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プロツアー『イニストラードを覆う影』

観戦記事

第13回戦:Brad Nelson(アメリカ) vs. Seth Manfield(アメリカ)

青木 力
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Tobi Henke / Tr. AOKI Chikara

2016年4月23日


ブラッド・ネルソン/Brad Nelson(赤緑ゴーグル・ランプ) vs. セス・マンフィールド/Seth Manfield(エスパーコントロール)

 待ちわびていたラウンドだ。《十三恐怖症》よろしく、第13回戦は誰かにとって間違いなく不幸なラウンドだが、さて、誰にとってなのだろうか?

 赤コーナーには、元プレイヤー・オブ・ザ・イヤーにして世界ランキング23位のブラッド・ネルソン/Brad Nelsonがチーム「EUreka」ただ一人のアメリカ人として「赤緑ゴーグル・ランプ」デッキを携える。対する青コーナーの世界ランキング2位、セス・マンフィールド/Seth Manfieldはチーム「East West Bowl」の「エスパー・プレインズウォーカー・コントロール」だ。お互いに10勝2敗で、トップ8を狙える位置につけている。

「もうこっちのデッキとは対戦した?」

 ゲーム開始前のシャッフル中にネルソンが尋ねる。

「多分ね」

 慎重に答えるマンフィールド。

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友人であり、元チームメイトでもあったセス・マンフィールドとブラッド・ネルソン。プロツアーのトップ8を見据えて身構える両者。

ゲーム展開

 ネルソンは《苦しめる声》で《溺墓の寺院》を捨て、《ニッサの巡礼》を続ける。マンフィールドは4ターン目に《卓絶のナーセット》を出すことしかできず、ネルソンの《紅蓮術師のゴーグル》からの《マグマの洞察力》は放置せざるを得ない。

 ここまで記してきたネルソンのカード・ドローとマナ加速は何もアドバンテージを得ることができず、《卓絶のナーセット》の忠誠値は9になろうとしていた。対応を迫られたネルソンは《巨人の陥落》を《紅蓮術師のゴーグル》でコピーしてプレインズウォーカーをどかす。

 マンフィールドの次なるプレインズウォーカー、《秘密の解明者、ジェイス》は《龍王アタルカ》に直面する。ネルソンに都合よく進んでいるように見えるが、《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》がドラゴンを対処すると、意味のある行動が取れなくなってしまう。マンフィールドは《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》、《秘密の解明者、ジェイス》、新しい《卓絶のナーセット》と揃え、その全てが追加のドローを生み出す。

 ネルソンは《世界を壊すもの》を《溺墓の寺院》で繰り返すが、マンフィールドのプレインズウォーカーひと揃えを相手にするとパフォーマンスを発揮できない。少し間を置いて《卓絶のナーセット》の奥義が炸裂し、ネルソンはクリーチャーでない呪文を唱えられなくなってしまう。

 マンフィールドがナーセットを置き直して《死の宿敵、ソリン》を追加すると、ネルソンはジャッジに時間が何分残っているか確認し(30分)、最初のゲームを投了することにした。

 《紅蓮術師のゴーグル》を《強迫》、《面晶体の記録庫》を《否認》すると、第2ゲームはマンフィールドにとって良くなりそうだ。最初のプレインズウォーカーは《龍王アタルカ》で失うものの、ドラゴン本体が除去されるとネルソンは土地があふれてしまう。2枚の《ニッサの巡礼》のあと、14枚の土地がデッキから探されていたにも関わらず、さらに土地がある。

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マンフィールドのプレインズウォーカー達は戦場をコントロールし、カードアドバンテージを得ることに定評がある。

 一方のマンフィールドは《ヴリンの神童、ジェイス》が変身し、《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス》でカードを引き始めていても、まだ土地が5枚しかない。ネルソンが意味のあるカードを引き始めると、圧倒的なマナ優位性が狂気を示す。たとえば《ウルヴェンワルド横断》、裏向きの《棲み家の防御者》、《炎呼び、チャンドラ》を同一ターンに唱えるといったように。《炎呼び、チャンドラ》は余計な土地を《龍王アタルカ》といったカードに交換し、最終的に《紅蓮術師のゴーグル》からの《巨人の陥落》でゲームを決めた。

