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(特集記事)黒田正城の「エターナルへの招待」・『モダンへの招待』編 その1

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黒田正城の「エターナルへの招待」

2011.08.24

黒田正城の「エターナルへの招待」・『モダンへの招待』編 その1

著者紹介:黒田 正城

 黎明期から日本のプロマジック・シーンを支えてきた強豪プレイヤー。
 1999年日本代表、森勝洋・森田雅彦とのチーム「P.S.2.」でのマスターズ・ヴェニス2003優勝など数々の輝かしい実績を持ち、なかでも2004年のプロツアー・神戸で果たした日本勢初の優勝は、力強くも丁寧な手さばきでキャストされた《火の玉》とともに、名シーンととして広く知られている。
 現在では家庭を愛する父親としての一面も持ちつつ、本業のかたわら、マジックの各メディアでその素晴らしさを伝えている。特に『ゲームジャパン』誌(ホビージャパン・刊)の連載コラムでは「伯爵」キャラとして、マジックを新たに始めようとするプレイヤーの手引きをする役割でもお馴染み。エターナルフォーマットへの愛情と造詣も深い。


 「あなたの、マジックで最も思い入れのあるカードは何?」


 よく聞かれる質問だ。そして、この質問に対して私はこう答える。

 意外に思われるかもしれないが、1位は《火の玉》や《賛美されし天使》ではなく、この青いスピリットである。

 こいつは私に「勝つ」楽しみを教え、トーナメント・マジックの世界に引きずり込んだ張本人。当時、私はヒマさえあればこのカード4枚からデッキを考えていたように思う。スタンダード落ちしてからも、エクステンデッドでずいぶん使い込んだ。今でもレガシーのフォーマットで活躍させることはできないかと考えたりするが、残念ながらレガシーの環境で戦えるほどのパワーは無く、カードボックスの奥深くに眠ったままとなっている。
 そりゃあ同じ4マナだったら、どう考えても《精神を刻む者、ジェイス》を入れるよなあ・・・。

 続いて、思い入れのあるカード第2位はこれ。

 プロツアー・神戸のフィニッシュホールドは《火の玉》だったが、3日間を通じて一番活躍してくれたのがこのクリーチャー。数え切れないぐらいのダメージを吐き出し勝利に貢献してくれた。

 また、4/5というサイズは何か惹かれるものがある。これはおそらく刷り込みというやつで、《アーナム・ジン》からマジックを始めたプレイヤーならなんとなく分かってくれるのではないだろうか。
 以前に参加したマジック・インビテーショナルのときにも、このカー ドを大量に持って行って色んなプレイヤーにサインをもらったりした、お気に入りのカードである。

 もう一度公式戦で使ってやりたいところだが、その夢をかなえられるのは、現状レガシーの世界だけ。たまに《煮えたぎる歌》や《古えの墳墓》からこいつがプレイされるところを見かけて嬉しくなることもあるが、《剣を鍬に》が飛び交うレガシーの世界ではどうも暴れづらいようだ。


 さて、冒頭からいきなり私の昔話を始めてしまったが、読者の方々にも色んなお気に入りカードがあるはずだ。そしてその多くは、もうスタンダードの大会で使うことができない、思い出のカードとなっているのではないだろうか。

 上記のような思い出のカードをもう一度使うためには、レガシーのような古いカードを使えるフォーマットに乗り込むしかないのだが・・・前述したようにレガシーのフォーマットはカードプールが広すぎるため、これらのカードを主軸にして強いデッキを組むことは至難の業であった。


 しかし最近、私の元に朗報が飛び込んできた。
 もうご存知の方も多いと思われるが、まずはこれらの記事に目を通していただければと思う。


 ウィザーズから新しく提示された「モダン」というフォーマットは、第8版およびミラディン(いずれも2003年発売)以降のカードが使えるという、非常に広大なフォーマットである。

 とは言ってもレガシーのカードプールと比べるとかなり限定的で、レガシーでは必ず使われているカード、例えば《Force of Will》や各種デュアルランド、《剣を鍬に》などは使うことができない。また数枚の凶悪なカード(単体で強力すぎたり、コンボの歯車となるもの)に関しては使用禁止となっているため、ある程度バランスが取れており、どのようなカードにもチャンスがあるフォーマットと言えるだろう。

