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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

終焉×不死鳥(スタンダード)

岩SHOW

 『灯争大戦』はプレインズウォーカーが山盛りてんこ盛りのセットなのでどうしてもその部分がクローズアップされてしまいがちだが、その他のタイプのカードも素晴らしいものが揃っている。こんなのが欲しかった!という理想的な追加パーツを手に入れ、完成度を増した既存のデッキも多数ある。

 今日はそんな変化を迎えたデッキを紹介しよう。同じアーキタイプでも全く異なる方向に突き進んだ2つのリストを比較してみようじゃないか。それじゃあ早速1つ目!

pandachan12 - 「イゼット・フェニックス」
Magic Online Competitive Standard Constructed League 5勝0敗 / スタンダード (2019年5月5日)[MO] [ARENA]
6 《
6 《
4 《蒸気孔
4 《硫黄の滝
-土地(20)-

1 《プテラマンダー
4 《ボーラスの占い師
4 《ゴブリンの電術師
4 《弧光のフェニックス
-クリーチャー(13)-
4 《選択
3 《ショック
4 《航路の作成
4 《急進思想
4 《苦しめる声
1 《溶岩コイル
3 《魔術師の稲妻
4 《約束の終焉
-呪文(27)-
2 《プテラマンダー
3 《静電場
3 《溶岩コイル
3 《否認
2 《標の稲妻
2 《焦熱の連続砲撃
-サイドボード(15)-
 

 今回のデッキは「イゼット・フェニックス」! 前環境でのミシックチャンピオンシップにてトップ8にも入賞し、存在感を強く示したデッキである。

 《弧光のフェニックス》を《苦しめる声》《航路の作成》《急進思想》などで墓地に落としつつ、《ゴブリンの電術師》でコストダウンさせたインスタントとソーサリーを同一ターンに3回唱えてフェニックス復活、を狙う攻めのデッキである。破壊するタイプの除去では、何度撃墜したとて再出撃してくるフェニックスに押し負けてしまうという、その厄介さとスピードを両立させているのが強みだ。

 このデッキは新たに、それ1枚を唱えるだけでフェニックスの復活条件を満たすことのできる「こんなの欲しかった」という思いを具現化した1枚を手に入れた。《約束の終焉》だ。

 墓地から点数で見たマナ・コストがX以下のインスタントとソーサリーを1枚ずつ唱えられるソーサリーで、この「唱える」という点がフェニックスとガッチリ噛み合う。1枚で計3つ唱えられる素晴らしい新戦力だ。

 「イゼット・フェニックス」はゲームが長引き、手札を吐き出すと途端に苦しくなるデッキだ。フェニックスの高速復活のために1~2マナの軽い呪文しか入っておらず、それも《ショック》のように効果自体が薄いものだったり、ただカードを引くだけのものでありインパクトを残しづらい。

 それがこの《約束の終焉》であれば《ショック》+《溶岩コイル》でクリーチャー2体を同時に除去したりと、なかなかのインパクトを残せる。ただフェニックスが戻ってくるだけでなく、デッキの弱点をカバーしてくれるカードとしても強いもの、というのが嬉しいね。

 またクリーチャーも魅力的なものが。

 《ボーラスの占い師》は序盤の1~2マナクリーチャーの攻撃を受け止めるタフネス3に加えて、インスタントかソーサリーを手札に加えられる(かもしれない)能力でフェニックス復活に向けて手札を整えられる便利屋だ。ウィザードであることを活かして、《ゴブリンの電術師》との8枚体制で《魔術師の稲妻》を運用するというのも攻撃的で楽しいね。

Patrick Dickmann - 「イゼット・フェニックス」
スタンダード (『イクサラン』~『灯争大戦』)[MO] [ARENA]
6 《
6 《
4 《蒸気孔
4 《硫黄の滝
-土地(20)-

4 《ゴブリンの電術師
4 《弧光のフェニックス
-クリーチャー(8)-
4 《選択
3 《呪文貫き
4 《ショック
4 《航路の作成
3 《急進思想
3 《苦しめる声
2 《溶岩コイル
2 《役割交代
3 《約束の終焉
4 《崇高な工匠、サヒーリ
-呪文(32)-
3 《軍勢の戦親分
3 《否認
2 《溶岩コイル
1 《軽蔑的な一撃
1 《標の稲妻
2 《幻惑の旋律
1 《覆いを割く者、ナーセット
2 《イゼット副長、ラル
-サイドボード(15)-
 

 本日ご紹介するもう1つのフェニックスの形がこちら。同じクリーチャーをキーカードとしながらも、これは先ほどのものとはコンセプトが大きく異なる。インスタントとソーサリー、すなわち非クリーチャー呪文を多数唱えるということで、《崇高な工匠、サヒーリ》の能力を誘発させまくる!

 その上で1/1能力なしの霊気装置・トークンと相手の最も強いクリーチャーを《役割交代》で交換しようという……なかなかにワルいことを考えているリストだ。

 サヒーリはその[-2]能力を霊気装置に対して使用し、《弾けるドレイク》をコピーしてワンショット!というパワフルなコンボを狙う構築でも使える。今後青と赤のデッキではかなり見ることになるカードになりそうだ。スタンダードに留まらずね。

 というわけで2つのフェニックスデッキのアプローチを見てもらった。どちらにも共通して言えるのは、《約束の終焉》が入ってこのデッキはさらに力を増したということ。トップデッキして強いカードを得たのは本当に大きいね。終焉と不死鳥という、相反する存在が同居しシナジーを形成しているというフレイバーも面白い。

 カードをとにかくたくさん唱えたい人はフェニックスという選択肢に目を向けてみよう!

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