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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

運命の手、ケイリクス(ブロール)

岩SHOW

 『テーロス還魂記』で登場した新キャラクターをザックリ紹介しよう。ケイリクスについてだ。

 《運命の神、クローティス》によって創造された運命の工作員の1人である(同名のカードが過去にあったね)。この工作員の使命は死の国から脱出しようとする者を阻止すること。ただ此度の騒動の中心には一筋縄ではいかない標的がいた。エルズペス・ティレルである。

 プレインズウォーカーを食い止めるにはただの工作員では力不足、そこでクローティスは対エルズペス用に特別な工作員を……ケイリクスという追跡の達人を織り上げた。エルズペスを追い、そして倒すこと。クローティスのその意志に従い遂行する、彼の存在意義はただそれだけであり、だからこそ彼はエルズペスの前に執拗に立ちはだかった。

 彼はクローティスの運命の糸が結びつけられた針を操作して戦った……のだが、この世に生まれ落ちたばかりのケイリクスと数々の修羅場を潜ってきた熟達の戦士であるエルズペスとの力の差は歴然であった。ケイリクスは挑む度に敗れたものの、戦いの中で敵と己を知り成長していった。

 しかし死の国の出口を前にしての戦いで敗れ、エルズペスはその先に待ち構えていたヘリオッドをも打ち倒した。エレボスはこれに感謝し、エルズペスの死の国からの脱出を許した。エルズペスはそのまま他次元へとプレインズウォークし、ヘリオッドはエレボスによって定命の者の記憶から忘れ去られるまで封じられた。

 こうして、ひとり取り残されたのはケイリクス。彼は自身の存在する理由であるエルズペスがこの次元を去ったのを見つめながら絶望する。だがその時、彼の中でプレインズウォーカーの灯が点り、次元を渡れるようになったケイリクスはエルズペスの後を追った……

 というストーリーらしいね。なかなか重要な役どころであり、見ようによっては彼が最も主人公的なポジションなのかもしれないとさえ思える。

 今日はこの期待の新キャラクターを使ったデッキを考察しよう。《運命の手、ケイリクス》はプレインズウォーカーなので、せっかくだからブロールで使ってみようじゃないか。彼の能力はすべてエンチャントに関係するものなので、テーマもおのずと決定してデッキは組みやすい。

 それではサンプルリストを見てもらおう。

岩SHOW - 「統率者:運命の手、ケイリクス」
ブロール (『ラヴニカのギルド』~『テーロス還魂記』)[MO] [ARENA]
1 《運命の手、ケイリクス

-統率者(1)-

10 《平地
9 《
1 《寺院の庭
1 《豊潤の神殿
1 《花咲く砂地
1 《セレズニアのギルド門

-土地(23)-

1 《星原の神秘家
1 《卓絶した特使
1 《障害の幻霊
1 《運命を紡ぐ者
1 《青銅皮ライオン
1 《よろめく鎧
1 《セテッサの勇者
1 《結節点の番人
1 《イリーシア木立のドライアド
1 《ピレアス号の艦長、シオーナ
1 《ラゴンナ団の語り部
1 《流星の執政官
1 《スマーラの森整形師
1 《狼の友、トルシミール

-クリーチャー(14)-
1 《狼柳の安息所
1 《きらきらするすべて
1 《天使の贈り物
1 《ケンリスの変身
1 《平和な心
1 《存在の破棄
1 《塔への閉じ込め
1 《凄絶な無気力
1 《ヘリオッドの神罰
1 《払拭の光
1 《光明の縛め
1 《牢獄領域
1 《楽園の贈り物
1 《新たな地平
1 《狩猟の神のお告げ
1 《第1回イロアス競技会
1 《牧歌的な教示者
1 《議事会の裁き
1 《威厳ある存在
1 《狼のまとい身
1 《エルズペス、死に打ち勝つ
1 《ヘリオッドの介入

-呪文(22)-

 まずは《運命の手、ケイリクス》の能力を確認しよう。

 [+1]能力でエンチャントを手札に加えることが可能で、アドバンテージ・エンジンとしての役割が期待できる。『テーロス還魂記』のエンチャント・クリーチャーを用いればクリーチャーの補充も可能でなかなかに万能。ただしこの能力の期待値を高めたいのであれば、非エンチャントのクリーチャーやインスタント、ソーサリーなどの枚数は最小限にとどめた方が良さそうだ。

 [-3]能力はすでに戦場にあるエンチャントを《払拭の光》のような除去にする。あまりに重要なエンチャントをこれの対象にした場合、それを破壊されると戦力を失うと同時に相手の戦場にクリーチャーかエンチャントが帰ってきて大惨事になりかねない。《狩猟の神のお告げ》のようなもう役目を果たしたエンチャントと組み合わせて使いたいところだ。

 [-7]能力は起動できれば勝ちと言っても良いレベルの派手さ。適当に消耗戦になったところでこれをかませば圧倒的な物量差に相手はお手上げ。全体除去を使われてもスイッチひとつで元通りというのは頼もしい限りだ。

 というわけで、あらゆるエンチャントをスタンダードのカードプールから放り込んでデッキにしてみた。デッキ内の役目を分類すると大きく3つ。クリーチャー・マナ加速・除去である。

 マナ加速はブロールの定番である《秘儀の印鑑》などのアーティファクトではなく、《楽園の贈り物》といった土地につけて生産するマナを増やすオーラを用いる。これらは役目が薄くなった頃にはケイリクスの[-3]の対象にしてリスクの小さい除去として働いてもらうのである。また《星原の神秘家》《卓絶した特使》などもこのデッキならではのマナ加速である。

 除去もスタンダードから《平和な心》の亜種をたっぷりと採用だ。これでケイリクスや《ピレアス号の艦長、シオーナ》から高い確率で除去が見つかるし、その他のエンチャントとシナジーを形成するカードの強さもアップだ。

 エンチャントと組み合わせてパワーを爆発させるカードでフィニッシュまで持っていく。《セテッサの勇者》はうまくいけば数回の攻撃でライフを削り切れるバケモノに成長するし、ドローができるのもこのデッキにとっては大きい。

 後出しでも高いパワーになるという点では《よろめく鎧》も魅力的だ。《きらきらするすべて》はどんなクリーチャーでもフィニッシャーへと昇華してくれる。

 これらと《ラゴンナ団の語り部》や《天使の贈り物》を絡めて大ダメージを叩き込みたい。《運命を紡ぐ者》もシャレにならない打点を弾き出してくれるはずだ。

 『テーロス還魂記』には、他にも装いを新たに登場した神々やその勇者である亜神など、魅力的な伝説のクリーチャーおよびプレインズウォーカーが多数収録されている。お気に入りの1枚を見つけたら、ぜひブロールのデッキも組んで遊んでみてね!

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