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グランプリ・シドニー2016

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最終決戦!グランプリマスターレースの行方は!?

By 伊藤 敦

 グランプリ・シドニー2016は、2015-2016シーズンの締めくくりとなるプロツアー『異界月』の前週に開催されている。

 そしてそれは、このシーズンのプロポイントを獲得するチャンスがあと2回しかないことを意味している。

 3つのプロレベル......プラチナ・レベル(50点)、ゴールド・レベル(33点)、シルバー・レベル(18点)とそれぞれ設定されたボーダーラインを目指し、次の2015-2016シーズンでもプロツアーで戦う権利を少しでも多く、少しでも有利な条件で獲得したい者たちにとって、このチャンスは逃すわけにはいかないものだ。

 また、それに加えてこのグランプリの2日目に行われる『異界月』『イニストラードを覆う影』ドラフトは、プロツアー『異界月』でも採用されているフォーマットでもある。グランプリと翌週のプロツアーの開催場所が同一ということもあり、強豪たちにとってはプロツアーの練習にうってつけの大会でもあるというわけだ。

 そういった理由からこのグランプリ・シドニー2016は、極めて多くのプロプレイヤーが参加しているハイレベルなトーナメントとなっているのだが......実はそれに加えてこのグランプリは、とある権利を巡っての最終決戦の舞台でもあるのだ。

 その最終決戦とは、グランプリマスターレース

 9月に開催されるプロマジックの最高峰の大会、マジック:ザ・ギャザリング世界選手権2016に出場できるのは、世界トップの選ばれし24名のみ。そして2015-2016シーズンのすべてのグランプリにおける獲得プロポイントの合計で競われるこのグランプリマスターレースに、その24名のうちの1名分の枠がかかっている。

 そしてグランプリ・シドニー2016はシーズン最後のグランプリ......ということはすなわちこのグランプリ・シドニー2016の結果次第で、グランプリマスターレースからマジック:ザ・ギャザリング世界選手権2016に出場できるプレイヤーが1名決定するのだ。

 そんな気になるグランプリマスターレースの現状は、次のようになる。

順位プレイヤーポイント
1Brian Braun-Duinアメリカ53
2齋藤 友晴日本52
3Seth Manfieldアメリカ48
3Reid Dukeアメリカ48

 大混戦。わずか1勝の差で順位が入れ替わるような、最後の最後まで目が離せない展開となっているのだ。

Brian Braun-Duin

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 チーム"Face to Face Games"に所属するブライアン・ブラウン=デュイン/Brian Braun-Duin、通称BBDは、アメリカで開催されているStarcitygames.com Openでの活躍で頭角を現してプロとなったプレイヤーで、マジックについての記事やビデオを極めて熱心に提供し続けていることでも知られている。

 今シーズンもグランプリ・オクラホマシティ2015、グランプリ・バルセロナ2016、グランプリ・サンホセ2016、グランプリ・サンパウロ2016と4度もトップ8(チーム戦はトップ4)に進出し、優勝こそしていないものの十分すぎるパフォーマンスでグランプリマスターレースのトップに立っている。

齋藤 友晴

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 シーズン初めに「今期は(同時開催を除いて)すべてのグランプリに出場する」と宣言した齋藤は、その言葉のとおりに2015年8月のグランプリ・香港2015に始まり、このグランプリ・シドニー2016まで26回、26週のグランプリすべてに参加した。1年は52週なので、週末だけで言うなら実に1年の半分はグランプリに出ていた計算となる。

 もちろんただ参加しただけということはなく、その半数以上で賞金を獲得し、うち3回はトップ8に進出。

 このトップ8に入った3回はすべてリミテッドグランプリであり、今回のグランプリ・シドニー2016は久しぶりの得意フォーマットということで、逆転に期待がかかる。

Seth Manfield, Reid Duke

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 そこから大きく離れて3番手には同率でセス・マンフィールド/Seth Manfield、リード・デューク/Reid Dukeというトッププロの名前が続く。

 彼らもBBDと齋藤の結果次第、かつトップ4入賞以上という厳しい条件ではあるが、まだ逆転の目は残されている。そして彼らが今期どちらも5回以上トップ8に残っていることからすれば、トップ4は十分現実的なラインなのだ。


 はたしてこのグランプリマスターレースの最終覇者となるのは誰なのか?

 BBD、齋藤、Manfield、Duke。彼ら4名の戦いぶりに注目だ。

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