READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

赤単アグロ:アナックスで猛烈に攻めろ!(スタンダード)

岩SHOW

 先日、随分久しぶりに赤単のアグロデッキでスタンダードを遊んでみた。

 う~ん、わかりやすい。1マナからクリーチャーを出して、殴って、火力投げて、《エンバレスの宝剣》か《朱地洞の族長、トーブラン》でフィニッシュ。

 単純明快、何をするか迷うことなくプレイできるデッキというのはありがたい。

 『テーロス還魂記』では赤単におあつらえ向きな1枚も登場した。《鍛冶で鍛えられしアナックス》だ。

 赤の信心分のパワーを持つので、単純に打点が高い。エンバレスもトーブランもシンボルが濃いため、これらと並ぶと途轍もないダメージを弾き出してくれるだろう。

 そしてこちらのクリーチャーが死亡すると1/1のサテュロスを生成する能力もナイス。1/1を横並びさせて殴るデッキとしては、ブロックされてもその横を抜けるクリーチャーがダメージを与えてくれればそれで良いと、犠牲をいとわずに攻撃しなければならない場面がある。ダメージは通っても頭数が減るのでじり貧に陥ることもあるのだが、アナックスがいればその苦しさは随分と緩和される。

 また、開幕から展開していったところに《轟音のクラリオン》や《空の粉砕》で流されてしまってもトークンが複数体残り、その返しでトーブランなり宝剣なりでダメージを伸ばしてやればそのまま決着ということも十分にあり得る。

 か~な~り強い3マナ圏を手に入れたことで、赤単は再びスタンダードの選択肢として立ち上がってきたのである。

Patrick Dickmann - 「赤単アグロ」
スタンダード (2020年1月29日)[MO] [ARENA]
18 《
2 《エンバレス城
1 《総動員地区
-土地(21)-

4 《熱烈な勇者
4 《焦がし吐き
4 《リムロックの騎士
4 《遁走する蒸気族
4 《鍛冶で鍛えられしアナックス
4 《砕骨の巨人
3 《朱地洞の族長、トーブラン
-クリーチャー(27)-
4 《ショック
4 《舞台照らし
4 《エンバレスの宝剣
-呪文(12)-
3 《エンバレスの盾割り
3 《レッドキャップの乱闘
4 《溶岩コイル
3 《チャンドラの螺旋炎
2 《実験の狂乱
-サイドボード(15)-
 

 《焦がし吐き》《熱烈な勇者》らを1ターン目から展開し、

 《ショック》《踏みつけ》で相手のクリーチャーを除去して殴り、

 《舞台照らし》でアドバンテージを得て先のターンの行動を定める。

 オーソドックスな赤単となるとこのリストのような形になる。《舞台照らし》のおかげで土地の総数は21枚と抑え目にしつつも、アナックスなど3マナ以上のカードを運用できるようになっている。

 1枚挿しの《総動員地区》がキラリと光るシブさを放つ。

 この土地は攻め手が途切れないよう、土地を5枚以上引いてしまっても使い道になるように採用されているわけだが、見た目以上にこのデッキとの相性はなかなかに良い。起動コストは{4}と重めではあるが、アナックスとトーブランがいればそのコストは軽くなる。伝説のクリーチャーが多めに採用されていることの恩恵をナチュラルに受けられるってわけだ。

 サイドボードには《チャンドラの螺旋炎》《レッドキャップの乱闘》など同型戦を意識したカードチョイスが見られる。

 火力呪文で簡単に死んでしまうクリーチャーをこれらと入れ替えて、《実験の狂乱》も用いて消耗戦を制するのだ。

Mark Gabriele - 「赤単アグロ」
スタンダード (2020年1月27日)[MO] [ARENA]
15 《
4 《血の墓所
2 《悪意の神殿
3 《エンバレス城
-土地(24)-

4 《熱烈な勇者
4 《焦がし吐き
4 《リムロックの騎士
4 《リックス・マーディの歓楽者
4 《鍛冶で鍛えられしアナックス
4 《砕骨の巨人
4 《灰のフェニックス
4 《朱地洞の族長、トーブラン
-クリーチャー(32)-
4 《エンバレスの宝剣
-呪文(4)-
4 《解き放たれた狂戦士
3 《溶岩コイル
3 《焦熱の竜火
1 《魔術遠眼鏡
2 《アクロス戦争
2 《炎の侍祭、チャンドラ
-サイドボード(15)-
Mark Gabriele氏のTwitter より引用)
 

 せっかくなので、同じ赤単に分類されるが、構成がかなり異なるリストを。

 《舞台照らし》は不採用、黒をタッチすることで《リックス・マーディの歓楽者》をアドバンテージ源にしている。

 《ショック》も不採用で、メインデッキ内の非クリーチャー呪文は《エンバレスの宝剣》のみという徹底した構築が施されている。とにかくクリーチャーを展開し、信心を稼いでアナックスを強くし、トーブランか宝剣で押し切る。安定して立ち回るために、赤単としては多めの土地は24枚。オーソドックスな型とは随分と印象が変わるものだ。

 新カードとしては《灰のフェニックス》も4枚投入だ。

 2/2速攻・飛行、信心カウントも高め。また脱出能力で墓地から簡単に戦場に戻ってくるので、アナックスと絡めれば全体除去なんて恐ろしくもなんともないぞ。


 赤単のようなアグロデッキにとって、いま最も恐ろしいカードは《夢さらい》であろう。

 毎ターン確定で5点以上ダメージを与えてくる絆魂持ちであり、殴られたりブロックされたりするのを嫌って除去しようにも簡単に呪禁を得てくる猛烈な硬さを誇る。ライフを削ることしか考えていないデッキにとって、その顔を観るだけで絶望できる青白い悪魔である。

 赤単をプレイしているとコイツがポンと出てくるだけで投了することも多々あるが、逆に対抗手段が全くないというわけでもない。とりあえず《夢さらい》が出てくるまでは全力でライフを詰め、こちらの攻撃をブロックすることを避けられない状況に持ち込み、《エンバレスの宝剣》で一方的に殴り倒せればベストだ。サイドボード後は《解き放たれた狂戦士》のプロテクションで無視して最後の一撃を叩き込もう。

 天敵はいるにはいるが、その爆発力は生半可な抵抗を寄せ付けないものであるのも事実。スタンダードで突き詰めるデッキがまだ見つかっていない人は、赤単に手を出してみるのも良いんじゃないだろうか。

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索