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プロツアー『霊気紛争』

観戦記事

第16回戦:Paulo Vitor Damo da Rosa(ブラジル) vs. Ben Rubin(アメリカ)

川添 啓一
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Meghan Wolff / Tr. Keiichi Kawazoe

2017年2月4日


パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ/Paulo Vitor Damo da Rosa(世界ランキング7位/マルドゥ機体) vs. ベン・ルービン/Ben Rubin(黒緑昂揚)

 これがプロツアー『霊気紛争』のスイスラウンド最終戦であり、400人を超えるプレイヤーのごく一部がこの最終戦までトップ8の目を残して生き延びている。

 この会場の片側で、2日目に進出したプレイヤーは最終戦を戦っている。その中では、次のプロツアーへの招待を得るためだったり、チームのためにプロ・ポイントを少しでも積み上げるためだったり、という理由でより良い順位を獲得するべく戦っている者もいる。

 ステージでは、プロツアー殿堂の2人のメンバー、ベン・ルービンとパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサが、トロフィーを囲んで3つ設置されたフィーチャー・マッチ・テーブルの1つで向かい合っていた。ステージとそこに集まったプレイヤーは静まり返っており、彼らの頭はシャッフルに合わせて上を向いていた。マッチの時間はまだ始まっていなかったが、ダモ・ダ・ロサは歩いていたジャッジを呼び止めた。

「ちょっとメールしてきていいですか? 不在の連絡を入れたいんです」

 ダモ・ダ・ロサとルービンのマッチの勝者が果たしてトップ8に残れるのかは定かではないが、少なくとも可能性はあった。翌日の競技に進出するということは価値のあることであり、たとえ2人にとって初めてのプロツアー・トップ8がかなり昔の話であったとしても、簡単に投げ捨てられるものではないのだ。

 ベン・ルービンとパウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサは合わせて30年にも及ぶマジックの競技人生を送ってきている。ルービンが最初にプロツアーのトップ8に進出したのは1998年、彼がまだ15歳のときだったが、結局彼はそのまま決勝まで進んでいる。2008年にはプロツアー殿堂にも選出され、その後数年間のブランクを経て2015年に復帰した。

 ダモ・ダ・ロサの最初のプロツアーは2006年で、そこから彼のキャリアが始まった。2011年には史上最年少で生涯プロ・ポイント300点を達成し、2012年には南米出身者としては初のプロツアー殿堂顕彰者となった。

 2人の成績を合計すると、プロツアーのトップ8は9回、グランプリのトップ8は25回にも及ぶ。この衝撃的な戦績に、今回マッチの――そしてタイブレークの――結果次第でもう1つのトップ8を加えることになる。

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プロ・マジック界の2人の巨人は、トップ8の可能性を賭けてスイス最終戦で激突した

ゲーム展開

 第1ゲーム、ルービンが先手を取った。彼は1回マリガンした後の占術で、カードをトップに置いた。

 ルービンはアンタップ状態の《秘密の中庭》によって、ダモ・ダ・ロサの《模範的な造り手》を《致命的な一押し》で除去することができた。そして、ルービンは《屑鉄場のたかり屋》を戻し脅威を展開した。ダモ・ダ・ロサは、対して《キランの真意号》を唱えたが、まだ搭乗するクリーチャーはいなかった。

 第3ターン、ルービンは《ピーマの改革派、リシュカー》で《屑鉄場のたかり屋》にカウンターを載せてパワー4とし、ダモ・ダ・ロサのライフを詰めはじめた。ダモ・ダ・ロサはこれに《スレイベンの検査官》と《屑鉄場のたかり屋》で応え、《キランの真意号》によって4点を刻めるようにした。

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ダモ・ダ・ロサはジョン・フィンケル/Jon Finkelやカイ・ブッディ/Kai Buddeと並び立てて語られる、このゲームを代表する優れたプレイヤーの一人だ

 両者とも、この早いライフレースをより確実に制するためにどう盤面を構築するべきかと、第4ターンのプレイを熟考した。

 結局、ルービンは《ウルヴェンワルド横断》で《》を探し、そこからフルタップして《ピーマの改革派、リシュカー》と《屑鉄場のたかり屋》からさらにマナを出し、《新緑の機械巨人》を唱えた。盤面のパワー合計は15という状況でターンを返したが、しかしこのターンは1点のダメージも与えていない。

 ダモ・ダ・ロサは一方《屑鉄場のたかり屋》が搭乗した《キランの真意号》で4点を刻み、《ピア・ナラー》を追加した。

 ルービンが3体のアタッカーをレッドゾーンに押し出し、何もしなければダモ・ダ・ロサのライフを1まで削るという状況を作った。ダモ・ダ・ロサは手を止めて少し考える。彼の次のターンに返せる攻撃の可能性を数え、そしてこの15点を甘受した。

 ルービンの使うようなデッキには《歩行バリスタ》が含まれていることもあり、もし手札にそれがあれば、ブロックせずにライフ1になることは負けを意味している。ブロックすれば致命傷を避けることができるし、《キランの真意号》と《屑鉄場のたかり屋》の交換なら割は合う。

