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Mファイル『マジック・オリジン』編・パート2
Mファイル『マジック・オリジン』編・パート2
Sam Stoddard / Tr. Takuya Masuyama / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru
2015年7月31日
おかえりなさい! 前回は黒までのカードを見てきましたので、今回は赤から見て行きましょう。
それではまず演者の紹介です。
SM: ショーン・メイン/Shawn Main、『マジック・オリジン』のリード・デザイナー。
SPS: 私です! 『マジック・オリジン』のリードデベロッパー。
MJG: マーク・グローバス/Mark Globus、ゲーム・デザイン設計者。
AF: アーロン・フォーサイス/Aaron Forsythe、ビッグ・ボス。
EEF: イーサン・フライシャー/Ethan Fleisher、デザイナー。
DE: ダン・エモンズ/Dan Emmons、元デザイナー。
AP: アダム・プロサック/Adam Prosak、デベロッパー。
TJA: ティム・アーテン/Tim Aten、エディター。
BrH: ブライアン・ハーレイ/Bryan Hawley、デベロッパー。
KEN: ケン・ネーグル/Ken Nagle、デザイナー。
DOH: ダン・ヘランド/Dan Helland、デザイン・コーディネイター。
ID: イアン・デューク/Ian Duke、デベロッパー。
DH: デイブ・ハンフリー/Dave Humpherys、デベロップ・マネージャー。
MJJ: モンス・ジョンソン/Mons Johnson、「デュエルマスターズ」のデベロップ・マネージャー。
GSV: ガヴィン・ヴァーヘイ/Gavin Verhey、「Reconstructed」執筆者でありデザイナー。
Tabak: マット・タバック/Matt Tabak、ルール・マネージャーであり『マジック・オリジン』のリード・エディター。
DEL: デル・ロージェル/Del Laugel、リード・エディターでありマネージャー。
TML: トム・ラピル/Tom LaPille、元デベロッパー。
GT: ゲイリー・トンプソン/Gerry Thompson、元デベロップ・インターン。
NMD: ニック・デビッドソン/Nick Davidson、デジタル開発部の原理デザイナー。
MARO: マーク・ローズウォーター/Mark Rosewater、主席デザイナーでありこのセットのアドバイザー。
EVL: エリック・ラウアー/Erik Lauer、主席デベロッパー。
MaGo: マーク・ゴットリーブ/Mark Gottlieb、デザイン・マネージャー。
赤
《炎魔の精霊》
SM 9/30/13: 魅力的な{4}{R}3/1老練3アンコモンだったものを、より振れ幅が少ない{4}{R}3/2老練2コモンに。
NMD: 10/7/13: ええ、これは元々{3}{R}1/1老練4だった。でもそれはちょっと魅力的すぎた。
SM 10/9/13: うん、我々の脳は魅力で爆発するだろう。
SPS 1/8: ちょっと違う数字を試してみますぞ。
SPS 1/24: 2/3になりましたぞ。
SPS 2/3: {3}{R}になりましたぞ。
SPS 3/17: 2/2に戻しました。老練持ちとしては強すぎましたな。
SPS 3/27: 3/2の赤白オーラ/老練になりましたぞ。
SPS 7/23: 3/1になりましたぞ。
SPS 9/19: 3/2高名1になりましたぞ。
このカードを適正な強さにするのは苦労しました。最初は「完璧なタイミングの男」で、とても弱いけれども、一旦(多分完璧なタイミングで)高名になればとても強力というネタでした。このカードの問題点は、こういった振れ幅のあるカードはコモンではすごく楽しいというものではないどころか、全く楽しくないということでした。我々は高名2で機能するようにしようとし続けていましたが、3/2速攻高名1がもっと楽しいバージョンであることがわかったのでした。
《タイタンの力》
Del 7/14: 常磐木の地位へようこそ、占術さん!
