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日本選手権11
Round 3: 北山 雅也(2007) vs. 中村 修平(2009)
By 津村 健志
現在2連勝中の2人の対戦。どちらもデッキは相当に強いようだが、やはり北山のデッキは頭ひとつ飛びぬけている模様。北山のデッキはレア満載の緑青タッチ白で、中村のデッキは《審判の日》と《ギデオン・ジュラ》の入った青白デッキだ。
お互いに旧知の仲ということで、仲良く談笑しながらゲームが始まる。
先手の北山がマリガンをしただけで、中村が煽る煽る。
しかしその煽りにもマリガンにも負けず、北山が怒涛の勢いを見せる。1ターン目から《極楽鳥》→《マーフォークの物あさり》→《棍棒のトロール》と流れるように展開したのだ。
中村も《ギデオンの法の番人》《蒼穹の魔道士》《雪花石の魔道士》でこれらに立ち向かうが、北山が《霊気の達人》で《ギデオンの法の番人》をバウンスすると、《棍棒のトロール》が殴る殴る。
中村は《グリフィンの歩哨》と《ギデオンの法の番人》を出し直すが、タッパーは《アラクナスの蜘蛛の巣》で置き物同然に。
中村が止まれトロール!っと願いを込めて戦場に送りこんだ《鐘塔のスフィンクス》も《忘却の輪》であっさりとご退場。ここまでご覧になっていただいているように、北山はレアだけでなく、脇を固めるカードも相当に強い。
中村はトップデックした《平和な心》をもってして、ようやく《棍棒のトロール》を黙らせることに成功する。北山が何も引かない間に2体目の《鐘塔のスフィンクス》をキャストし、航空戦力で主導権を握ろうとするが、北山は追加の《霊気の達人》で《鐘塔のスフィンクス》をバウンスし、1枚目の爆弾カードである《原初の狩人、ガラク》を戦場へ。もちろんトークンを生産して物量に差をつける。
しかしながら、中村もこの勝負どころで《ギデオン・ジュラ》をトップデック!すぐさまプラス能力を起動し、次のターンに手札の《審判の日》と組み合わせることで、《原初の狩人、ガラク》を倒す算段を立てる。
だが北山はデッキパワーの差を見せつけるかのように《記憶の熟達者、ジェイス》をキャストする。
リミテッドとは思えない、まさかまさかのプレインズウォーカーが3体も並ぶという前代未聞の展開に、プレイしている両者もギャラリーも沸きに沸く。中村の声はただの悲鳴だが。
とりあえず目の前の脅威をひとつずつ対処していこうと、《審判の日》→《ギデオン・ジュラ》をクリーチャー化してのアタックで《記憶の熟達者、ジェイス》は葬った中村。
北山は何も引かなかったようで、ドロー後に《原初の狩人、ガラク》でトークンを出して、最終奥義を狙う構えに。現在《原初の狩人、ガラク》の忠誠度は5なので、何もなければ2ターン後には最終奥義が起動できる。
ここで中村は《原初の狩人、ガラク》のテキストを読んでから一言。
中村 「最終奥義たいしたことないじゃん。」
北山&ギャラリー 「え~~~~!?」
その昔、口三味線をひくことで有名だった中村だが、この発言の意図とは?
実際に中村は《原初の狩人、ガラク》の最終奥義にあまり関心がないようで、《ギデオン・ジュラ》でアタックしてトークンにチャンプブロックを強制させるが、戦闘後に《セラの天使》を追加するのではなく、《予言》をキャストしてターンを終える。
北山は今引いたばかりの《大蜘蛛》と、トークンを出してターンを返す。いよいよ次のターンには《原初の狩人、ガラク》が爆発する。
中村は相変わらず《ギデオン・ジュラ》で《原初の狩人、ガラク》を狙うのだが、トークンに阻まれ忠誠度が減らせない。《セラの天使》を追加しただけでターンを返した中村に対し、ドローが土地ばかりで、他に選択肢のない北山はもちろん《原初の狩人、ガラク》の最終奥義を起動する。
一気に豪華8体もの6/6トークンを手に入れ、パッと見では盤面上の有利を得るのだが北山が懸念しているのは、中村が余裕を持って言い放った先ほどの言葉の真意だ。2枚目の《審判の日》なのか? それとも他に何か打つ手があるのか?