 モダンが紹介された直後から、ネットではデッキの話が盛り上がっている。私自身も、どうやって《弧炎撒き》を活躍させられるか?ということで頭がいっぱいになった。《貿易風ライダー》は残念だが、さすがにカードが古すぎるので仕方ない。

 上で紹介した翻訳記事に、禁止されるカードとデッキの紹介がなされているが、なにしろモダンに存在するのは約10年分のカードプールである。それ以外にもたくさんの危険なコンボが残されているはずだ。それにゼンディカーのフェッチランドと、ラヴニカのギルドランドが使い放題であるため、デッキの色選択も自由自在。ウィザーズのスタッフが見つけ切れなかった「穴」を発見することができれば、連戦連勝のとんでもないデッキを作ることができるかもしれない!

 ではここから、私が個人的に注目しているカードをいくつかピックアップしよう。


霊気の薬瓶

 真っ先に「大丈夫なの?」と思ったのがこのカード。
 大抵のフォーマットで禁止を食らっているにも関わらず、モダンでは開放されている。出てくるクリーチャーがそこまで凶悪ではないから、という理由なのかもしれないが、レガシーで活躍しているようなマーフォークを組むだけでも十分強そうに思えるし、エルフやゴブリンでも使い道はいくらでもありそうだ。クリーチャーデッキ大好きな私にとってはたまらなく魅力的なカードであり、とにかく色んなデッキで試してみたいと思っている。


燃え柳の木立ち》&《罰する火

 このコンボが生き残ったのもある意味驚きである。タフネス2以下のカードを完封する強烈なコンボであり、赤いデッキはもちろん、低速のコントロールでこのためだけに赤マナが入っている、という構成までありえるだろう。青が混ざれば《知識の渇望》や《けちな贈り物》といった相性抜群のカードも使うことができるからだ。そうなると《壌土からの生命》も欠かせないな・・・夢は膨らむばかり。


血編み髪のエルフ》&《爆裂+破綻

 私のお気に入りカードトップ10に絶対ランクインしてくるカードとして、《ハルマゲドン》がある。残念ながらモダン環境で使うことはできないが、同じ効果を持つ《爆裂+破綻》をデッキに忍ばせておき、《血編み髪のエルフ》の続唱でめくることができれば、2マナである《爆裂》の部分が続唱の条件(3マナ以下の呪文)を満たし、そこでプレイする際に《破綻》の側を選ぶことができるため、なんと戦場の土地を全て破壊しつつ場に3/2速攻を残すことができる。
 続唱のめくり方に依存するため安定性は低いが、決まれば非常に強力なコンボなのでいい形が作れないかチャレンジしてみたいと思っている。


溶鉄の雨》&《石の雨

 最後は完全に趣味の話になってしまって申し訳ないのだが、3マナで相手の土地を破壊する呪文が世の中から消え去ってから、ずいぶん長い時間が経った。レガシーでこんな呪文をダラダラ唱えている時間はまずないが、モダンの環境であれば可能性はあるかもしれない。ほら、ずいぶん昔にあったこんなデッキをちょこっと今風に変えるだけでも強そうだと思わないか?このマナ構成で《弧炎撒き》が入るかは別として・・・

元デッキ:1999 World Championship Deck by Mark Le Pine

オリジナル
モダン対応
4 《なだれ乗り そのまま
3 《投火師 渋面の溶岩使い
4 《ジャッカルの仔 ゴブリンの先達
4 《モグの狂信者 運命の大立者
2 《弧状の稲妻 燃え上がる憤怒の祭殿
4 《呪われた巻物 噴出の稲妻
3 《ボガーダンの鎚 好きなのでこのまま、もしくは《弧炎撒き
4 《略奪 溶鉄の雨
4 《ショック 稲妻
4 《石の雨 そのまま
2 《古えの墳墓 まあこれは仕方ないので《》で。
2 《ギトゥの宿営地 そのまま
4 《不毛の大地 変わり谷》?
16 《 そのまま


 そんなことを取りとめも無いメモ書きを残しつつ、今回はモダンの一般的な紹介をさせていただいたが、次回からはより具体的に、色んなデッキに触れていこうと思っているのでお楽しみに。

 また次回お会いしましょう。


お詫び:当初、禁止カード指定されている《師範の占い独楽》が、禁止されていないかのような内容で記事を掲載しておりました。現在は当該部分を削除しております。編集の内容に誤りがあったことを深くお詫びいたします。(編集)

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