EVENT COVERAGE

The Limits11

読み物

準決勝: 三村 彰史(兵庫) vs. 関根 尚人(神奈川)

By Shiro Wakayama  オールカードロチェスタードラフトという、ほぼ練習ができないフェアリーフォーマット。  そもそも、ロチェスタードラフトというフォーマット自体が、5年程前にトーナメントシーンから姿を消している。  当然ながら、このフォーマットの経験が全く無いプレイヤーも多数いるわけで、準決勝まで上がってきたのは、今日の朝、ヘッドジャッジからの「ロチェスターやったことない人はいますか?」という問いに挙手していた二人。  経験は無くとも、ここまで勝ち上がってきた二人。当然そのリミテッドスキルは折り紙つき。  《血の贈与の悪魔》《血統の切断》《深淵からの魂刈り》《死の支配の呪い》というボム重視/単色気味のピックから、卓の状況を冷静に分析して、青へと参入し、除去+ボムという典型的な青黒コントロールをピックした関根。  対する三村は、《ケッシグの檻破り》《小悪魔の遊び》《護符破りの小悪魔》《扇動する集団》に《硫黄の流弾》等の優良除去を含むオーソドックスな赤緑を構築。  きっちりとした形のデッキを作りながらも、最終的に卓に"発掘"というアーキタイプが存在しなかったのは、《蜘蛛の発生》等の主要パーツを的確にカットした三村の隠れたグッドプレイの賜物だろう。  アグロな構成の三村が押し切るか。ボムを多数擁する関根がコントロールするか。決勝戦のテーブルへと駒を進めるのがどちらのプレイヤーなのか。  激戦を見届けよう。

Game 1

三村 彰史
三村 彰史
 手札を開いた瞬間に、「びみょーーーー。」と呟く。  二日間のトーナメントを勝ち抜き、超長時間のピック時間を経て、なんだか奇妙な連帯感を持った二人は、妙にフレンドリーな雰囲気が場にはある。結局マリガンをした三村。6枚の手札には満足して、ゲーム開始を宣言。  ファーストアクションは三村の《灰口の猟犬》。軽量クリーチャーと《ケッシグの狼の地》、優良なスペルを擁する三村が、下馬評通りライフを削りにかかる。  これに対して関根は《甲冑のスカーブ》がファーストアクション。墓地に送り込まれた4枚に《死の支配の呪い》があり、少し残念そうな表情をする関根。  《甲冑のスカーブ》が仁王立ちしている関根の場。これを全く意に介さず《灰口の猟犬》でアタック。これがブロックされると、《蜘蛛の掌握》で《甲冑のスカーブ》を一方的に打ち取る。  少し性急なプレイにも見えるが、関根は多くの強力カードを擁しており、自身のデッキのクリーチャー構成的にもこの1/4では止まっていられないとの判断か。  相手のデッキ構成が殆どわかっているロチェスターならではの攻防だ。  早くライフを削りたい三村に対して、《その場しのぎのやっかいもの》をプレイする関根。逆に1サイズ上の生物を用意される。  しかし、三村は準決勝で関根とマッチアップすることを見越していたかのような、《墓所の茨》。準々決勝の相手である山内の白緑ビートに対して投入したこのブロッカーが、関根に対して望外に突き刺さる。  これで少し膠着したかと思った束の間、関根の戦場にボム第1号として、《血の贈与の悪魔》が現れる。  思うようにライフを削れていない三村は、これを放置することはできない。《霊炎》からの《捕食》+《墓所の茨》の合わせ技で、1:3交換と非常に厳しいながらも、これを打ち取って、ワンサイドゲームになることを防ぐ。  だが、致し方ないながらも、無理をした三村の場は《灰口の猟犬》だけ。逆に関根が攻勢の狼煙を上げて、《その場しのぎのやっかいもの》で攻撃。さらに《グール起こし》で《甲冑のスカーブ》を回収して、プレイ。1枚のレアが、対処されようとも多くのリソースを奪い、一気に関根に天秤が傾く。  《グール起こし》《その場しのぎのやっかいもの》《甲冑のスカーブ》をレッドゾーンへと送り込む関根。《灰口の猟犬》が《グール起こし》と相打ちし、三村のライフは11点となる。  三村は、ここで《護符破りの小悪魔》をプレイして形勢逆転を狙うが、関根の回答はあまりにも完璧だった。  《邪悪な双子》で《護符破りの小悪魔》をコピーした上で、クリーチャーが《護符破りの小悪魔》しかいない三村に対して、《飢えへの貢ぎ物》。 三村 0-1 関根

