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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エスパー・ドラゴン(スタンダード)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:エスパー・ドラゴン(スタンダード)
by 岩SHOW
スタンダードとは「変化するフォーマット」だ。年にエキスパンション・セットが4つ発売され、それによりスタンダードは使用可能なカードプールが拡がり続け、常に新鮮味あふれるゲームを楽しむことができる。そして、それらのセットが規定数に達した時......今ならば、3ブロック計6セットを超える時......ローテーションが発生する。最新のブロックが参入すると同時に、最古のブロックが押し出されて使用不可能になる。これにより、いつまでも特定のデッキ・カードが強いままのさばるということはない。時代を彩るデッキはあっても、その輝きは永遠のものではない。
ローテーション直後に毎度目にするのは、新セットのカードを大量に用いた全く新しいデッキの台頭と、それに対して前環境から比較的失うものが少なかったデッキが生き残り続けて歯向かうという構図。今回は前環境から残ったのは『タルキール龍紀伝』『マジック・オリジン』『戦乱のゼンディカー』『ゲートウォッチの誓い』。これらのセットのカードをメインに据えていたデッキは、新環境を迎えても生き延びることとなった。例えば、このデッキのように......
1 《平地》 5 《島》 3 《沼》 3 《大草原の川》 4 《窪み渓谷》 4 《詰まった河口》 3 《乱脈な気孔》 3 《進化する未開地》 -土地(26)- 4 《ヴリンの神童、ジェイス》 4 《龍王オジュタイ》 2 《龍王シルムガル》 -クリーチャー(10)- |
4 《シルムガルの嘲笑》 3 《闇の掌握》 2 《精神背信》 4 《苦い真理》 3 《忌呪の発動》 1 《苦渋の破棄》 1 《破滅の道》 2 《衰滅》 2 《オジュタイの命令》 1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》 1 《死の宿敵、ソリン》 -呪文(24)- |
1 《ゲトの裏切り者、カリタス》 1 《保護者、リンヴァーラ》 1 《強迫》 2 《否認》 1 《闇の掌握》 1 《精神背信》 2 《無限の抹消》 1 《鞭打つ触手》 1 《破滅の道》 1 《風への散乱》 1 《悪性の疫病》 1 《オジュタイの命令》 1 《闇の誓願》 -サイドボード(15)- |
「エスパー・ドラゴン」は失うものが少なかった。ドラゴンの名の通り、デッキにおける絶対的なフィニッシャーである《龍王オジュタイ》は健在。彼とドラゴンシナジーを形成する《忌呪の発動》《シルムガルの嘲笑》も同じく『タルキール龍紀伝』収録のためスタンダードに残留し、これを中心にエスパーカラー(青白黒)の除去・打ち消し・ドローを集めることで、前環境の同デッキとそれほど変わらないコントロールデッキを組むことがまだできるのだ。
とは言え、数は少なくとも損失は損失。《溢れかえる岸辺》《汚染された三角州》を失ったことで墓地のカードが増える速度は半減。《ヴリンの神童、ジェイス》がプレインズウォーカーとなる条件を満たすので簡単ではなくなったので、以前のように早いターンから変身してアドバンテージを稼ぐ、という使い方はできなくなってしまった。また、そのジェイスで何度も使いまわしていた《時を越えた探索》も時の彼方に去ってしまったため、ドロー呪文の枠はソーサリーでありライフも失ってしまう《苦い真理》が担っている。
前までは最少2マナでインスタントタイミングで撃てて、しかも7枚も見て好きな2枚を取れたことから考えると、大幅に弱体化したことは否めない。個人的には《龍王の大権》ももしかしたら使えるのかも、と思っているが......このリストでは、土地が詰まると苦しいデッキということもあってだろうか、ライフを犠牲にしてでも早いターンに唱えられるより軽い《苦い真理》を優先したようだ。このように、パーツごとに見れば弱体化しているのは紛れもない事実だ。
『イニストラードを覆う影』からの新カードは《詰まった河口》《苦渋の破棄》そして《死の宿敵、ソリン》だ。個人的には、この新たなるソリンがどれほどのものか気になるところ。
先述の《苦い真理》や《苦渋の破棄》《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》など、ライフを失うカードが少なくないデッキであるため、ソリンの[-X]能力でのライフ回復は有り難いことこの上ない。盤面を更地にしてしまえば、後は[+1]能力でアドバンテージを稼いで後続を捌き続けていれば、気が付けば相手のライフは0になっている、というコントロールデッキの理想の勝ち方を実現してくれる1枚でもある。このあたり、まだお試しで1枚、という形での採用となっているが、今後2〜3枚目が採用されるような方向にシフトしていくかもしれない。
いよいよ、プロツアー開幕。この「エスパードラゴン」のような既知のデッキが新たなる進化を遂げて再浮上するのか、それらを全く新しいデッキが蹴散らすのか。目が離せない、プロプレイヤーたちの決戦はコチラから観戦すべし! 僕も現地、マドリードに飛んで鍛冶友浩さん&浅原晃さんと実況を行います! 全力でプロツアーの魅力をお届けしていきますので、お楽しみいただけたらと。それでは本日の生放送でお会いしましょう!
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