 ダモ・ダ・ロサはブロックしなかった。ルービンは《巻きつき蛇》を唱え、そして少し考えてからターンを返した。

 第5ターン、残りライフ1となったダモ・ダ・ロサは《スレイベンの検査官》を唱え、手掛かり・トークンを《ピア・ナラー》の2番目の能力で生け贄に捧げ、《巻きつき蛇》をブロック不可にした。彼はパワー合計11で攻撃し、そして《キランの真意号》を《ピア・ナラー》の1つ目の能力でパンプ・アップすると、致死ダメージ12点を叩き出した。

 両者は、トップ8に向けて必要なカードをサイドボードから選びはじめた。すでにマッチを終えた彼らのチームメイトがフィーチャー・マッチ・エリアを囲みはじめている。

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歴戦の戦士ベン・ルービンは、スイス最終戦で生き残りを賭けて戦っている

 ルービンは再度先手をとり、そしてまたマリガンした。今度は、占術でカードを下に送る。

 立ち上がり、ルービンは《霊気拠点》から《ウルヴェンワルド横断》で《》を探す。これは彼のマナ基盤が少し良くない状況であることを示している。一方ダモ・ダ・ロサは第1ターンに《模範的な造り手》を唱え、今度はこのクリーチャーは生きて次のターンを迎えた。

 ルービンは《森の代言者》を唱えるが、ダモ・ダ・ロサは《模範的な造り手》との交換を嫌って《致命的な一押し》で対処し、そして《スレイベンの検査官》を出し、3点のアタックとした。

 土地が3ターン目で止まってしまい、ルービンは何もプレイできなかった。ダモ・ダ・ロサは2枚目の《スレイベンの検査官》を追加して4点のアタックでターンを返す。彼のクリーチャーは確かに小粒だが、無視できないアドバンテージを稼いでいる。

 やっと3枚目の土地を引き当てたルービンは、《》によって《残忍な剥ぎ取り》を出し、次の攻撃で《模範的な造り手》と相打ちを取った。戦況は少し持ち直したかに見えたが、しかしダモ・ダ・ロサは《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》を追加してターンを返した。

 ルービンの《ピーマの改革派、リシュカー》は《無許可の分解》の前には頼りない壁でしかなく、そしてダモ・ダ・ロサの総攻撃でついにライフ1まで追い込まれた。カウンターがたった1つの《歩行バリスタ》はこの状況ではまったく不足であり、しかも《ピア・ナラー》がブロックに参加することさえ許さなかった。

 ステージの反対側に座って見ていた南米のプロプレイヤーたちは沸き立ち、そしてチームメイトが横から祝いの言葉をかけた。

パウロ・ヴィター・ダモ・ダ・ロサ 2-0 ベン・ルービン

Paulo Vitor Damo da Rosa - 「マルドゥ機体」
プロツアー『霊気紛争』 / スタンダード (2017年2月3~5日)[MO]
4 《平地
2 《
4 《感動的な眺望所
1 《鋭い突端
4 《秘密の中庭
1 《乱脈な気孔
2 《尖塔断の運河
4 《産業の塔
1 《霊気拠点

-土地(23)-

4 《スレイベンの検査官
4 《模範的な造り手
4 《屑鉄場のたかり屋
4 《経験豊富な操縦者
2 《模範操縦士、デパラ
2 《ピア・ナラー

-クリーチャー(20)-
3 《ショック
4 《無許可の分解
4 《キランの真意号
2 《耕作者の荷馬車
4 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン

-呪文(17)-
2 《異端聖戦士、サリア
2 《儀礼的拒否
2 《致命的な一押し
3 《金属の叱責
2 《グレムリン解放
1 《耕作者の荷馬車
1 《反逆の先導者、チャンドラ
2 《尖塔断の運河

-サイドボード(15)-
Ben Rubin - 「黒緑昂揚」
プロツアー『霊気紛争』 / スタンダード (2017年2月3~5日)[MO]
5 《
2 《
4 《花盛りの湿地
4 《風切る泥沼
3 《植物の聖域
1 《霊気拠点
4 《進化する未開地

-土地(23)-

4 《巻きつき蛇
3 《残忍な剥ぎ取り
3 《屑鉄場のたかり屋
2 《才気ある霊基体
1 《森の代言者
3 《ピーマの改革派、リシュカー
2 《不屈の追跡者
1 《精神壊しの悪魔
3 《新緑の機械巨人
4 《歩行バリスタ

-クリーチャー(26)-
4 《ウルヴェンワルド横断
3 《致命的な一押し
2 《闇の掌握
1 《殺害
1 《破滅の道

-呪文(11)-
2 《不屈の追跡者
1 《墓後家蜘蛛、イシュカナ
1 《害悪の機械巨人
1 《致命的な一押し
1 《自然のままに
2 《自然廃退
4 《金属の叱責
1 《餌食
1 《生命の力、ニッサ
1 《

-サイドボード(15)-
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