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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ゴブリン(Pauper)

岩SHOW

 物語の舞台がドミナリアに還ってきて嬉しいことは色々とあるが、個人的にはクラシックなスタイルのゴブリンが久しぶりにカードとして登場することが嬉しくてしょうがない。

 ここ最近はさまざまな次元でそれぞれに特徴的なスタイルのゴブリンたちがちょこちょこカード化されていたが、マジックにおけるゴブリンと言われて思い浮かぶのは、ドミナリアに生息する緑の皮膚に尖がった鼻と耳を持った、あの粗暴だけどもどこかひょうきんなヤツらだろう。

 『ドミナリア』ではかつて一世を風靡した《スカークの探鉱者》《ゴブリンの戦長》《包囲攻撃の司令官》などが再録! 他にもゴブリン・カードが多数あるということで、期待が高まらざるを得ない状況だ。

 新しいゴブリンが増えることで最も影響を受けそうな現行のゴブリンデッキと言えば……Pauperのものなんてどうだろう。

frankanspank - 「ゴブリン」
Magic Online Pauper Constructed League 5勝0敗 / Pauper (2018年3月27日)[MO] [ARENA]
18 《
-土地(18)-

4 《鋳造所通りの住人
4 《激情のゴブリン
4 《ゴブリンの奇襲隊
4 《ゴブリンの群勢
3 《ゴブリンのそり乗り
3 《モグの略奪者
4 《モグの戦争司令官
4 《泥騒ぎの群勢
2 《火花鍛冶
-クリーチャー(32)-
4 《稲妻
1 《死の火花
1 《シルヴォクの生命杖
4 《軍族童の突発
-呪文(10)-
2 《電謀
2 《粉々
3 《Goblin Caves
1 《シルヴォクの生命杖
-サイドボード(8)-
 

 赤の代表的なクリーチャータイプであり、ドミナリアを中心に多くの次元に生息するゴブリン。古き時代から今日に至るまでカード化されてきたということは、それだけコモンの枚数も多い=優秀なものが多いため、コモン限定でデッキを構築するPauperにおいても強力なデッキを組むことが可能だ。伝統的なゴブリンデッキ同様、このデッキも軽量のゴブリンを展開し、面での攻めを狙うビートダウンデッキだ。

 このデッキには1マナクリーチャーが実に22枚も採用されており、1ターン目に1体、2ターン目に2体というブンブンな動きをいとも簡単に実現する。

 《鋳造所通りの住人》《ゴブリンの群勢》と攻撃に前にゴブリンを唱えてくれることで恩恵を得るカードがあるので、とにかく出して殴る、というのがこのデッキに求められるプレイスタイル。《ゴブリンの奇襲隊》はそれらのゴブリンのパワーをまとめて上昇させつつ速攻も付与するので、文字通りの奇襲をガツンとかましてくれる頼もしいヤツ。

 こういったカードで最高の打点を叩き出しての勝利を狙うのだが……対戦相手もそれを棒立ちで許してくれるはずもない。大抵はブロック要員を立ちはだからせたり除去呪文を用いるなどして、ゴブリン軍団の侵攻を食い止めようとしてくることだろう。

 ブロッカーを突破するのであれば、《稲妻》《死の火花》あるいは《火花鍛冶》などでダメージを与えて除去してしまうのが良いだろうが、いつもそううまくいくとは限らない。これら除去の枚数を増やすこともできるが、あまり増やすとゴブリンの枚数が減ってしまう……そこで活躍するのが、Pauperゴブリンが最近得た新戦力《激情のゴブリン》だ。

 『マスターズ25th』にてコモンとなったことで、このデッキに加わることができるようになった。1マナのゴブリンという最低限の採用基準を満たしながら、攻撃時に{R}を支払うだけでブロッカー1体を無効化できる。これで小さなゴブリンたちも安心してドツきにいけるという寸法だ。

 また、多少のブロッカーであれば面で攻め切ってしまうという手もある。ゴブリンの群れでワッと攻めてから、ブロックされなかったものを強化して大ダメージを狙う、という技もあるのだ。《ゴブリンのそり乗り》《モグの略奪者》はゴブリンを生け贄に捧げることでクリーチャーをサイズアップさせることができる。

 ブロックされてしまったゴブリンをぶん投げて、抜けたヤツのパワーを大幅に強化してライフを削りきる、というのはこのデッキがガンガン狙っていきたいムーブだ。《モグの戦争司令官》はコモンでありながらカード1枚でゴブリン3体分の仕事をするカードで、この戦略と非常に噛み合っている。

 これに加えて、『マスターズ25th』からの追加戦力その2《軍族童の突発》も今のゴブリンにはあるぞ! こちらもカード1枚でゴブリンが3体出てくるすごい呪文で、《ゴブリンの奇襲隊》《鋳造所通りの住人》なんかとの相性も抜群。一気に盤面を埋め尽くしてしまいたいこのデッキを大幅に強化することとなった。

 小粒のクリーチャーであっても、コイツらはピリリと辛いどころか激辛だ。甘く見ていると一瞬で蹴散らされることだろう。なのでPauperをプレイする際にはタフネスが低いクリーチャーをまとめて薙ぎ払える《電謀》《エヴィンカーの正義》のようなカードをサイドに用意したいところだが……このデッキではそれらへの対抗手段として、実にシブいカードを用意している。《Goblin Caves》だ。

Goblin+Caves.png

 このオーラを《》に貼ることで、ゴブリンたちのタフネスは2増える。この修整値はデカいぜ、一見弱そうなカードに見えてしまうが、なめてかかるとプラン崩壊で心をぐにゃぁ~と折られてしまうかもしれない。何かのミスでこのデッキリストはサイドボードが8枚しかないが、それでもリーグ戦を5勝0敗で終えてるってことは……このエンチャントが強かったということに違いない!

 これからもますます仲間を増やすゴブリン、Pauperに限らず全フォーマットで注意が必要だ!

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