Game 2

関根 尚人
関根 尚人
 今度はお互いにマリガン無し。  先手の三村が《灰口の猟犬》を出すと、関根は《縫い師の見習い》で応戦。ブロッカーに対して、またも突貫する《灰口の猟犬》。コンバットトリックを匂わせる。  少し悩む関根だがこれをブロック。  三村が持っていたのは《霊炎》で、《灰口の猟犬》の効果が誘発したところでこれをプレイして、一方的に討ち取る。  ダメージレース要員の《吸血鬼の侵入者》をプレイする関根に対して、三村は《クルーインの無法者》をプレイ。さらにこれに《継ぎ当ての翼》をつけて、変身する機会を窺う。  関根は《邪悪な双子》で《クルーインの無法者》をコピーするが、これは《硫黄の流弾》で即除去。  《夜の犠牲》で《灰口の猟犬》は処理するものの、《クルーインの無法者》はとまらない。さらに《果樹園の霊魂》を戦場に追加して、すこしづつ盤面を有利にしていく三村。  だが、ここで6マナに到達した関根は、ボム2号、《深淵からの魂刈り》をプレイする。  これを対処できなければ、関根のデッキに除去が大量にある故に一気にゲームが傾いてしまうかもしれない危険性を孕んでいるが、三村のライブラリトップから現れたのは《護符破りの小悪魔》。墓地にあるのは《霊炎》と《硫黄の流弾》。  Game1では活躍できなかった悪魔だが、ここで《硫黄の流弾》が回収できれば、大当たり。  《深淵からの魂刈り》は生き残ったものの、除去呪文を持っていない関根。《護符破りの小悪魔》は生き残ってしまい、ランダムで回収される呪文は《硫黄の流弾》。そして、さらなるトップデッキは《ケッシグの狼の地》!!
 スタンダードはもちろん、ZOOにタッチすることでモダンでも結果を残したこのカードが、リミテッドで弱いわけがない。  《深淵からの魂刈り》がいるにもかかわらず、《果樹園の霊魂》《護符破りの小悪魔》《クルーインの無法者》を躊躇なくレッドゾーンへと送り込む三村。  ネックである《護符破りの小悪魔》を《深淵からの魂刈り》でブロック。《ケッシグの狼の地》によって《深淵からの魂刈り》が死亡し、さらにダメージが突き抜ける。これによって、一気に8点のダメージが入り、関根のライフは2へ。  さきほど回収された《硫黄の流弾》が関根のライフを削りきった。 三村 1-1 関根

Game 3

 2ターン目《ケッシグの狼の地》セットからの《灰口の猟犬》スタート。さらに3ターン目には《ハンウィアーの砦守り》を展開する。対する先手の関根のファーストアクションは、4ターン目に《夜の犠牲》を《灰口の猟犬》と、少し冴えない。  だが、三村は三村で《》を引き込めず、追加で《村の鉄鍛冶》を展開するのみ。関根は《猛火の松明》をプレイして、変身を避けるに留まる。  やっと《》を引き込んだ三村だが、ここは《村の鉄鍛冶》と《ハンウィアーの砦守り》を変身させることを選択して、盤面の構築よりもライフレースで先行することを優先させる。  6マナに到達した関根。強力なレアが出てきそうなタイミング。当然のように出てくる《深淵からの魂刈り》。  手札に《待ち伏せのバイパー》、《捕食》とある三村だが、緑マナが1つしかなく、すぐに除去をすることができない。変身した狼男軍団で、先にライフを削ろうと画策する。2体で殴って、関根のライフを9に。  《甲冑のスカーブ》をプレイして、防戦に回る関根。関根のターン終了時に《待ち伏せのバイパー》をプレイして、《捕食》によるジャイアントキリングを狙うが、不気味に起きている関根の3マナ。  《捕食》にスタックで《待ち伏せのバイパー》が除去されてしまうことを嫌い、《蜘蛛の発生》で場を凌ごうとする三村。  しかし、これに対しては、《飢えへの貢ぎ物》で蜘蛛トークンを1体減らしつつ、《待ち伏せのバイパー》が《深淵からの魂刈り》の陰鬱効果によって、破壊されてしまい、《深淵からの魂刈り》への対処方法が無くなってしまう。  だんだんとジリ貧になっていってしまう三村。関根の場には、《縫い師の見習い》も追加され、陰鬱システムができ上がってしまう。  《果樹園の霊魂》を2枚連続でプレイし、《ケッシグの狼の地》のバックアップを受けながら、懸命に関根のライフを削る三村だが、盤石の態勢を創り上げた関根には隙は無く。  関根が決勝へと駒を進めた。 三村 1-2 関根
  • この記事をシェアする