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(翻訳記事)Round 13: Jon Finkel(アメリカ) vs. 八十岡 翔太(日本・東京)

Tim Willoughby / Translated by Yusuke Yoshikawa



「やあ。ジョンだ、よろしく」

 Jon Finkelはフィーチャーマッチエリアに現れると、対戦相手の八十岡翔太に笑いかけながら握手を求めた。八十岡も笑い返しながら、自己紹介をして握手を返した。

 トーナメント制度が比較的未整備だったことを考えても、Finkelが歴代最高のマジック・プレイヤーの一人であることは衆目の一致するところだろう。

 一方の八十岡もプレイヤー・オブ・ザ・イヤー経験者であり、革新的なコントロールデッキを極めて高いレベルで仕上げることでも知られ、そのことはここまでの成績からも明らかだろう。


Finkelと八十岡は感じよく丁寧な手続きを交わす。

Game 1

 2個のダイスロールで八十岡は11を出したが、Finkelは12を出し、先攻を選んだ。

 Finkelはまず《ギタクシア派の調査》から入り、《漸増爆弾》2枚と、《闇滑りの岸》《》《破滅の刃》《呪文滑り》と《血統の守り手》を確認した。八十岡の手札は強固だが、Finkelに情報をすべて握られてしまったことでその優位性も少し失われただろう。

 次の動きは《瞬唱の魔道士》からの《ギタクシア派の調査》で、これには《破滅の刃》が合わせられる。《ドラグスコルの隊長》がFinkelの軍勢に加わるが、今度は《ヴェールのリリアナ》で除去された。

 Finkelは平静を保つ。わずかに鼻を鳴らし、2枚目の《ドラグスコルの隊長》をキャストすると、八十岡の対応が《呪文滑り》と《漸増爆弾》だけであることに満足したようだった。

 ここで、八十岡は《ヴェールのリリアナ》のディスカード能力を使わなかった。これはこのプレインズウォーカーをとっておくつもりはないということで、同時に、この日本人プロの手札のカードをFinkelのそれよりも明確に高く見積もっているということだった。

 Finkelは《幻影の像》をキャストし、これを《ドラグスコルの隊長》の分身とすると、本体で《ヴェールのリリアナ》へと攻撃してこれを排除、《神への捧げ物》で《呪文滑り》を破壊した。

 八十岡は《血統の守り手》をキャストするための土地を残しており、事実そうした。この大きな吸血鬼に対しては《蒸気の絡みつき》があり、加えて、脅威を排除するその時を待っていた《漸増爆弾》には、《存在の破棄》が合わせられた。


Finkelは静かに、何気なく脅威を取り除いていく。

 Finkelは《血統の守り手》が2度目の着地をしたときには手札を使い果たしていたが、この殿堂プレイヤーはすでに11点のダメージを与えていた。さらに6点分の攻撃をすると、八十岡は《血統の守り手》を失うことを嫌ってブロックしなかった。

 八十岡は2体の《ドラグスコルの隊長》が与えるダメージ分のライフをまかなえる《ワームとぐろエンジン》を持っていたのだが、ターン終了時に追加される《ムーアランドの憑依地》からのスピリットが、ダメージレースを制するに十分な力をFinkelに与え、八十岡のパワフルなレアにゲームの主導権を渡す時間を与えないのだった。

Jon Finkel 1, 八十岡 翔太 0


Game 2

 八十岡は第2ゲームのプレイを、Finkelの手札の《秘密を掘り下げる者》を《蔑み》で抜き取るところから始めた。2体目は《喉首狙い》して、《呪文滑り》が続いた。

 Finkelは《未練ある魂》で2体のスピリット・トークンを生み出したのに対し、八十岡は4枚目の土地を置けずにターンを返した。これはFinkelに対して良い知らせだった。八十岡の土地はは《》1枚と《》2枚のみで、Finkelが《未練ある魂》をフラッシュバックして軍勢を増強し、加えて《神への捧げ物》で《呪文滑り》を除去するのに対して、何の具体的なアクションもできなかった。


八十岡のコントロールデッキは、必要な土地を出すのに汲々としてしまった。

 《ドラグスコルの隊長》の出現で、八十岡のライフは10に落ち込んだ。彼は軽くデッキを叩き、《黒の太陽の頂点》を探し求めたのだが、あったのは《ドラグスコルの隊長》をコピーできる《幻影の像》だけだった。

 それに対し、Finkelはもう1枚の《ドラグスコルの隊長》を出し、稲妻のごとき速さでゲームを終わらせたのだった。

Jon Finkel 2, 八十岡 翔太 0

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