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プロツアー『ゲートウォッチの誓い』

観戦記事

第12回戦:Frank Karsten(オランダ) vs. Owen Turtenwald(アメリカ)

川添 啓一
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Corbin Hosler / Tr. Keiichi Kawazoe

2016年2月6日


フランク・カーステン/Frank Karsten(親和) vs. オーウェン・ターテンワルド/Owen Turtenwald(感染/世界ランキング1位)

 2日目の構築ラウンドも始まり、プロツアー『ゲートウォッチの誓い』はさらなる盛り上がりを見せていた。トップ8争いも明白と言うには程遠い状況だが、おぼろ気ながら姿が見えつつある。フィーチャーマッチエリアに呼ばれた2人の巨人は、この第12回戦で勝利すればその争いに残れるだろう。プレイヤーランキングのトップをひた走るオーウェン・ターテンワルドと殿堂顕彰者であるフランク・カーステンは、ともに8勝3敗でこのラウンドに到達し、トップ8のためにはこのモダンラウンドを全勝で駆け抜けなければならない。

 この条件は今ここで困難なマッチに臨もうとする8人の選手全てに言えることであり、フィーチャーマッチエリアは友好的だが一方で真剣な雰囲気に包まれている。

 ターテンワルドとカーステンにとって、これは日曜日に残るための第一段階に過ぎないのだ。

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トップ8の座を確かなものにするためには勝利するしかない。勝つのは世界ランキング1位のオーウェン・ターテンワルドか、それとも殿堂のフランク・カーステンか?

デッキ

 両プレイヤーとも、エルドラージデッキがこの週末を席巻しうるかどうかについては間違いなく検討しただろう。しかし、結果的には2人とも違う選択をとった。

 カーステンは、最近のモダンの大会においてアグロ系のデッキが幾人ものプレイヤーをトップ8に導いているという確かな事実から親和という選択をした。実際、カーステンはこの選択に確信を持っており、彼と周囲のプレイヤーはこの週を他のデッキのテストではなくディズニー・ワールドに費やしたほどだった。この選択は結果として彼を助けており、現在日曜日への進出が狙える位置につけている。

 ターテンワルドは色々なデッキを試すことに長くを費やしたが、最終的にこの間口の広くなった新しいモダン環境で有利を得るため、爆発力のあるデッキ、感染を持ち込むことにした。《ぎらつかせのエルフ》・《荒廃の工作員》と強化呪文の組み合わせは、ゲームを瞬時に終わらせることができるのだ。

ゲーム展開

 親和は爆発的なスタートで知られるが、まさにこの第1ゲームでカーステンはその最も衝撃的な幕開けを見せた。両プレイヤーが初手をキープしたあと、殿堂顕彰者は圧倒的なスタートを切った――《ダークスティールの城塞》から《メムナイト》+《バネ葉の太鼓》、《オパールのモックス》からマナを出してさらに《オパールのモックス》を出し直し、1ターン目から3マナを生み出して《エーテリウムの達人》をプレイした。

 ターテンワルドのターンに入る前に、カーステンは手札のうち6枚までもを使ったのだ。返しにターテンワルドにできることは《ぎらつかせのエルフ》を呼ぶことだけだったが、それもカーステンが《頭蓋囲い》を装備しパワー12になった《エーテリウムの達人》で攻撃しブロックを強いた。次のドローで《四肢切断》を引けなかったことを確かめると、ターテンワルドは速やかに片付けて次のゲームへと向かった。

 両プレイヤーはサイドボードを始めたが、それはつまりターテンワルドはアーティファクト破壊を、カーステンは《ギラプールの霊気格子》と《呪文滑り》を取るということだ。次のゲームでターテンワルドは、第1ターンの《鋼の監視者》や《羽ばたき飛行機械》をそれぞれ《よじれた映像》や《自然の要求》で処理したが、それは明らかに当然のことだった。綺麗になった戦場に《ギラプールの霊気格子》が現れたが、ターテンワルドは2枚目の《自然の要求》でこの危険なエンチャントにも対処した。

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カーステンは会場内の親和使いから最も尊敬されている一人だ

