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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:シミック・アグロ(スタンダード)

岩SHOWの「デイリー・デッキ」:シミック・アグロ(スタンダード)

by 岩SHOW

 デイリー・デッキを担当することになって、以前にも増して「ちょっと変わった」デッキと、それを使用する粋なプレイヤーのことが好きになってきた。何せ、こうやって記事に書くネタを提供してくれるから......やっぱり皆、わざわざ記事を読むのであれば自分の認知していない・面白いデッキリストに関するものが読みたいのだ......僕自身がそうであるように。なので今回も、ネットの海を漂う面白そうなデッキをすくい上げてきた。スケジュールの関係で、グランプリ・ヒューストン2016の結果が出る前に書いたものであることを先に述べておく(このデッキが既に大舞台で大活躍、なんてことになっていたら恥ずかしい)。Magic Onlineのスタンダード構築リーグで5−0と全勝の結果を残した、Adamanteの「シミック・アグロ」だ!

Adamante (5-0) - 「シミック・アグロ」
Magic Online Standard Constructed League #1188456 / スタンダード[MO] [ARENA]
7 《
5 《
4 《伐採地の滝
4 《ヤヴィマヤの沿岸
1 《茨森の滝
3 《精霊龍の墓

-土地(24)-

4 《葉光らせ
4 《爪鳴らしの神秘家
2 《搭載歩行機械
4 《空中生成エルドラージ
4 《つむじ風のならず者
2 《狩猟の統率者、スーラク
4 《囁きの森の精霊
4 《希望を溺れさせるもの

-クリーチャー(28)-
2 《払拭
3 《巫師の天啓
3 《ゼンディカーの代弁者、ニッサ

-呪文(8)-
4 《ジャディの横枝
1 《ムラーサの緑守り
1 《ガイアの復讐者
2 《払拭
2 《軽蔑的な一撃
2 《否認
2 《垂直落下
1 《時を越えた探索

-サイドボード(15)-

 シミックという単語を久々に耳にした。これには《クラージ実験体》も喜びの+1/+1カウンターをばら撒いていることだろう。現行スタンダードの緑と青の優秀なクリーチャーをズラリと並べ、それらを《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》で強化するのがメインコンセプトだ。

 《葉光らせ》《爪鳴らしの神秘家》らマナクリーチャーを2ターン目に展開すると、対戦相手は緑を中心としたランプ・デッキかと錯覚することが多いだろう。その裏をかいて《狩猟の統率者、スーラク》《つむじ風のならず者》を3ターン目に展開できれば、相手の度肝を抜ける。これらのクリーチャーは自身の打点もさることながら、後続に速攻を与える、またはブロックされなくするというサポート能力が優秀だ。この援護を受け、敵陣に殴りこむのは......今や、モダンでも強力カードとしての地位を築き上げた《希望を溺れさせるもの》だ。5点のダメージを叩き込み、相手の攻撃はエルドラージ・末裔・トークンを生け贄に捧げてタップすることで封じ込める。

 あるいは、《空中生成エルドラージ》も生み出すこの末裔トークンたち、《つむじ風のならず者》《搭載歩行機械》が製造する飛行機械・トークン、《囁きの森の精霊》が呼び出す予示クリーチャーらを、前述の《ゼンディカーの代弁者、ニッサ》で強化して面で攻めるという戦略も取れる。他のスタンダードのデッキではなかなか見ない形でのダメージレースを仕掛けてくるデッキだ。

 なかなか見ない《巫師の天啓》が3枚採用されているのも特徴的だ。これだけクリーチャーが並ぶ構成になっていれば、莫大なアドバンテージをもたらしてくれることだろう。このカードは「獰猛」達成時にはパワー4以上のクリーチャー1体につきライフを4点回復させてくれるし、無色のクリーチャーが並びまくるので《精霊龍の墓》もシャレにならないライフを供給することだろう。とにかくダメージレースに強そうな構成で、中途半端なビートを仕掛けるデッキでは絶対に挑みたくない!

 『イニストラードを覆う影』発売によるローテーションで失うカードは少なく、同セットで青と緑のトークン生成カードが増えたりするとむしろ強化されそうなデッキだ。「青緑マッドネス」なんかで育った世代としては、3色ではない青緑のデッキはしばらく見なかったのでなんとなく応援したくなる。頑張れシミック!

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