READING

戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

「大地覚醒」を強化しよう!(スタンダード)

岩SHOW

 マジック:ザ・ギャザリングはアメリカで作られているゲームである。なので、アメリカ本国にて限定グッズが発売されたりとちょっと優遇されていて羨ましい部分はある。でも、2019年は日本もか~な~り優遇された1年だった。

 『灯争大戦』では日本語版限定で全プレインズウォーカー32種類のイラスト違いバージョンが収録されているというまさかのサプライズ! しかもイラストを担当したのは日本のアーティストであり、日本がマジックのマーケティングとしてかなり重要な地域と認識されていることが伝わった。

 その日本限定の構築済みデッキとしてチャレンジャーデッキが2種類発売されたのも嬉しいことだ。「大地覚醒」と「詠唱乱舞」、どちらもスタンダードのデッキのベースとなるもので、ちょっとカードを足せばしっかりと戦えるものになる。マジック初心者はまずこれとブースターパックをいくつか買ってみるのが良いんじゃないのかと勧められるくらいの内容になっているので、もしこのページに迷い込んだマジックを始めようか悩んでいる方にはぜひとも手に取ってほしいものである。

 個人的にオススメなのは「大地覚醒」の方だ。パッケージにもなっている《世界を揺るがす者、ニッサ》に、神話レア《ハイドロイド混成体》とシンプルに強力なカードが多数収録されているからだ。

 まずはこれを手に、マジックに慣れるまで遊んでみて、どのカードがどのような役割を担っていてどう使えばゲームが有利に進んでいくのかということを学んでみてほしい。

 で、「ちょっと慣れたし、近くのショップのフライデー・ナイト・マジックとか平日大会みたいなカジュアルな場で対戦してみたいなぁ」と思ったら、今度はデッキをレベルアップさせよう。いくつかのカードを入れ替えることで、スタンダードのデッキと渡り合えるものに進化させることができるぞ。

 そんなわけで、今日は「大地覚醒」をベースに組めるデッキを紹介しよう!

Chris Stoyles - 「シミック・ランプ」
WPNQ @ Midgard Gaming 優勝 / スタンダード (2019年12月1日)[MO] [ARENA]
7 《
6 《
4 《繁殖池
4 《神秘の神殿
2 《ギャレンブリグ城
1 《ヴァントレス城

-土地(24)-

4 《金のガチョウ
4 《枝葉族のドルイド
4 《発現する浅瀬
2 《大食のハイドラ
4 《茨の騎兵
3 《豆の木の巨人
2 《裏切りの工作員
4 《ハイドロイド混成体

-クリーチャー(27)-
2 《模写
1 《集団強制
2 《アーク弓のレインジャー、ビビアン
4 《世界を揺るがす者、ニッサ

-呪文(9)-
2 《恋煩いの野獣
2 《打ち壊すブロントドン
2 《探索する獣
2 《変容するケラトプス
2 《霊気の疾風
2 《軽蔑的な一撃
1 《自然への回帰
2 《神秘の論争

-サイドボード(15)-
mtgtop8 より引用)

 

 「大地覚醒」は土地やクリーチャーから得られるマナを元手に重たい呪文を唱えて勝つことを狙った、「ランプ」や「ビッグマナ」と呼ばれるタイプのデッキである。

 元のデッキでも《マラリーフのピクシー》や《成長のらせん》といったカードが多く採用されているが、このデッキはそれらを《金のガチョウ》《豆の木の巨人》など他のカードに置き換え、よりパーマネントとして残るものを重視した形だ。

 このデッキでは2マナ域のマナクリーチャーを《枝葉族のドルイド》にしている。

 一見、青マナも出せて除去もされにくい《楽園のドルイド》の方が良さそうに見えるが、この形であれば枝葉族を優先することになるだろう。その理由は《発現する浅瀬》だ。

 ちょっと久しぶりに見たね、でもこの夏は毎日のようにこのエレメンタルと向き合っていたなぁ。エレメンタルが戦場に出るたびに土地が伸びるか手札が増える。ランプデッキは土地が命だし、土地が伸び切った後はそのマナを注ぐ手札が欲しい。この欲求に同時に応え得るのが《発現する浅瀬》だ。

 なのでマナクリーチャーもエレメンタルに統一してあるし、《茨の騎兵》も主力として4枚採用だ。

 これもまた単品で戦えるスペックであり土地も伸び、自分が死んだら《ハイドロイド混成体》のような強いカードをライブラリーの一番上に置き土産。良いカードなので、初心者のみならずまだ試したことない人は一度プレイしてみてほしい。

 マナクリーチャーに《発現する浅瀬》、そして森から出るマナが倍になる《世界を揺るがす者、ニッサ》。これらからあふれたマナは「大地覚醒」と同じく、《ハイドロイド混成体》に《大食のハイドラ》《集団強制》とX呪文に注ぎ込む。さらに追加で《裏切りの工作員》も使ってみよう。

 パーマネントであれば何でも奪えるこのクリーチャーの使い勝手の良さは、一度味わうと病みつきに。さらにこれをワルく使うために《模写》まで採用されている。

 工作員をコピーして、相手の主力を2枚もこちらに引き込めば勝ったも同然だ。《発現する浅瀬》をコピーすることでも爆発的なアドバンテージが得られるし、ライブラリーからカードを墓地に置く《茨の騎兵》から唱えれば無駄もないと、デッキのいろいろなカードと噛み合っている。ただ、ハイドラたちをコピーしても0/0になって即死してしまうので気を付けよう。

 あとは調子に乗って《裏切りの工作員》もコピーしすぎないように。相手のパーマネントを3枚以上奪っている場合、カードを3枚引くという能力が誘発する。うっかり3体並べて3つパーマネントを奪ってしまうと、強制的に9枚カードを引かされることに。すぐ勝てるのであれば構わないのだが、奪ってもなおゲームが長引きそうな場合はライブラリーが切れて負けてしまうので、《模写》のしすぎにはご用心。

 要求するレアや神話レアは決して少なくないので、いきなりこの形で組むというのはハードルが高いかもしれない。でも少しずつカードを集めて、一部を入れ替えてとやっていけば良いのだ。

 もとのリストに入っているカードも決して弱いものではない。あくまでサンプルであり、エレメンタル型は肌に合わないということもあるだろう。試せる範囲で色々と試して、自分が納得するリストにたどり着く。それができれば、あなたのマジック体験は素晴らしいものになる。

 始めたばかりという最も楽しい期間を、どうかフルに味わってほしいという願いを込めて。今日はこのへんで!

  • この記事をシェアする

RANKING

NEWEST

CATEGORY

BACK NUMBER

サイト内検索