 マンフィールドの最初の《ヴリンの神童、ジェイス》はすぐに《引き裂く流弾》される。2枚目の《ヴリンの神童、ジェイス》は、4ターン目の《ゴブリンの闇住まい》からの《引き裂く流弾》で倒れる前に一度は起動できた。

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ネルソンのデッキは大会を通して印象深い。

 続くマンフィールドの《龍王オジュタイ》は、一回攻撃できたものの《引き裂く流弾》されてしまう。一方、《ゴブリンの闇住まい》たちが《卓絶のナーセット》を包囲するが、それぞれ《巨人の陥落》と《闇の掌握》される。

 土地以外のパーマネントが一掃されると、ネルソンはドローモードに入り、《マグマの洞察力》2枚と《面晶体の記録庫》で完璧な手札をつくり上げる。《世界を壊すもの》、裏向きの《棲み家の防御者》で《ゴブリンの闇住まい》を拾い、さらに《ウルヴェンワルド横断》を再利用。コントロールデッキがもたつく間に赤緑デッキがフル回転した。

ネルソン 2-1 マンフィールド

 マッチのあと、マンフィールドはチーム「EUreka」デッキとの対戦があったことを認めた。

「その時は勝てたけど、正直このマッチアップはやりたくないよ。」とマンフィールド。消え入るような声で続ける。「どうにか第1ゲームは取れたんだけど、サイド後の《引き裂く流弾》がね......」

 このマッチの第3ゲームで《引き裂く流弾》が果たした強力な役割を考えると驚くようなことではない。

 ネルソンはマッチアップについて同意を示し、解説してくれた。

「ゲームが長引くと我々のデッキの方がすごく強くなるのさ。第1ゲームは大雑把だろうけれど、サイドボーディング後に増量するクリーチャーたちがとても役に立つんだ。それに最低でも《龍王オジュタイ》をサイドインしてくることは知っていたしね。第2ゲームは《引き裂く流弾》を1枚しか入れなかったんだけど、第3ゲームはもう1枚入れたし、できるなら3枚目も入れるべきだったね。」

Brad Nelson - 「赤緑ゴーグル・ランプ」
プロツアー『イニストラードを覆う影』 / スタンダード[MO]
8 《
5 《
3 《燃えがらの林間地
4 《獲物道
4 《溺墓の寺院

-土地(24)-

3 《世界を壊すもの
1 《龍王アタルカ

-クリーチャー(4)-
4 《焦熱の衝動
3 《マグマの洞察力
3 《ウルヴェンワルド横断
4 《苦しめる声
4 《コジレックの帰還
4 《ニッサの巡礼
3 《巨人の陥落
2 《面晶体の記録庫
3 《紅蓮術師のゴーグル
2 《炎呼び、チャンドラ

-呪文(32)-
3 《引き裂く流弾
3 《棲み家の防御者
2 《龍詞の咆哮
3 《不屈の追跡者
2 《ゴブリンの闇住まい
1 《炎呼び、チャンドラ
1 《龍王アタルカ

-サイドボード(15)-
Seth Manfield - 「エスパー・コントロール」
プロツアー『イニストラードを覆う影』 / スタンダード[MO]
6 《
3 《
1 《平地
4 《窪み渓谷
1 《詰まった河口
4 《大草原の川
4 《乱脈な気孔
4 《進化する未開地

-土地(27)-

1 《終止符のスフィンクス

-クリーチャー(1)-
4 《予期
4 《闇の掌握
4 《究極の価格
2 《破滅の道
2 《呪文萎れ
4 《衰滅
2 《闇の誓願
1 《次元の激高
1 《シルムガルの命令
3 《卓絶のナーセット
2 《秘密の解明者、ジェイス
1 《灯の再覚醒、オブ・ニクシリス
2 《死の宿敵、ソリン

-呪文(32)-
3 《ヴリンの神童、ジェイス
2 《ゲトの裏切り者、カリタス
2 《龍王オジュタイ
2 《強迫
2 《否認
1 《精神背信
2 《苦渋の破棄
1 《無限の抹消

-サイドボード(15)-
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RESULTS

対戦結果 順位
最終
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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