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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

エニグマ・ヨーリオン:1マナ「リング」の可能性(パイオニア)

岩SHOW

 《力線の束縛》ってカードは凄いことが書いてあるよなぁ。

 6マナで土地以外のパーマネント追放のエンチャント。「リング」と形容される除去の最新モデルだ。

 リングとは白がこの手のパーマネントでパーマネントを対処するようになった除去の先駆けである《忘却の輪》のこと。以後、さまざまなセットでそれぞれの環境に合わせて調整が施されたリングの仲間が増えていった。

 最先端のリングはなんと瞬速付き! 6マナと重いからそれぐらいのオマケはまあアリかなと思いきや、真面目にこのコストを全額払う必要もない。自身がコントロールする土地の基本土地タイプ1種類につき{1}軽減される。つまり《ラフィーンの塔》1枚で平地・島・沼の3タイプを満たせるのでコストは計3マナ。元祖リング同等となる。3マナで相手のターンやら戦闘中やらにリングが飛んで来たら、こりゃヤバいぜ。

 《ジアトラの試練場》など複数タイプを持つ土地をいくつか並べれば、白マナ1つで唱えるのだって夢じゃない。

 《力線の束縛》はスタンダードでもかなり強力だが、トライオームやショックランドなど、複数のタイプを持つ土地が充実した環境ならもっと簡単に1マナ除去として運用が可能! たとえばパイオニアだと、こんな5色デッキで使われているぞ。

andrw1232 - 「エニグマ・ヨーリオン」
Magoc Online Pioneer Preliminary #12473583 4勝0敗 / パイオニア (2022年9月16日)[MO] [ARENA]
1 《
1 《平地
1 《
3 《寺院の庭
1 《繁殖池
1 《踏み鳴らされる地
2 《神聖なる泉
2 《湿った墓
1 《蒸気孔
2 《神無き祭殿
1 《聖なる鋳造所
1 《血の墓所
4 《ケトリアのトライオーム
3 《ラウグリンのトライオーム
1 《インダサのトライオーム
1 《サヴァイのトライオーム
1 《ゼイゴスのトライオーム
1 《ジアトラの試練場
3 《陽花弁の木立ち
2 《森林の墓地
1 《マナの合流点
-土地(34)-

1 《神憑く相棒
1 《霊気の媒介者
1 《エメリアのアルコン
1 《無神経な血魔道士
1 《玻璃池のミミック
1 《闇叫び
1 《秋の騎士
1 《月恵みのクレリック
1 《スカイクレイブの亡霊
1 《セラの模範
1 《スカラベの神
1 《狼の友、トルシミール
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン
1 《産業のタイタン
-クリーチャー(14)-
4 《岩への繋ぎ止め
4 《ナイレアの存在
4 《野望の試練
3 《海の神のお告げ
4 《鏡割りの寓話
1 《ケイヤの誓い
4 《奇怪な具現
4 《創案の火
4 《力線の束縛
-呪文(32)-
1 《空を放浪するもの、ヨーリオン
-相棒(1)-

1 《運命を紡ぐ者
1 《精鋭呪文縛り
1 《配分の領事、カンバール
1 《運命の神、クローティス
1 《敏捷な窃盗犯
1 《鎮まらぬ大地、ヤシャーン
1 《裏切りの工作員
1 《星界の大蛇、コーマ
1 《ポータブル・ホール
1 《引き裂く流弾
2 《安らかなる眠り
2 《一時的封鎖
-サイドボード(14)-

 

 5色で《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒にした80枚デッキ。

 これだけでも目をみはる派手さではあるが、さらに《創案の火》と《奇怪な具現》を主軸にした、エンチャントとクリーチャーで構成されたデッキだ。《奇怪な具現》の英名から「エニグマ・ヨーリオン」などと呼ばれることが多いかな。

 エンチャントを生け贄に捧げ、それよりマナ総量が1大きいクリーチャーを直接戦場に出す。《スカラベの神》など支配的なカードを降臨させて戦場を思うがままに手中に収める、コンボ的な要素を持ったコントロールデッキである。

 《岩への繋ぎ止め》《野望の試練》《ケイヤの誓い》などで除去、

 《ナイレアの存在》《海の神のお告げ》でドロー、

 《創案の火》で手数を加速させる……すべてをエンチャントで行うので、どの仕事に用いたカードでも《奇怪な具現》でクリーチャーに変換可能だ。

 これにより飛び出すクリーチャーも《スカイクレイブの亡霊》《霊気の媒介者》《無神経な血魔道士》などなど、戦場に出た際に仕事をこなす職人たちが中心だ。

 これらとエンチャントをヨーリオンでまとめて追放→再展開により多大なるアドバンテージを稼ぐのが必殺コース。

 このシステムの中に《力線の束縛》が加わる。まず束縛は冒頭でも述べたように軽い。序盤は小粒のクリーチャーなんかに気軽に使い、後半もっとヤバいものが出てきたらヨーリオンで再利用すれば良い。とにかく、このデッキは生きて生きて生き延びて、自分の大技を仕掛けるターンまで繋ぐことが肝要だからね。

 《ケトリアのトライオーム》《神無き祭殿》などの土地がズラッと揃っているので問題なく運用できるが、ここに《ナイレアの存在》が絡むことでより安定して{W}で投げつけることが可能になる。

 そして軽く唱えたこのリング、後に《奇怪な具現》でクリーチャーに置き換えるなら……なんと7マナ相当に化ける! そのコストに見合うパワーカードの象徴が飛び出てくるぞ。

 メインでは《産業のタイタン》!

 アーティファクトorエンチャント破壊・5点回復・4/4サイ生成・盾カウンター……どのモードをとっても超強いぜ。序盤にリングに封じ込めた軽量クリーチャーを解放しても、7/7到達・トランプルに上記のモードから2つ選べれば、何も怖いものはないね。

 サイド後は《裏切りの工作員》という選択肢も。

 あらゆるパーマネントを頂戴できるので、こちらと同じくゆっくり戦うデッキ相手には土地でも奪って震えさせてやろう。

 《力線の束縛》、歴代リングの中でも最強かもしれない風格をまとったこの1枚。コスト軽減を活かして序盤から唱えて、マナ総量の大きさをさらに有効活用する。そんな構築ができたらこのカードはただの単体除去の枠を超える! 除去で足元を固めて、やりたいプランまで繋げるデッキで用いよう!

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