これは私がこのセットに再録した最初の占術カードです。私はちょうどいい赤のコンバット・トリックを探して色々いじくり回していましたが、完璧に機能したのがこれでした。
《ゴブリンの群衆追い》
SPS 2/24: これを試してみますぞ。印刷されることになれば恐らくこのセット唯一のプロテクション持ちになりますな。 プロテクション(青)を取り除いたバージョンも可能です。それでもモダンではすごく強いでしょうな。
ID 3/13: モダンのゴブリン・デッキがどうなるかのためにFFLをやってみる価値はあるかもしれない。
AP 3/27/14: 強くないモダンのゴブリン・デッキは存在する。私はこれを再録しても深刻な問題は起きないと確信している。《分かち合う憎しみ》が抜ける。
Mago 4/7: プロテクション?
EVL 4/15: 恐らくモダンのゴブリンが求めているものですね :)
このカードは以前の基本セットでも試されましたが、プロテクションがそれを阻み続けました。しかし、色に対するプロテクションが基本セットとともに去って行くように見えたので、私はこれを再録することを自分の使命としました! お気に召してくれれば幸いです。
《瘡蓋族の狂戦士》
SM 11/10/13: 軽い赤の老練が必要だ。
SPS 2/24: 3マナにして速攻をつけました。ダメージは2点に上がりましたが、クリーチャーでない呪文だけですぞ。
ID 6/12: 美味い、糊つけて食え!
初期の4マナは面白かったのですが、大抵十分な大きさにならず、大きくなるのが遅すぎました。この3マナのバージョンは高名になってもブロッカーを唱えられるので全てのデッキに対しての強さは下がりましたが、スペル偏重のデッキに対してはより良い位置につきました。グルールにふさわしいカードです。
《溶鉄の渦》
SM 12/9/13: 調整版《突撃の地鳴り》ですぞ。
ID 2/15: この魅力的な効果の調整板は興奮するね、たとえ結局数字がどうなったとしても。
SPS 4/3: 唱えるコストを{R}に下げました。
ML 4/28/2014: これらの数字はいいね。機能するならいいところにあると思うよ。
MJJ 6/18: これ+《強引な採掘》はすごそうだね。
ID 7/3/14: もしくは《一日のやり直し》とか。
《突撃の地鳴り》は素晴らしいカードですが、{R}{R}{R}はちょっと唱えづらく、そして起動コストは我々がスタンダードで求めているよりも少し軽すぎました。デザインから引き継いだものは{2}{R}で起動コストが{R}でしたが、マナ・コストを{R}に下げたことで、《突撃の地鳴り》と比較できる位置にあるように感じられるカードになりました。
《心酔させる勝者》
SPS 4/4: 新しいカードです。《焼け焦げたルサルカ》は入れ替えないといけなかったので。
SPS 4/7: 飛ばしすぎますな。小さいやつ限定で他のクリーチャーのコントロールを奪うやつになりましたぞ。
GT 4/17: 自分に速攻を与える能力は必要?
DH 7/3: カワイイね。
TJA 8/20: おお、勝者! 私はゴブリンと結婚したんだ!///
SPS 10/13: 人間・戦士に変更ですな。人間・いい男はまだ存在しないクリーチャー・タイプですぞ。
TJA 10/20: 彼がアブザンに転職したと聞いて。
《心酔させる勝者》はプレイテスト名でしたが、発注したアートが戻ってきたとき、彼はすぐに勝者を実際の名前として獲得しました。我々は彼の名前が勝者であることによるアイデアを十分に楽しみ、彼は勝者というわけではなくても、それを残したままにしました。時には、物事は正にそのように機能しました。
《マグマの洞察力》
SPS 4/1: 新しいカードです。
DH 7/3: 欲張りなプレイヤーはこれ持って負けるかもしれないな。
SPS 8/18: アンコモンに格上げしましたぞ。