全員が固唾を飲んで見守る中、中村がもう一度《原初の狩人、ガラク》を手に取ってテキストを読み始める。
中村 「え?最終奥義ってそんな強い能力なん?」
北山&ギャラリー 「え~~~~!?」
さきほどとは全く別の戦慄がギャラリーの間を駆け巡る。世界でも有数のトッププレイヤーであれど、発売直後にはこのような勘違いをしてしまうのだ。
結局、この勘違いは高くついてしまい、長かった1本目は北山が先取。
北山 1-0 中村
普通のゲームとは違い、サイドボードが100枚以上あるこの「スーパーシールド」では、2試合目以降のオプションも実に多様で、色を変えることも容易だし、カードプールによってはデッキを2つ組むことも可能だ。
はたして、2人の日本王者はどのようなプランを目指すのか?
先手の中村が《マーフォークの物あさり》、後手の北山が《不屈の自然》と、またも両者共に良い立ち上がりなのだが、3ターン目に中村がキャストしたカードを見て北山が悲鳴をあげる。
そのカードとは《ジェイスの消去》である。百戦練磨の中村は、カードパワーで勝る北山に真っ向から立ち向かうのではなく、ライブラリーアウトという軸をずらした戦いを2戦目に用意してきたのだ。
返すターンで北山はすぐさま《アラクナスの蜘蛛の巣》を唱え、《マーフォークの物あさり》を除去。《ジェイスの消去》の状況下では、なおのことルーターを放っておくわけにはいかない。
土地を置いただけで動きのない中村を尻目に、《忘却の輪》で《ジェイスの消去》をも対処する北山。
続くターンに中村がキャストした2枚目の《ジェイスの消去》も《否認》で打ち消し、中村のプランを徹底的に阻害する。
さらに《酸のスライム》で中村陣営の《島》を破壊。土地が4枚で止まっていた中村の戦場は、《島》が1枚と《平地》が2枚だけのさみしいものになってしまう。
中村は《ギデオンの法の番人》こそ引けたものの、その後数ターンに渡って追加の土地は引けず、ドローゴーを繰り返すのみ。北山の《原初の狩人、ガラク》を《否認》で打ち消し、ぎりぎりのところで踏みとどまっている中村ではあったが、北山が《霊気の達人》で自身の《酸のスライム》をバウンス→再召喚で中村の《島》を破壊すると、中村の土地はまたも《平地》のみに。
なんとか《平地》を連続で引き込み、《正義の執政官》を召喚することができた中村だったのだが、北山は《平和な心》であっさりとこれを退け、さらにトップデッキした《原始のタイタン》で一気にゲームを決めにかかる。
北山 「ついでにこれもいっとくかー!」
と最後の手札である《アラクナスの蜘蛛の巣》も《ギデオンの法の番人》に付けて完全にノリノリの北山。
だが中村もそう簡単には引き下がらない。返すターンにカードを引いた中村自身も驚きながらにキャストしたカードはなんと《審判の日》!
《正義の執政官》の死に土産で北山の《忘却の輪》を追放し、戦場には中村の《ジェイスの消去》だけが残り、手札も北山0枚vs中村5枚という俄然有利な展開まで持ち直した。
一方で何もかも失ってしまい、あからさまに落ち込んだ表情の北山だったが、次のドローを見た瞬間に顔色が変わる。
北山 「ファークトアフィークショーン♪」
とリズムに乗って戦場に現れたのは《ウスーンのスフィンクス》・・・これだけの数のレアを見せつけられると、さすがの中村も苦笑いするしかない。
がんばれ中村!負けるな中村!そんなギャラリーの声援が聞こえてきそうな展開だが、「Fact or Fiction」=《嘘か真か》効果でめくれた5枚を見て、さらに一同仰天。
Game 1
2007年王者・北山 雅也 | |
Game 2
2009年王者・中村 修平 |
- 《島》
- 《大蜘蛛》
- 《アラクナスの紡ぎ手》
- 《真面目な身代わり》
- 《記憶の熟達者、ジェイス》
RESULTS 本大会の対戦結果・順位
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