READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

セレズニア天使:決戦の後、天使がやってくる(スタンダード)

岩SHOW

 戦いは終わった。『ミラディンの傷跡』から続いた新ファイレクシアとそれに侵攻された次元との戦いは『機械兵団の進軍』で終結し……マジックで初めてのエピローグ・ブースター『機械兵団の進軍:決戦の後に』がリリースされた。特殊な形式でリリースされたパックなので一体何なのかあまりわかっていない方もいらっしゃるかもしれないが、平たく言えば、『機械兵団の進軍』の中に収まり切らなかったカードが入っているって感じだね。スタンダードを経由する本流と呼ばれるセットの中でも、歴代最小の全50種類。エピローグ・ブースターにはカードが5枚封入と、とてもコンパクトなセットである。

 決戦を終えてプレインズウォーカーの多くは次元を渡ることが出来なくなり、また各次元間には以前にはなかった繋がりが生まれ、これまでとはまた違った混迷の時代を迎えそう……そんな予感を抱かせる、独特なセットに仕上がっている。かつてプレインズウォーカーだった者が伝説のクリーチャーになっているものが印象的だが、それ以外にもスタンダードにちょっとしたスパイスとなりそうなカードが盛り込まれており、各カードの可能性を模索するのはデッキビルダーを志す者にとって有意義な時間になることだろう。というわけで今回からはこの新セットの1か月後にリリースされた“追い”新セットも参入した各構築フォーマットのデッキを紹介しよう。早速だがリストから!

MTGABrewLab - 「セレズニア天使」
スタンダード (2023年5月15日)[MO] [ARENA]
4 《低木林地
4 《剃刀境の茂み
4 《草茂る農地
1 《皇国の地、永岩城
1 《耐え抜くもの、母聖樹
6 《平地
4 《
-土地(24)-

4 《希望の源、ジアーダ
4 《大都市の改革家
4 《セラの模範
3 《祝福の泉、シガルダ
4 《鋼の熾天使
-クリーチャー(19)-
4 《骨化
3 《星界の再誕
2 《救済の波濤
4 《ゴバカーンへの侵攻
4 《ドミナリアへの侵攻
-呪文(17)-

-サイドボード(0)-
AetherHub より引用)

 

 スタンダードの「セレズニア(白緑)天使」!主役の座を務めるのは、装いも新たにやって来た《祝福の泉、シガルダ》 だ。スタンダードには人間に関する能力を持った彼女が既に存在しているが、今回のものは人間は勿論のこと、自身のタイプである天使と組み合わせても強いカードとしてデザインされている。

 彼女が戦場にいる限りライブラリーの上のカードを見てよく、それが人間や天使であればそこから唱えられる。手札が切れがちなクリーチャーデッキにおいてこれは嬉しいアドバンテージ源。さらにそこから唱えた人間や天使、或いは手札などから展開した別のタイプも含めて、クリーチャーらはまとめて呪禁を持つ。まずはシガルダを除去せねば《喉首狙い》のようなカードでクリーチャーを除去できなくなるため、こちらが優位にゲームを進めていける。この呪禁はパーマネント全てに適用されるため、《骨化》や各種バトルらもしっかり守護。流石優しさのシガルダだ、単体除去など何でもないぜ。

 というわけでこのシガルダを取り入れた白ベースに緑を足した新しい天使デッキが構築できるようになった。《希望の源、ジアーダ》から3ターン目シガルダという動きは中々強そうだ。除去耐性の上がった《鋼の熾天使》もなかなかやばそうだ。

 シガルダに加えて、白緑のデッキを組むのを後押ししてくれるのは《星界の再誕》。このインスタント、なかなか凄いことが書いてある。

 緑特有の墓地のパーマネントを再利用する呪文であるが、そこに白が加わったことでリアニメイト要素も加わった。パーマネントを墓地から手札に戻せるが、それが3マナ以下なら直接戦場へ。ジアーダなどの相手の各種妨害により墓地に送られやすいもの、《光盾の陣列》として生け贄に捧げた《ゴバカーンへの侵攻》などなど、これで戦場に戻して嬉しいものが揃っているので、シガルダでライブラリー・再誕で墓地と、リソースを味わい尽くしたい。3点回復というおまけもついているので、アグロデッキに攻められてやむなしブロックで墓地に送ったクリーチャーなどを再展開しつつ、反撃に移れるだけのライフを確保して窮地を乗り切ろう。

 新カードは多色だけではない、単色の天使として《大都市の改革家》にも要注目!3マナにして能力もりもり4つ盛り!2/3飛行&警戒とディフェンシブ寄りな攻防一体系の1枚で、これがダメージを受けるとその値分のライフを得られる。赤単のようなダメージ呪文で除去を行うデッキには効果的だ。《稲妻の一撃》でどかされてしまっても、カード1枚と3点分のライフを稼いでくれれば上出来である。

 そしてこれが重要、プレイヤーに呪禁をもたらす!これがもたらす恩恵……そう、プレイヤー自身を対象に取っている《絶望招来》を受けなくなる!この改革家が2体以上並べば、かなり硬い盤面になる。黒系デッキの招来に悩まされる日々とはもうオサラバか?除去されて墓地に落ちても《星界の再誕》で釣り上げれば問題なし。インスタントなのを活かして、《絶望招来》などがプレイヤーを対象にして唱えられたのに対応して改革家を蘇らせれば、それはもう実質的に打ち消し呪文になる。この組み合わせはなかなかやりそうだな。

 50種類と少な目ながらも天使周りの新カードが結構そろっている『機械兵団の進軍:決戦の後に』。皆も白緑の天使デッキなど組んでみてはどうだろう。これまでカードが足りなかったカラーリングやアーキタイプに選択肢がもたらされたのは嬉しいことだね。白緑の新カードは意図的かもしれないが色々多いので、スタンダードの全カードリストを改めて見直してゼロからデッキを作ってみよう!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索