私は最初《苦しめる声》をこのスロットに入れたかったのですが、そのカードは『タルキール覇王譚』にあり、そのブロックからのカードを使うことができなかったので、新しいアートを必要としました。その後そのカードは『タルキール龍紀伝』に収録され、限度を超えてしまいました。私はこのスロットのための新しいカードを探し始めました。{R}で土地でないカードを捨てカードを2枚引くのでは恐らくエターナル・フォーマットで大変なことになるのは分かっていたので、土地を捨てることを試してみました。私はこの効果を気に入っていますが、これをコモンのままにするととても多くのプレイヤーがリスクを犯して結果的に負けていくので、デイブは正しかったのです。
《空荒らしの巨人》
SPS 6/9: 新カードです。蜘蛛はお呼びじゃないですぞ。
BrH 7/22: {3}{G} 4/3と{3}{R}4/3到達が両方あるのは超おかしいよ。
SPS 7/28: 4/2に下げました。あとあの{3}{G}4/3は没ですぞおおおおお。
SPS 8/21: 4/3になりました。
Del 11/5: どうやって基本セットで赤いカードに到達をつけるのかしら? (開発部wikiのカラー・パイへのリンク)
SPS 11/6: デベロップは赤のカラー・パイに到達を入れることに興味を持っていますぞ。これはそのテストというわけですな。
果敢と威迫をキーワード能力のリストに加える議論をしているときに、赤には到達のような能力が求められていて、それによってただ除去するよりもより多くのやり取りできるところを持てるかもしれないということが話題に上がりました。私は最初《針先の蜘蛛》から始めましたが、クリエイティブが赤に到達をつけるのは良さそうだが、蜘蛛を赤に移すのはしっくりこないと指摘してきました。私は赤の到達がタフネスよりもパワーが高いことで異なる働きをして、緑とは異なっているというアイデアを気に入っています。
これは定着するでしょうか? 分かりませんが、私はそう願っています。
緑
《大オーロラ》
SPS 3/20: 穴埋めからの新カードが来ましたぞ。
MR 4/02/14: 極めて赤らしい効果だが、フレーバーは素晴らしいので多分拡大解釈も可能だろう。土地の効果を助けている。
SPS 7/3: ライフを得る効果を削除。うまくいけばゲームが実際に終わりますぞ。
SM 7/20: クール。
フレーバーはそのカードのテキストを正当化するのに役立つことがあります。このような『ローウィン』の物語での重大な出来事を現したカードは素晴らしく、このデザインはまさにピッタリの雰囲気です。
《ガイアの復讐者》
BrH 8/11: サム、寛大なる魂を持つものよ、どうか我らに暴虐なる青黒の君主に立ち向かう勇者のごとき兵士を与えたまえ。
FFLでは青黒コントロール・デッキがとても強く、《ガイアの復讐者》はそれに苦しめられている他の多くのデッキに対抗手段をもたらしました――それは最初から意図されたものだったのです。
《野性の本能》
SPS 2/14: 古い《捕食》の代わりのインスタントの捕食ですぞ。
KEN 3/12/2014: 『マジック・デュエルズ・オリジン』向けに、これはニッサが唱えた場合いい感じになるようにしたい。《捕食》はガラク感に溢れてるよ。ガラクは今何かを殺すための黒い呪文をもってる。
SPS 3/25: ソーサリーになりましたが+2/+2がつきましたぞ。
エルフは緑の格闘と上手く機能しないので、『マジック・オリジン』で問題のあるアーキタイプでした。それはつまりこのカードはある種の緑のデッキでは本当に、本当に強く、そして他では本当に、本当に弱いということでした。これは普通除去にとって良いことなのですが、緑の除去がそれしかない場合、その除去はもっと汎用的でなければなりません。+2/+2は緑のデッキ全てがこれをプレイできることを保証するのに十分であり、これでリミテッドの全ての緑のデッキは機能する十分な除去を持ちました。
《地底街のトロール》
SPS 1/24: 《ウルフィーの報復者》は私が満足するよりもちょっと強いのです。
SPS 3/27: 再生コストを3マナに上げましたぞ。
KEN 4/14/2014: 「{2}{G}:ターン終了時まで、[カード名]は破壊不能を得る。」にするべきなんじゃないの?
