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岩SHOWの「デイリー・デッキ」
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Titan Post(レガシー)
岩SHOWの「デイリー・デッキ」:Titan Post(レガシー)
by 岩SHOW
以前、レガシーの愛すべき愚直デッキについてご紹介させていただいた。この回では、レガシーのデッキは2つ以上の勝ち筋を搭載するのが当たり前の中、ストレートのみでメジャーリーグに挑むような姿勢のデッキを取り上げたわけだが......今回はその真逆、極太の勝ち筋を贅沢にも抱き合わせにしたデッキを紹介しよう。
そもそも、現在のレガシーのデッキはどのような第2の勝ち筋を用意しているものなのか、振り返ってみよう。まずパッと思いつくのが《死儀礼のシャーマン》。「グリクシス・デルバー」「エルフ」などのデッキでマナクリーチャーとして他のクリーチャーの展開をサポートしながら、いざとなればこれ1枚でライフを2点失わせる能力を起動しまくって勝ち、と万能な1枚。
他には「エスパー石鍛冶」「奇跡コントロール」などの《精神を刻む者、ジェイス》も代表的な1枚か。それぞれ《殴打頭蓋》や《僧院の導師》《天使への願い》というメインの勝ち筋に加えて、アドバンテージエンジンでありながら[-12]能力で対戦相手に敗北をもたらす強烈なプレインズウォーカーだ。
あとは「ベルチャー」の《ゴブリンの放火砲》以外の勝ち手段とか......語ろうと思えばいくらでも湧いてきそうなのでこの辺で。ともかく、クリーチャーで殴れない・対戦相手が呪文の対象にならない・墓地が封じられた......そういった事態に備えて、勝ち筋を増やすのは常套手段である。それでは、先にも述べたように焼き肉とすき焼きを同時に食らうかのようなハイカロリーなデッキを紹介しよう。
3 《冠雪の森》 1 《ドライアドの東屋》 1 《冠雪の平地》 2 《Savannah》 4 《吹きさらしの荒野》 1 《Karakas》 4 《雲上の座》 4 《微光地》 2 《ヴェズーヴァ》 2 《魂の洞窟》 1 《暗黒の深部》 1 《演劇の舞台》 1 《ウギンの目》 1 《Glacial Chasm》 1 《The Tabernacle at Pendrell Vale》 -土地(29)- 1 《老練の探険者》 2 《ムル・ダヤの巫女》 4 《原始のタイタン》 1 《絶え間ない飢餓、ウラモグ》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(9)- |
4 《輪作》 4 《師範の占い独楽》 2 《探検の地図》 2 《真髄の針》 3 《歪める嘆き》 2 《一瞬の平和》 3 《緑の太陽の頂点》 2 《精霊龍、ウギン》 -呪文(22)- |
1 《夜明けに歩くもの》 1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《ガドック・ティーグ》 1 《再利用の賢者》 2 《赤の防御円》 1 《安らかなる眠り》 1 《クローサの掌握》 4 《神聖の力線》 2 《Moat》 1 《ボジューカの沼》 -サイドボード(15)- |
ehhhがMagic Onlineのレガシーリーグで使用した「Titan Post」だ。Postが意味するのは、「神座」のタイプを持つ土地《雲上の座》と《微光地》の英名の末尾。
《雲上の座》は戦場に出ている神座1つにつき無色マナを1つ生み出す。これら神座土地に加えて《ヴェズーヴァ》でそれらをコピーすることで、実質12枚の神座を積んだデッキを「12post」と呼ぶ。最近では《ヴェズーヴァ》が減って12枚まではいかなかったりするので、それら神座土地をかき集める《原始のタイタン》から名前をとって「Titan Post」と称するようになってきている。
神座土地が複数並んで、溢れんばかりの無色マナで何をするのか?まずはやっぱり王道、絶対的フィニッシャー《引き裂かれし永劫、エムラクール》。15マナと莫大なマナを要求するが、このデッキでは数枚の土地で簡単に捻出してしまえる。他のエルドラージとしては《絶え間ない飢餓、ウラモグ》も採用されている。より出しやすく、パーマネントを2枚ぶち抜く頼れるヤツだ。これらのエルドラージのタイタンが採用されているのも「Titan Post」という名前に合っているね。このエルドラージという勝ち筋を支えるために、《ウギンの目》も採用されている。何度も言うが、これの起動コストの7マナなど容易いものである。
もう1つの勝ち筋は、それこそ愚直回で紹介した《暗黒の深部》+《演劇の舞台》の土地コンボである。15/15飛行を召喚できる上に、20/20飛行破壊不能まで地の底から呼び出せるとは......これは贅沢すぎる。例え《翻弄する魔道士》なんかでエルドラージでの勝利を封じ込められても、より高い打点の二の矢があるとは恐ろしい......。むしろ、こちらを先に対処させてから悠々と盤面を築いてエルドラージを叩き付ける、というのがこのデッキの狙いか。
エルドラージとマリット・レイジ、2つの破壊神を両立させているのは、デッキの肝である《原始のタイタン》であることを忘れてはならない。この巨人が戦場に出た時、そして攻撃した時に誘発する、ライブラリーから土地を2枚持ってくる能力があってこそ、1枚挿しの《暗黒の深部》《演劇の舞台》コンボは成立するし、神座からマナを伸ばしたりライフを回復してエルドラージに繋いだり......というこのデッキのやりたいことができるのだ。というか、6/6トランプルというスペックも十分にゲームに勝利することができるもので、これ自体が勝ち手段のようなものだ。変化球を活かすには、ストレートあってこそ。このデッキと相対する時は、何が何でもこの《原始のタイタン》に対処しよう。もちろん、使用する側もそう簡単には対処させまいと《魂の洞窟》なんかを使ってくるんだけどね......。
他にデッキを構成しているのは、《輪作》《探検の地図》の追加の土地サーチ枠、《一瞬の平和》《歪める嘆き》の生き延びるための枠、《緑の太陽の頂点》《師範の占い独楽》のサーチ枠、《真髄の針》という名の《不毛の大地》封じ、全体除去兼こちらも勝ち筋になる《精霊龍、ウギン》というラインナップ。
メインには白の要素はないが、サイドでは様々な対策カードが取られている。《赤の防御円》《Moat》《夜明けに歩くもの》あたりから、高速でライフを削られるのをかなり嫌がっているのが窺える。このデッキがリーグ戦で連続で好成績を残せたのは、そういったデッキが現状のレガシーには少なくなっているという証拠であるのかもしれない。
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