 再び空いた道をターテンワルドの《墨蛾の生息地》が攻め始める。次のターンには《荒廃の工作員》も加わり、《古きクローサの力》がこのゲームを電撃的に終わらせた。

 最終ゲーム、彼らは自身の初手について言葉を交わした。カーステンは7枚をキープしたが、ターテンワルドは5枚まで手札を減らした。

 このマッチで初めてカーステンは爆発的なスタートを見せず、《ちらつき蛾の生息地》を置いてターンを終えた。一方ターテンワルドもまた土地と《貴族の教主》をプレイしたのみでターンを返した。

 《電結の荒廃者》、《呪文滑り》とカーステンは続けて展開し盤面を活気づかせるが、攻める手としては遅い。ターテンワルドは《呪文滑り》を《自然の要求》で除去し、脅威となる《荒廃の工作員》をプレイした。次のターンには《怨恨》が追加されてさらに脅威を増し、《貴族の教主》の能力もあり毒4つのクロックを刻み始めた。

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ターテンワルドはThe Pantheonの一員として、過去のプロツアー以上に長い準備をしてきた

 カーステンはアンタップしてもう一度攻撃し、次のターンに自らが勝てる状況を作ろうとした。しかし、それは同時に自身が敗北する可能性をも作ったのだ。トップランカーはこのチャンスを見逃さず、持っていた《古きクローサの力》でゲームに幕を引いたのだった。

 マッチ後に握手を交わした時、ターテンワルドはゲーム中の様子からは一切伺い知れなかったような爆弾発言をした。

「実は土地無しでキープしたんだ」」と。説明していわく、「君のデッキに対する勝率はマリガンするごとに大きく下がる。俺の手札は《貴族の教主》、《怨恨》、《自然の要求》、《荒廃の工作員》、そして《ヴィリジアンの堕落者》だった。占術とドローステップ、そして《ギタクシア派の調査》のことを考えれば、トップ2枚から最低2回は土地を探せるはずなんだ。あの手札は、そのリスクを取るに見合うだけ良い手札だったんだよ」

 それは実に計算されたリスクであり、そして結果、世界ランキング1位にこの勝利を、ひいてはトップ8への希望を繋ぐことをもたらしたのだった。

Owen Turtenwald - 「感染」
プロツアー『ゲートウォッチの誓い』[MO]
4 《墨蛾の生息地
3 《繁殖池
3 《樹木茂る山麓
2 《
2 《霧深い雨林
2 《ペンデルヘイヴン
2 《新緑の地下墓地
2 《吹きさらしの荒野

-土地(20)-

4 《ぎらつかせのエルフ
4 《貴族の教主
4 《荒廃の工作員
1 《ヴィリジアンの堕落者

-クリーチャー(13)-
4 《ギタクシア派の調査
4 《古きクローサの力
4 《巨森の蔦
2 《怨恨
2 《呪文貫き
2 《よじれた映像
1 《地うねり
1 《変異原性の成長
2 《使徒の祝福
1 《四肢切断
4 《強大化

-呪文(27)-
1 《ドライアドの東屋
3 《自然の要求
2 《払拭
1 《呪文貫き
1 《よじれた映像
3 《台所の嫌がらせ屋
2 《四肢切断
1 《ヴィリジアンの堕落者
1 《野生の抵抗

-サイドボード(15)-
Frank Karsten - 「親和」
プロツアー『ゲートウォッチの誓い』[MO]
4 《ちらつき蛾の生息地
4 《ダークスティールの城塞
4 《空僻地
4 《墨蛾の生息地
1 《

-土地(17)-

4 《羽ばたき飛行機械
3 《メムナイト
4 《信号の邪魔者
4 《電結の荒廃者
4 《鋼の監視者
4 《大霊堂のスカージ
1 《呪文滑り
4 《エーテリウムの達人

-クリーチャー(28)-
4 《オパールのモックス
4 《バネ葉の太鼓
1 《感電破
4 《頭蓋囲い
1 《アーティファクトの魂込め
1 《物読み

-呪文(15)-
1 《海門の残骸
1 《墓掘りの檻
1 《頑固な否認
1 《思考囲い
2 《古えの遺恨
1 《虚空の杯
1 《呪文滑り
1 《鞭打ち炎
3 《刻まれた勇者
2 《ギラプールの霊気格子
1 《四肢切断

-サイドボード(15)-
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RESULTS

対戦結果 順位
16 16
15 15
14 14
13 13
12 12
11 11
10 10
9 9
8 8
7 7
6 6
5 5
4 4
3 3
2 2
1 1

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