SPS 8/24: 再生コストを{1}{G}に下げましたぞ。
SPS 9/5: 再生コストは{2}{G}になりましたが、唱えるコストは{1}{G}になりましたぞ。
再生は常磐木能力として我々が多く話し合ったものです。新しいプレイヤーからすれば納得しづらいのでこれは奇妙なものでした。これは死んだ状態から再生しているのではなく、全然死んでいないのです。既にそんなキーワード能力があります――破壊不能です。我々は時々再生を没にすることについて話し合いましたが、再生という名前がトロールやスケルトンにあることが、破壊不能よりもフレーバー的にもゲーム上のやり取りでも筋が通っているので、これだけ長く生き残ってきたのです。
《ドゥイネンの精鋭》
SPS 4/15: 新しいカードですぞ。
SPS 9/5: エルフを得るのが{G}になりましたぞ。
SPS 10/8: 新しいやつを試してみますぞ。2/2で他のエルフがいたら1/1が出ますぞ。
オリジナル・バージョンは「[カード名]か他のトークンでないエルフ1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、{1}{G}を支払ってもよい。そうしたなら、1/1のエルフ・クリーチャー・トークン1体を戦場に出す。」でした。これだと多く動けないので、起動コストを{G}にしたら突然本当に壊れてしまいました。素敵なのですが、我々はレガシーやモダンのエルフ・デッキを簡単にする必要はありませんでした。この新しいバージョンはスタンダードのビートダウンでより良く、もしかしたらエターナル・フォーマットでも居場所が見つかるかもしれません。
《議事会の自然主義者》
SPS 4/3: 誘発がよろしくなかったので新バージョンになった《踏み吠えインドリク》ですぞ。
私は《踏み吠えインドリク》の大ファンなのですが、その誘発型能力は「してもよい」ではなく自分のものも対象にすることができ、我々の求めているものではありませんでした。そこで我々はその代わりに利点しかない新しいバージョンの《踏み吠えインドリク》を作りました。発展万歳!
アーティファクト
《アルハマレットの書庫》
SPS 4/28: 穴埋めの結果ですぞ。
Tabak 4/28: これはわざとコストやドローステップに影響しないようにしているのでしょうか? そうだとは思いますが、このテンプレートはひどいもんです。《加護の反射》と《思考の反射》を参照のこと。
KEN 4/29/2014: 《スフィンクスの啓示》、君がいなくて寂しいよ。
MJG 5/15/14: 面白い!
SPS 6/19: 最初は伝説として作られました。これが2つ戦場にあるのはある意味良かったですな。
KEN 7/14/2014: ルーターなんかでこれを見つけて余分なやつを捨てるとヤバそうに見えるね。「{X}を支払う」をつけると普通になるけど構築レベルにはならなくなるかな?
SPS 7/16: 今の書式は「Magic Online」上で問題がありますな。《Chains of Mephistopheles》風にターンの最初のドロー以外にする必要があるかもしれませんな。将来のMファイルでこの行を読むのが待ちきれませんぞ。
SM 7/20: この置換効果は相手の《穢れた療法》とどう作用するの?
SPS 8/7: まずいですな。
コメントなしでお送りします。
《戦の角笛》
TJA 11/13: オリジンの軍旗 :B
これもコメントなしでお送りします。
土地
《領事の鋳造所》
SM 12/13: 〈gizmo factory〉と入れ替え。
SPS 1/1: 飛行機械を高空に変更ですぞ。
SPS 2/6: 飛行機械は地上のやつもブロックできるようになりましたぞ。
KEN 2/12/2014: これ以外に勝ち手段のないコントロール・デッキをプレイしたい? 《不死の霊薬》でしか勝てないよりはマシだと思う。
Tabak 2/17: 《不死の霊薬》をクリーチャー化して殴って勝つデッキを思い浮かべてしまいましたよ。
SPS 2/27: 生け贄に捧げて飛行機械を2つ出すようにしましたぞ。
KEN 5/12/2014: 「プレインズウォーカーを守る」義務を果たすことは誇らしいね。
元々のバージョンのこれは起動がもっと重く飛行機械が1つしか出ませんでしたが、生け贄には捧げていませんでした。これはこれが強そうに見える人と、これが弱そうに見えることに不満をもつパワー・レベルに知識のある人の両方をいらつかせました。これはあるべき素晴らしいところにあるとは言えません。その代わりに、我々はこれを生け贄に捧げて、しかし盤面により大きな影響を――どちらの側の人々も満足させるようにしました。
今週はここまでです。来週はマジックのデベロップに関するさらなるお話をお送りします。
それではまた来週お会いしましょう。
サムより (@samstod)
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