 《タクタクの潰し屋》 1 《ヤスデ団》 2 《真髄の針》 4 《安らかなる眠り》 1 《叫び大口》 2 《紅蓮操作》 1 《摩耗 // 損耗》 1 《虚空の杯》 -サイドボード(15)- |
《ゴブリンの従僕》は対戦相手に戦闘ダメージを与えることに成功すると、手札のゴブリン・パーマネント・カードを直接戦場に出すことができる。これを1ターン目に出して攻撃をねじ込み、《包囲攻撃の司令官》のようなゲームを終わらせるゴブリンを展開しても良し。あるいはこれを嫌がって除去を使わせたら、それはそれで後続の《ゴブリンの戦長》のような強力なゴブリンが生き残る可能性が高まるので良し。この従僕を皮切りに、歴代の強力ゴブリンが集ったデッキだ。デッキの目的はゴブリンを並べて殴る、たったこれだけである。シンプル イズ ビューティフル。
このデッキのゴブリンたちは3つの役割に分担することができる。それぞれの役割を見てみよう。
1.「エンジン係」:《ゴブリンの従僕》《ゴブリンの戦長》《ゴブリンの酋長》(《霊気の薬瓶》)
これらのゴブリンは、他のゴブリンの展開を助けるものだ。先述の従僕はもちろん、《ゴブリンの戦長》もゴブリンのマナ・コストを減らして怒濤の展開を演出。《ゴブリンの酋長》はマナの踏み倒し的なことはしないが、速攻とサイズアップを与えてゲームの速度アップに貢献する。
また、ゴブリンではないがこのデッキの《霊気の薬瓶》は最重要カードの1つだ。3マナ、4マナと比較的重めなゴブリンをガンガン展開するのは土地だけでは難しく、《霊気の薬銀》あってこそゴブリンはその力を発揮できる。
2.「アドバンテージ獲得班」:《ゴブリンの女看守》《ゴブリンの首謀者》
3マナで好きなゴブリンをサーチする《ゴブリンの女看守》と、4マナでランダムではあるが複数枚のゴブリン・カードを手札に加えることができる《ゴブリンの首謀者》。この2種類のゴブリンが、ゴブリン・デッキの生命線である。
その状況に一番適した能力を持ったゴブリンをサーチしてきて戦い、手札が尽きる前に複数枚補充する。これら1枚さえあれば、どれだけ捌かれようが形勢の逆転は可能で、ゆえにこのデッキは代々「奇跡コントロール」のような全体除去を持ったデッキも物ともせず狩ることができるのだ。
3.「特殊任務担当」:《ゴブリンの名手》《棘鞭使い》《タクタクの潰し屋》《タール火》《ヤスデ団》など
ゴブリン・デッキには、特殊な能力を持ったゴブリンが複数種類1枚ずつ採用されている。それぞれクリーチャーが並ぶデッキを薙ぎ払い、エムラクールのような大型クリーチャーはバウンス、《殴打頭蓋》も叩き割って安心と、メタゲーム上に存在する様々なデッキに刺さるナイスゴブリンを採用しよう。《Goblin Wizard》とかシブいよ、激シブ。
大まかに分けるとこんな感じで、後は戦闘要員といったところ。これらのゴブリンを展開するのを《不毛の大地》《リシャーダの港》で相手を足止めしてサポートするというわけ。このデッキでは《虚空の杯》もメインから採用して、より相手の足止めに注力している。最近では赤白で組んで《スレイベンの守護者、サリア》をゴブリンの群れに紛れ込ませる形もあったが...全体除去を受ければ結局一緒に流れ去ってしまう脆さに加えて、見た目に美しくない(サリアは美しい女性だが、ゴブリンデッキにはゴブリンのみが採用されている方がデッキとして美しい。と思う)という点で、《虚空の杯》採用は良い選択だと思う。《アメジストのとげ》とは一長一短なので、その辺りはメタゲーム次第といったところか。
このデッキは割とまっとうな形ではあるが、例えば《鏡割りのキキジキ》から無限トークン・無限ダメージの必殺技を仕込んだタイプなども存在するので、この愛すべき部族の理想形を君の手で作り上げ、レガシーのトーナメントで輝かせてやってほしい。エルドラージなんざ新参部族、マジック最古の部族の力を見せてやろう!
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